ショートステイ番外 タイヤ交換後篇

[あらすじ] 自転車の前輪が凹む。虫ゴムを交換して解決。
今度は後輪が張らない。よく見たらタイヤが裂けている。
貰い物のタイヤに履き替えるべく、分解。

後輪にくっ付いているギヤの重なった部分を、スプロケットと言う。
てっぺんのロックリングという部品で固定してある。
ロックリングはロックリング回しという専用工具で外す。
更に、スプロケット回しという専用工具をセットで用いる。

写真、左にこちら向きに見せているのがロックリング回し。
スプロケットの一番大きいギヤに絡めてあるのがスプロケット回し。
どちらも、この目的以外には何も使い道が無いというシロモノである。

強いて言えば、ロックリング回しは背中を搔くのに使える。
スプロケット回しは、背中をくすぐるのに使える。
スプロケット回しの勝ち。

※

ロックリングを外したら、スプロケットを外し、
この機会にテッテ的に掃除する。
ギヤとギヤの隙間に麻紐を掛けて、くるりと回し、掃除する。
８段有るうち、最小のギヤだけ別に外れるので、残り７段のギヤの間だから
６つの隙間を紐で掃除する。
スプレーオイルを噴射して、汚れを洗い流す。

※

新しい車輪のハブにグリスを付け、スプロケットを取り付ける。
ああ、そうそう、スポークプロテクターも届いたので、先に取り付けた。
４本の爪がピッタリだ。

クイックレリーズバーもピカピカに磨いてあるし、
ブレーキシューも交換したし、
あっちこっちの隙間も掃除しまくってきれいで、
気分いい。

※

快調に組み立てた。
タイヤにあらためて空気を詰め直した。
いい気分じゃ。

元々の車輪の軸もシマノの部品だったけど、
貰った車輪はデオーレというシリーズだから、ちょいとランクアップしている。
乗り心地を試したいじゃないの。

近所のスーパーまでひとっ走りすっか。

※

と、漕ぎ出そうとペダルを踏んだら、
空回りする。

チャリチャリチャリ
と軽い音を立てて、ペダルはなんの抵抗も無く回る。

なにごと？

※

その感覚は、まるで、惰性で走りながらペダルを逆回転させた時のようだ。
ようだ。
ようだ。
ああ、
逆なのか

取り付ける時、何かを逆向きに取り付けてしまったのか。

試しにペダルを逆回転させようとしたら、グッとつっかえる。
踏み込んでみたら、自転車はグイッと後ろに進んだ。
バランスを崩して、転倒した。

ううむ。

※

しかし、こんなことで諦めてはいられない。
一輪車を買って練習してみたり、ＢＭＸを買って練習してみたり、
パルクールの練習や、バランスボードをやってみたりと、
バランスを取る練習をこの一年は盛り込んでいる。

この際、この自転車は後ろ向きに進む、ということでバランス練習してみよう。

最初の転倒で懲りたので、その後は慎重になった。
後ろに進むのは、進行方向の状況が見えなくて不安だ。
だから、へんな力が入ったり、振り向こうとしてしまったりする。
それがいけない。
前に進むのと同じ姿勢で自然に乗ればうまくいくはずだ。

※

というわけで、練習事項が増えた。