一年ぶり

富士宮に住む友人がいる。
年に一度くらい、一緒に山に登る。
いつかは富士山に、と言いながらも「混んでるらしいよね」なんて言って
富士の周りの山にちまちまと登っている。

「陣場の滝に行ったのが去年の今頃か、
もう一年経っちゃったんですね、早いなあ。」

そうか、私はあれからずいぶんいろいろなことがあったので、
遥か昔のことのように思える。

「ヨガも始めたって言ってましたよね？」
あーヨガはちょっとサボりがちだけど。
「書道やって、サンスクリットやって、陶芸やって、版画やって、
一日におさまりませんね！」
ほんとにおさまらないから、一日にあれこれやったりはしないよ。
集中力がもたないし、すぐに疲れちゃうし。
「でも一日あっという間ですね。」
夕方近くなってくると目が疲れて細かいことはできなくなるから、
さらに一日が短いね。
「年を取ると、一日が長くて一年が短いじゃないですか。」
うんうん、ここ最近はそれと逆。

※

時間の経ち方の感覚については若返っているが、
机に向かうことが増えた分、体力が落ちてしまっているようだ。
山に登ってめでたく降りて、ご飯を食べて昼寝をして、
目が覚めたら風邪を引いていた。