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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

ロボ・ジョックス

2020-05-08 00:22:49 | 過去に観た映画
うえだ城下町映画祭の尾崎さんから頂いた7日間映画チャレンジの5日目
1日目は2020年代作品から「ミッドサマー」
2日目は2010年代作品から「i 新聞記者ドキュメント」
3日目は2000年代作品から「エレニの旅」
4日目は1990年代作品から「病院で死ぬということ」

そして5日目は、1980年代からと思い、80年代のバカっぽい映画から「地獄のコマンド」か「プレデター」か「男たちの挽歌2」か「トレマーズ」か・・・と悩みましたが、どれも語りつくされてる感じがする映画なので、知らない人も多そうな映画にしました。
でも、まあまあ書き進めてから調べたら公開1990年の映画でした。てへぺろ

2013年に公開されたギジェルモ・デル・トロ監督「パシフィック・リム」は大ヒットもしたし、怪獣好きも巨大ロボット好きも楽しめる夢のような映画でしたね。
でも実はその20年以上も前に、CGなんてろくにない時代にほぼミニチュアで、怪獣は出ないけど巨大ロボットバトルを描いた映画があったのです!
「ガンヘッド」のことじゃないですよ。あんな巨大ロボットの大活躍を期待して見に行ったら腕付き戦車で、変形しても能力なんも変わらねーじゃねーか!!ふざけんなよ監督原田眞人な映画ではありませんよ。

今回紹介する驚愕の巨大ロボ映画とは

・・・・ゴゴゴゴゴ・・・・・

「ロボ・ジョックス」

日本公開1990年
スチュアート・ゴードン監督

みると残念に思うところがありまくる映画ではありますが、心意気だけは当時世界最強だったこの映画を、実は手元にDVDとかあるわけじゃなく、30年くらい前に大学映研の先輩が480円で買ったレンタル落ちVHSを借りて観たときの記憶をたどりながら紹介してみます
何ぶん昔の記憶なので、いろいろと間違いはあるかもしれませんが、勢い重視で正誤判定などせずに書き進めます。

まずは衝撃のストーリーから

「近未来・・・世界では戦争は禁止されていた。」

戦争を禁止しますといわれて「はーい」と従うとは、かなり平和な社会に思えるが、

字幕はつづけてこうつづられる

「国家間の争いは巨大ロボット同士の一騎打ちで決められるようになっていた。」

そのオープニングの字幕が消えるや否や・・・
針葉樹林帯をなめるようにドリーするカメラの手前に、巨大なロボの腕だったか足だったかあるい頭だったかが、ボゴゴーーーンと落ちてくる

それはシベリアの領有権を決めるためのロボットバトルだった。
今、東側のロボによって、西側のロボ、たぶん「マツモト13型」が完膚なきまでに敗れ去り、バラバラに破壊されたところだった。
シベリアよこせって言って返り討ちにあったのだろうか?
なお「たぶんマツモト13型」と書いたのは、正直ロボット名は覚えてないのだが、のちに出てくるロボが「マツモト14型」なのははっきり覚えてるので、「たぶん」と書いたものである。

自慢のロボが完敗した西側は、敗因をパイロットが未熟だったからと決めて、巨大ロボのパイロット、人呼んで「ロボジョックス」の育成により力を入れることにするのである。
一方で東側は勝利に鼻息あらく、次はアラスカの領有権をかけてロボバトルを仕掛けてくるという。

そんなわけで慌てている西側陣営は新型ロボ開発をマツモト博士に託し、ジョックスの育成を急ぐのである。

で、ここからジョックスの訓練シーンが続き、実は訓練シーンが割と物語の大半を占めるので、中だるみ感は否めず、中盤は倍速くらいでみてちょうどいいかもしれない。
とはいえ、基本的人権?なんですかそれ?的な、死にかねない特訓の数々は、それなりに笑いを誘う。ジョックス養成所において不適格とはつまり死を意味するのだ!!
他にも、「酔っ払いに酒を飲ませてはいけない法律」とかのよくわからない未来世界観とか、ジョックスたちの気合い入れの決め台詞「クラッシュ・アンド・バーン!」とか、やっぱり倍速で観るには惜しい場面は盛りだくさんなのだが。

訓練シーンと言えば、主人公は失敗して挫折して、「俺はもうジョックスじゃない・・・」とか言って自ら脱落の道を選ぶかと思わせて、また復帰するとかいう、トップガンとかで観たようなお決まりベタベタ展開もまあ悪くはない。

で、なんかよく覚えてないけど、ついに東側っていうかソ連の最強ロボが、ロボットバトル会場に到着。
迎え撃つは、西側の最新鋭最強ロボ「マツモト14型」
これはガンヘッドなんかよりはるかに高性能で、きちんと二足歩行するし(ミニチュア特撮で!!)、一方でソ連ロボは足が4本か6本ある禍々しいが強そうなやつ。
ついにマツモト14は、男子の夢、飛行形態への変形を決め、ソ連ロボもそのくらいの性能は持っていて、両者のバトルは空中戦に突入!
ただの空中戦を超えて、あきらかに成層圏くらいまで上昇。地球は青かったぜと美しさに酔う暇もなく、両者は墜落して、飛び立ったところと全く同じ場所に落下する。

足が大破し行動不能になったマツモト14は、今度は戦車モードに変形!!どうだ観たかガンヘッド。他にも最強の秘密兵器「目つぶし」(ドムの胸の拡散フラッシュみたいなやつ)で敵を翻弄するも、パワーと火力で勝るソ連ロボに押され徐々に劣勢に
ついにマツモト14は大破し操縦系統をやられ行動不能。
そこに迫るソ連ロボ!!
ソ連ロボ頑丈だな!!
パイロットのアキリスは操縦席を飛び出し、逃げるのかと思いきや、地上に投げ出された腕ユニットに向かう
フハハハハハ死ねぇッ!!と迫るロシア人パイロットに向けて、手動操作でロケットパンチ発射!!!
見事にソ連ロボの心臓部に命中し、ドガガーン!!と爆発するソ連ロボ。
勝ったと思いきや、ロシア人パイロットは寸前で脱出していて、お互いに愛機を失った二人は、素手で殴りあうのである。
ぼこぼこ殴り合った末に、アメリカ人パイロットのアキリスが優勢になるのだが・・・
どうしてそんなことになったのだろう?
アキリスは、殴られまくってあとはとどめを刺されるだけになってほぼ観念しているロシア人パイロットに、手を差し出して
「二人とも生きるんだ!!」
と急にスタローンみたく熱く語る
ロケットパンチとかぶちかまして、ぶっ殺しにいってた奴が急に何を言うのか?と思ったら・・・
ロシア人パイロットも、アキリスが差し出した手をがっちりつかむ。
東西のジョックスには、もはや怒りも恨みもなく、強敵(トモ)として理解しあったのである!!

ああ、本気で殺しあわなければ到達できない、この境地!!

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終盤のロボバトルをほぼミニチュアとコマ撮りでやり切った激熱な、だけど脚本とかグダグダの極致なこの「ロボ・ジョックス」
ロボのデザインの方向性としては、ちょっとリアル志向で、実用的で、ちゃんと顔のあるロボを期待してはいけない。ただしダグラムやザブングルが好きな人にはけっこう痺れるデザインだと思う。

監督のスチュアート・ゴードンは、90年代にはけっこうバカB級アクションSFの佳作をコンスタントに発表していた人で、脱出不可能な宇宙刑務所を舞台にした「フォートレス」とか、カート・ラッセル主演の宇宙の改造人間兵士の物語「ソルジャー」とかかなり面白かった(この二作は正直言って「ロボジョックス」より全然面白い)
でも、男の夢、変形巨大ロボを、低予算のくせに、もてる技術のすべてをつぎ込んで作ったこのポンコツバカSFバトルアクションロボット格闘映画「ロボ・ジョックス」をなにかの機会があればぜひご覧になってください!!

#savethecinema #映画リレー

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※なお毎日バトンを回すというのはやりません。最後に誰かに回すかもしれません・・・
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