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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

キューティ・ブロンド [監督:ロバート・ルケティック]

2009-04-08 00:24:14 | 過去に観た映画
個人的評価: ■■■■■□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]

3本3000円でDVDを売っていたので、ジュラシック・パーク、グーニーズとともに「キューティ・ブロンド」をチョイス。
久々に見たが、やっぱり面白い。とにかくシナリオが完璧すぎるのだ。

昔、サークルのHPに書いた映評をパソコンの奥底のフォルダから見つけ出したので、アップしてみる。

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これはとても面白い映画である。ハリウッド娯楽映画のシナリオのお手本。教科書どおりに作られた映画ともいえる。
この映画はほぼ10分から15分おきにプロットの転換点となる事件が用意されており、その都度主人公エル(リース・ウィザースプーン)の目的意識が変化していく。このめまぐるしい展開で観客は頭を使うスキがない。何も考えずにてれーっと見続け、ああ面白かった、と思う他ない。シナリオ構成の勝利、そしてエピソードの時間配分に気を配った編集の勝利だ。

シナリオ分析

【0~10分】
今日いよいよエリートのワーナー(彼氏)からプロポーズされるわ、とウキウキしていたオシャレでリッチで見かけ馬鹿そうに見えるエルのキャラ紹介。

【10分~15分】
「30歳までに公職に立候補するには、君なんかと付き合っていられない」
と、上昇指向のワーナーにあっさりフラれるエル→[第一の事件]
彼を振り向かせて見せる!!<映画のメインの目的>
そのためには彼を追ってハーバードのロースクールに入る!・・・<第一の目的>

【15分~30分】
ハーバードにわずか5分間の勉強シーンであっさり入学。
学園ライフ始まる。イヤミな女ビビアンと出会う。やさしい男エメットと出会う。
ワーナーは今ビビアンと付き合っている→[第二の事件]
彼の心を取り戻すのよ!・・・<第二の目的>

【30分~50分】
キャラハン教授の講義でトップ4の成績の者は実際の刑事事件で弁護の実習ができる。
エル、ワーナーに言われる。「君の頭じゃ無理さ」→[第三の事件]
私だってやればできるんだから!・・・<第三の目的>
そして勉強に打ち込み、見事ワーナー、ビビアンと共にトップ4入りしたところで丁度上映時間の半分。前半終了。

【50分~60分】
後半開始。
殺人事件の被告の弁護を担当するキャラハン教授とエルたち。→[第四の事件]
エル直感「彼女は無実よ」・・・<第四の目的(後半は全てこの目的に目指して突き進む)>

【60分~80分】
裁判開始。
裁判開始後10分で原告側証人の偽証を暴くエル
キャラハンにセクハラされるエル
「こんな汚い世界だったなんて・・・私はLAに帰るわ!」→[第5の事件(クライマックス突入前のタメ)]

【80分~88分】
クライマックス。
いろいろあって戻ってきたエル。被告はキャラハンをクビにして、エルを専任弁護士に指名。
当然のごとく勝訴するエル!
ワーナーがエルと寄りを戻そうとするが「30歳までに弁護士を目指すにはバカ男なんかお断り!」前半の目的をすべてここで清算。

【88分~90分】
エピローグ。ハーバードの卒業式。
総代としてスピーチするエル「人を第一印象で判断するのは危険です」(この物語のテーマを明確に伝える。)
イヤミなビビアンは実はいい子で親友になった。
エメットはビビアンにもフラれいいとこなし
やさしい弁護士エメットは今夜彼女にプロポーズする

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見事すぎる。こんな脚本書いてみたい。

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