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北斗の拳(ハリウッド版 DVD鑑賞 この映画化に必要だったものとは)

2005-06-07 08:59:01 | ビデオ・DVD・テレビ放映での鑑賞
今更すぎるが、DVDで「北斗の拳」ハリウッド版を見た。
よくもまあ、こんなもんがDVDでレンタルされていたものだ。パチスロ効果?
これはいつ頃の映画だったか? 多分90年代初期ぐらいだろう。

友人が言っていた。「人気漫画原作の映画は、原作への愛がなければ駄作になる」
その意見は、この「北斗の拳 ハリウッド版」について言えば間違っている。
「北斗の拳」映画化には愛などよりもっと重要な要素があるのである。

********************
主演のゲイリー・ダニエルズは、演技もアクションも全くダメである。スターの魅力ゼロ。
「ほっほっほっ」とか言いながら、明らかに腰の入っていない手打ちの北斗百裂拳を繰り出す。
英語音声・字幕スーバーでこの映画を見たら、苦痛でしかない。ひどい駄作である。
監督も主演も「北斗の拳」を何も判っていない!!!

しかし、しかし、偉大な人類は、2種類の音声で鑑賞可能な「DVD」というものを発明したではないか。
気を取り直して日本語吹き替え版に切り替えて鑑賞してみよう。

そこには字幕スーパー版と全く違う熱ーい世界が展開していたのである

神谷明が・・・もう一度言おう、神谷明が、ちゃんと
「あぁたたたたたたたたた!!!!!ほわたぁっ!!!あちょぅ!!」
と叫んでいる。
「ユリアァァァァッッッッ!!!!!」
と絶叫している。
「お前はもう死んでいる」
と言っている。

奇跡がおこった。
ダメ俳優が、生まれ変わった!!
ゆるい顔、ゆるい演技、ゆるいアクション、声だけ大熱演。
「声」とはなんて偉大なんだろう!!ていうか、神谷明はなんて偉大なんだろう!!!
監督の意図全く無視した吹き替えで、もしキューブリックが監督なら激怒するところだが(もちろんキューブリックが「北斗の拳」なんか撮るわけないが・・・)、神谷明の演技が映画を救ったのは事実だ。神谷明にオスカーを!!

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もう一人の功労者はシンの吹き替え、古川登志夫だ。
シン役の俳優は、それほど悪くはないのだが、やはりラテン系のシンはちょっと違和感があるし、南斗聖拳がスパスパ系の技でなく、秘孔ついて内部破壊させる系の技に変えられてるのがまた残念だ。
ところが古川登志夫の声で、不思議とシンに見えてきちゃう。あの陰険な喋り方

********************
ちなみにユリア役は鷲尾いさ子で、吹き替えも本人が担当。ビジュアル的にはユリアっぽい気がしないでもないが、台詞が棒読みすぎる。
敵が「ひでぶ!!」とか「あべし!!」とか言わないのが残念だったり、リュウケンが白人で(マルコム・マクダウェル!!)、「ケンシロウ、お前は北斗の拳だぁ」とか言ったり(「北斗神拳の伝承者だ」だろう・・・それくらい気を利かせて翻訳しろよ)

まあ、言うまでもなく大した映画ではないのだが、声優二人が起こした奇跡を体験できる珍品だ。

********************
とにかく「北斗の拳」映画化の場合、愛よりもリスペクトよりも神谷明が重要なのである。

もう一回ハリウッドでリメイクしないかな。俳優は誰でもいいや。吹き替えが神谷明なら。
あと、前から思ってたのだけど、そろそろネタ切れ感濃厚なNHK大河ドラマで「北斗の拳」やってくれないかなあ(声は神谷明で)

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2 コメント

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観たいと・・・ (kossy)
2005-06-12 17:04:44
ずっと観たいと思っていたのに、

今まで見れずにきました。

どこのレビューサイトでも最低評価。

そ、そうでしたか・・・

日本語吹替えがいいのですね!!

探してこなければ・・・
返信する
kossy様 (しん)
2005-06-14 03:00:30
こんなどうでもいい記事へのコメントありがとうございます。

まさかコメントされるとは・・・

書き捨て記事のつもりだったので、ちょっと感動



いいっていうか・・・

神谷明がいいだけなので

最初に字幕でちょっと観て、後から吹き替えでみると、その落差に感動しますよ
返信する

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