私が戦争と書いたらそれは某国が隣国に侵攻するとかそういうんじゃなく、
庭にはびこる繁殖力の強い草々どもとの戦いを指す。
平和だ。
目下の敵はドクダミとヤブカラシとトコロである。
共通点は、本体は地下に在る、というところ。
ところで、トコロとはなんぞや。
※
我が家の庭には以前、ヤマノイモが生えていた。
毎年もさもさと伸びて、ムカゴを付けた。
私が蛾の幼虫に惚れた最初は、このヤマノイモにいたキイロスズメの幼虫だった
と記憶している。
小学生だったか、もう中学生になっていたか。
自分の人差し指くらいの大きさのある、ごろんとでっかい芋虫に驚いた。
ずっと後になって知ったが、
芋虫というのはこの虫のことを言う。
幼虫なら毛虫や甲虫類の幼虫なども含めて「イモムシ」と呼ぶ人がおるけれど、
デタラメである。
おいものようにごろんとしているから「イモムシ」なのではない。
「イモ」の葉に付くから「イモムシ」なんである。
その後、庭のクチナシに似た形の幼虫を見付けた。
それはやはり同じスズメガ科のオオスカシバの幼虫だった。
この成虫は蛾のくせに翅に鱗粉が無く、透けている。だから、スカシバ。
黄緑の胸、黄色と黒の腹に赤の差し色で目の周りがメジロみたいに白い。
惚れた。
種類によるが、太さ1cm近く、長さ5㎝前後と大きいことと、
お尻にツンと尖った角が有るのが、スズメガの幼虫の特徴だ。
それから、シモフリスズメ、エビガラスズメ、コエビガラスズメ、
セスジスズメ、ベニスズメ、コスズメ、ホシホウジャク、メンガタスズメなどを見た。
確かに、ヤマノイモが庭に生えていたのだが、
窓際に繁り過ぎるので、ある年、掘り起こして食べた。
そのヤマノイモのムカゴか種から生えた子イモが有った。
※
だから、ヤマノイモだろうと思って生えてくるのを放置していたら、
いつの間にか、トコロがどこからか入ってきて、殖えてしまった。
トコロの類は食用に適さない。
イモの部分はゴツゴツと不格好で、ヤマイモのように白くなく黄色みを帯びていて、
トロみは無くてポコッと折れる。
また、ヤマノイモの葉は黄緑で細身で乾いた感じだが、
トコロの葉はテラッとして、葉脈が赤紫、
と、理解している。
調べると、トコロの類にはムカゴは付かないという。
しかし、我が家の庭であれこれに絡んでいるイモヅルには、ムカゴができる。
だから、トコロではなくてヤマノイモだろうと思って、生えるままにしていたところが有る。
ところが、ムカゴが付くものの、掘ってみると芋はヤマノイモらしくない。
ムカつく!
※
ではこいつら、なんなのか。
調べているが、なかなか分からない。
よくまとまったページが有る。
http://plantidentifier.ec-net.jp/ts_yamanoimo.html
食べられるヤマノイモやナガイモと、食えないトコロの類とは、
ムカゴの付く付かないともう一点、
葉が対生か互生かという見分けもできるようだ。
葉が対生とは、向かい合わせに二枚の葉を付けることで、
葉が互生とは、こっちに一枚葉が出たら今度は反対側と互い違いになる。
ウチのイモヅルの葉は互生。
でもムカゴは付くのだ。
どういうことだ。
上のページを見る限り、葉が対生であるヤマノイモの類はムカゴを付けるが、
葉が互生であるトコロの類はムカゴを付けないということになっている。
ウチのはなんなんだ。
※
こういう時は更に調べる。
すると、ナガイモは「花期までの蔓では互生をしていることが多い。」
という記述を見付けた。
今の時期、確認したのは生えてきてまだほんの間もない蔓なので互生しているのかもしれない。
https://matsue-hana.com/yasou/kubetu/yamanoimo.html
他にも、いろいろな写真を見てみると、
葉の色合いには個体差も大きいようだ。
※
秋に芋を掘って食べたこともある。
白くて粘りのある芋だったので、食えるものには違いない。
とは言え、なんだかスッキリしない。
庭に生えているイモヅルが全てナガイモかというと、そうでもないようでもある。
一旦、勝手に生えているイモを育てて食うことは諦めて、
店で種芋を買ってくることにしようか。
そう迷って何年も経つ。
・秋以外のタイミングで掘り出すと、地上部分の成長のために養分を使っているので、
芋の様子が悪くて食えたもんじゃない。
とか、
・土中の環境がよろしくないと、芋がすんなり長く育つことができず、ゴツゴツになってしまう。
とかいった要素も有りそうだ。
今まで放置したため、各所各署(ところどころ)からイモヅルの芽が出ている。
しかし、イモヅルがやたらと生えるのは、困る。
樹木を傷めたり、電線や家に絡んで物を壊したりして危険だ。
ひとまず、減らそう。
食べるために育てるものは、環境の良いところにちゃんと植えよう。
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