犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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渡るな

2019年06月30日 | 犬と暮らす
[あらまし] 飼い犬ジーロくん去勢オス13歳11ヶ月。
下痢と下血と吐血が有ったので5月初めに動物病院を受診したら、
慢性腎不全という診断。
現在、毎日自宅で点滴をしている。
慢性腎不全と言ったら、もう良くなることは無いと思っていたが、
点滴が功を奏して、下痢もせず、元気に散歩に行けるようになった。


自宅で飼い主自身が点滴をする、ということに驚いて、
いろんな人に話してみたら、経験者は結構いた。
「うちのこも最後の半年は毎日うちで点滴してたわー。」
なんて言う。
それって、うちの余命もあとそんなもん、っていうことか、
と、覚悟した。

しかし、点滴を続けてみたら、血液検査の結果は
少しづつ良くなっていった。
散歩の帰りに疲れて立ち止まってしまうことも無くなり、
下痢しなくなり、食欲も良くなり、
おしっこもしっかり黄色いのが適量出るようになった。

毎日、点滴している間、犬の身体を抱きかかえるために来てくれる、
近所の友人Mには感謝の踊りでも奉納せにゃならん。



耳が遠くなった。
呼んでも気付かない。

しかし、一週間ほど前、
後ろから呼んだら、耳がくるりと動いた。
犬は、背後で物音がすると、よく聞こうとして耳が後ろに向く。
これはもう、反射的なものだ。

名前として聞き取れてはいないにしても、
声は聞こえているのだ。

中国古典医学では、耳と腎は密接な関係が有る。
腎臓が良くなって、耳の聞こえも改善されたのかしら、
などと思った。



近所の広場で、犬を放し、帰り際にはまたリードに繋ぐ。
以前は呼べば寄って来たが、今は声と同時に、私がしゃがむことで合図にしている。
しゃがむと、ジーロは駆け寄って来る。
ぐ。かわいいやつめ。

リードに繋がれることはまるでいやがらない。
犬によっては、「リードいや!」「もっと遊ぶ!」と走り去ることも有るが、
ジーロはなんだかひどく従順なのである。
リードを見せると寄って来さえする。



ジーロは、他のきょうだいより早く、生後5週で里親さんの家に行った。
そこで2日2晩鳴きとおして、「こんな犬飼えない」と、親きょうだいの元に戻されてきた。

無理も無い。

生後5週は、仔犬を引き離すには早過ぎる。
ボランティア団体も、何を考えていたのだか。

早過ぎる親別れは、犬に不安を植え付ける。
ジーロは今でも、ひとりになるのがいやだ。

放してやっても、数メートルごとに振り返って、私がいるのを確認する。
姿が見えなかったりしたら、大慌てで走り出して私を探す。

慌て過ぎて走り去ってしまうことすら有る。
呼ばれているのが聞こえないのだろう。

そうならないように、注意して、離れないように歩く。



広場から出る、帰り際には必ず振り返り、私がしゃがむと寄って来る。
そしてしっかりリードに繋いで、一緒に帰る。

という習慣が、なんだか少し崩れている。

毎日同じパターンで行動していると、同じようにできる。
犬は、行動の意味を理解しているわけではなく、パターンでおぼえているからだ。

「車も通る道をリード無しで渡ってはいけないから、ここでリードに繋がれる。」ではなく、
「いつもここで振り返ると親分が呼ぶから行くとリードに繋がれる。」というだけのことだ。

だから、行動パターンを崩すと、うまくいかなくなる。



呼び戻すタイミングが少しずれた。

リードに繋がれないまま、ジーロはトコトコトコと、ひとりで歩き、
呼んでも振り向きも立ち止まりもせず、
バス通りを一匹で横断して、帰り道に向かった。

私は大声で、いつも言う「とまれ」を言ってみたり名前を呼んでみたりしながら
追い駆けた。
道路はたまたま、車が多めではあったがそのせいも有って飛ばしておらず、
犬がトコトコトコと歩いて渡り切る間も、
両方向から来た車が一時停止してくれていた。

私の寿命が縮んだ。
何が起きても、飼い主の責任でしかない。
犬のためにも自分のためにも運転者のためにも、
私がきちんと犬をリードに繋ぐしかない。

まったく、点滴して元気になって車に撥ねられましたじゃあ
話にならない。



今日は青森レインボープライドだ。

昨年は、ジーロくんと一緒に参加した。
今年はこんな体調なので、遠出はやめておくことにした。

パレードが楽しく実り有るものでありますように。
参加者が、今後の支えになるような希望を感じられますように。

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