[あらすじ] 借りている月極駐車場の隣が養蜂園だよ。
養蜂家は朗らかな人。
蜜蜂たちは我が庭の池で水を飲み、大島桜の蜜を集める。
ソメイヨシノのはちみつを頂いたよ。
夕方、涼しくなったら車で楽器の練習をする。
家でやっても良いはずだが、
同居母87歳要介護5パーキンソン病ヤール4認知症状少々が、
あれこれ感想を言ってくるのがイヤなのだ。
気にしなければ良いのだが、気になるなあ。
車に向かうと、養蜂家が私を見つけてくれた。
ーこないだははちみつをありがとうございました!
香りと味のギャップに驚きました。
「(グッ)」と親指を立てる養蜂家。
「今日採ったはちみつ舐めてみませんか、パン食べませんか、
時間有りますか須山さん」
はいはい、ではお邪魔します。
※
いつも柵越しに見ていた養蜂園に、初めて入った。
先日、地主さんが草刈りをしていたので、サッパリしている。
敷地の北端に6個くらいの巣箱が並んでいる。
奥の適当な椅子に、養蜂家仲間とおぼしき人がいて、
適当な台で蜜とパンを囲んで話しているようだ。
夕方で、蜜蜂たちは巣箱に戻って来ている。
「さっきまで巣箱の周りを飛んでたんだけど、今はだいぶ収まったね。」
と、お仲間。なるほど。
私は巣箱に近寄って、しゃがんで見た。
「おや、恐れませんね、須山さん」
はあ、まあ、大人しいって聞くし、ウチにも来てるし。
「巣箱の正面に立たないほうがいいです。
横から見てください。
刺されても自己責任ですからねー。」
「昼間はいいけど、夕方になって気温が下がってくると
ちょっと蜂の気が立ってくるね。」
ふーん。
※
さっそく、かねてからの疑問を投げてみた。
ーどうやって、何の花から取ってきた蜜か分かるんですか?
蜂はみんなで同じ花に行くもんなんですか?
・蜜の取れる花の種類は限られている。
・その花の咲く時期も限られている。
・蜜蜂は、効率良く蜜を集めるために、みんなで同じ木に行く。
ーみんなで同じ花から取ってくるのは分かるんですけど、
それが何の花か、っていうのはどうやって分かるんですか?
・蜜の香りと味で分かる。
・足に花粉を付けてくるので、分かる。
そうか!そうだった。
蜜を吸う虫は、受粉の助けになるんだった。
そして、花粉も何か食うんだったっけ?(次の機会に質問する。)
そもそもここも、ブルーベリーの受粉のための蜂なんだった。
時には、蜜蜂たちが蜜を取る木を見に行くことも有るそうだ。
バイクで追っかけるという法螺は、あながち嘘っぱちでもなかったわけだ。
※
「今はベニバナトチノキ(紅花栃ノ木)です。」
神代植物公園にも有るし、周辺にもバス通り沿いにも有る。
なるほどよく見ると、後肢に真っ赤に花粉を付けている蜂が何匹かいる。
しかし思えば、ほとんどの蜂はそんなふうに花粉を付けていない。
付けているのと付けていないのの違いは、何だろう?(次の機会に質問する。)
※
「どうぞ」
食パンを一枚差し出してくれる。
「どうぞ。じゃんじゃん付けてください。」
底に蜜が残ったバケツを差し出してくれる。
巣箱の中に使う板にも蜜が垂れている。
それも付けて食べてみる。
蜜はほぼ透明かと思うくらい明るい色で、
香りも味も軽い。
「採りたての蜜。こんな贅沢は無いな。」
とお仲間。
※
三人で巣箱の前に立って話していたら、養蜂家が言う。
「あ、蜂が迷ってる。
離れたほうがいいですね。」
大人三人で巣箱の前に立ちはだかってしまうと、
蜂が巣箱に戻れなくて困るらしい。
三人とも2歩くらい下がって広がると、
飛んでいた蜂たちがすぐに巣箱に収まって行った。
たしかに、
夕方に疲れて家に帰ってきた時に
誰かが自分の家の前で三人くらい立ち話をしていたら、
自宅とは言え入りづらい。
最初に巣箱の前にしゃがんで覗き込むように見ていたのは、
たいへんなマナー違反だったわけだな。
失礼いたしました。
つづく
養蜂家は朗らかな人。
蜜蜂たちは我が庭の池で水を飲み、大島桜の蜜を集める。
ソメイヨシノのはちみつを頂いたよ。
夕方、涼しくなったら車で楽器の練習をする。
家でやっても良いはずだが、
同居母87歳要介護5パーキンソン病ヤール4認知症状少々が、
あれこれ感想を言ってくるのがイヤなのだ。
気にしなければ良いのだが、気になるなあ。
車に向かうと、養蜂家が私を見つけてくれた。
ーこないだははちみつをありがとうございました!
香りと味のギャップに驚きました。
「(グッ)」と親指を立てる養蜂家。
「今日採ったはちみつ舐めてみませんか、パン食べませんか、
時間有りますか須山さん」
はいはい、ではお邪魔します。
※
いつも柵越しに見ていた養蜂園に、初めて入った。
先日、地主さんが草刈りをしていたので、サッパリしている。
敷地の北端に6個くらいの巣箱が並んでいる。
奥の適当な椅子に、養蜂家仲間とおぼしき人がいて、
適当な台で蜜とパンを囲んで話しているようだ。
夕方で、蜜蜂たちは巣箱に戻って来ている。
「さっきまで巣箱の周りを飛んでたんだけど、今はだいぶ収まったね。」
と、お仲間。なるほど。
私は巣箱に近寄って、しゃがんで見た。
「おや、恐れませんね、須山さん」
はあ、まあ、大人しいって聞くし、ウチにも来てるし。
「巣箱の正面に立たないほうがいいです。
横から見てください。
刺されても自己責任ですからねー。」
「昼間はいいけど、夕方になって気温が下がってくると
ちょっと蜂の気が立ってくるね。」
ふーん。
※
さっそく、かねてからの疑問を投げてみた。
ーどうやって、何の花から取ってきた蜜か分かるんですか?
蜂はみんなで同じ花に行くもんなんですか?
・蜜の取れる花の種類は限られている。
・その花の咲く時期も限られている。
・蜜蜂は、効率良く蜜を集めるために、みんなで同じ木に行く。
ーみんなで同じ花から取ってくるのは分かるんですけど、
それが何の花か、っていうのはどうやって分かるんですか?
・蜜の香りと味で分かる。
・足に花粉を付けてくるので、分かる。
そうか!そうだった。
蜜を吸う虫は、受粉の助けになるんだった。
そして、花粉も何か食うんだったっけ?(次の機会に質問する。)
そもそもここも、ブルーベリーの受粉のための蜂なんだった。
時には、蜜蜂たちが蜜を取る木を見に行くことも有るそうだ。
バイクで追っかけるという法螺は、あながち嘘っぱちでもなかったわけだ。
※
「今はベニバナトチノキ(紅花栃ノ木)です。」
神代植物公園にも有るし、周辺にもバス通り沿いにも有る。
なるほどよく見ると、後肢に真っ赤に花粉を付けている蜂が何匹かいる。
しかし思えば、ほとんどの蜂はそんなふうに花粉を付けていない。
付けているのと付けていないのの違いは、何だろう?(次の機会に質問する。)
※
「どうぞ」
食パンを一枚差し出してくれる。
「どうぞ。じゃんじゃん付けてください。」
底に蜜が残ったバケツを差し出してくれる。
巣箱の中に使う板にも蜜が垂れている。
それも付けて食べてみる。
蜜はほぼ透明かと思うくらい明るい色で、
香りも味も軽い。
「採りたての蜜。こんな贅沢は無いな。」
とお仲間。
※
三人で巣箱の前に立って話していたら、養蜂家が言う。
「あ、蜂が迷ってる。
離れたほうがいいですね。」
大人三人で巣箱の前に立ちはだかってしまうと、
蜂が巣箱に戻れなくて困るらしい。
三人とも2歩くらい下がって広がると、
飛んでいた蜂たちがすぐに巣箱に収まって行った。
たしかに、
夕方に疲れて家に帰ってきた時に
誰かが自分の家の前で三人くらい立ち話をしていたら、
自宅とは言え入りづらい。
最初に巣箱の前にしゃがんで覗き込むように見ていたのは、
たいへんなマナー違反だったわけだな。
失礼いたしました。
つづく
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