[Capricious Model Rail Factory] ** 気まぐれ鉄道模型工房 **

European/British/Japanese railway modelling in OO/HO/N

自由形 国鉄ED58 (その1)

2015-05-13 19:55:36 | [jp] 鉄道模型 日本型16番

今年の所属クラブの競作ネタは機関車ということで、KATO EF58ブルーを特急色に塗ってお手軽に済まそうかと思っていたが、KATO EF58改は他に超大作のエントリが見込まれるため、仕掛車両留置場の、ebayで仏人から安値落札したSNCF 2D2 9100電機が目に留まり、こいつを何とかすることにした。

実物はSNCFのブッフリ駆動急行用直流電機で、詳細はWikiを見て頂くとして(https://fr.wikipedia.org/wiki/2D2_9100)、模型の方は古いJouef製品で、落札品は前所有者が色々改造していて、一応動くが半ジャンク状態。ROCO製品と比較し見劣りするので、そのままレストアする気にならず、分解したまま放置Playになっていた。

前面2枚窓に飾り帯付で、印象がEF58に似ているので(というより飾り帯はEF58そのまんま東。さてはパクったな)、レストアするついでに、国鉄色に塗り替えてやることに決定。

まず、国鉄型に化けさせるためのストーリをでっち上げる。

 ブッフリ駆動電機といえば、戦前鐡道省がスイスから2両輸入したED54がある。大出力電動機車体装荷のお蔭で高速性能が良く、最初は乗務員に好評だった様だが、工場が精緻な駆動装置をメンテし切れず、次第に不調になり、定期運用から外された。その後国鉄は電機の吊掛駆動を何とかするために、クイル式とか色々試したが、結局どれもモノに出来ず、JR最新電機も未だに吊掛式。

で、ここから作り話。

終戦後、国鉄は特急列車の高速化のため、大出力でバネ下重量が軽い電機の開発に着手。駆動機構を種々検討し、欧州で実績を積んでいるブッフリ式に再挑戦することにし、丁度その頃フランス国鉄が導入していた2D2 9100型が、同じ直流1500Vで、軌間の差こそあれ、当時国鉄最強のEF57の倍以上の連続定格3700kWを叩き出していることに着目。フランス国鉄に、日本向けに最低限の変更をした同型機を、単独運用が組める最低限の5両、ED54の苦い経験を踏まえて整備用機械設備込みで発注した。形式はED57の次でED58。

車体は最大幅を削っただけでほぼオリジナルのまま。軸重制限と足回り狭軌化により定格出力は少し落ちて3000kW。ブッフリ駆動装置は片側だけでも良いが(ED54は片側)、フランス国鉄技術陣の強い勧めで、駆動メカの負荷低減と車軸捩れによる両側動輪の出力不均衡を避けるためにオリジナルに倣い両側駆動とした。

 日本に到着後、早速東海道本線の優等列車牽引に投入され、居並ぶ国産F級電機を凌駕する高速性能を発揮。その洗練されたスタイルは、当時設計が進んでいた新EF58に影響を与えたことは想像に難くない。

運用成績も良好で、増備のためフランスに追加発注かライセンス生産を打診したが、国庫の外貨不足と国内業界団体の横槍のため増備契約は破談、ライセンスの方もスイスSLM社から高額な技術料を要求され破談に。コピー生産も禁じられたため、投入した5両を東京―米原間の特急牽引に限定運用。しかしSGが無いため冬季に暖房車連結が必要で、次第にEF58に主役の座を奪われ、軸重が重いため使用線区が限られ、山陽本線の急行列車牽引に転じた後、電車化で職場を失い、幡生の隅に留置。華やかな経歴から保存の話が何度も出たが、国産機でないためか国鉄は冷淡で、惜しまれつつ全機解体された。地元の某車両メーカがスクラップとして貰い受けて、研究用に保存しているという噂があるが定かではない。

 模型の話は次回に。進捗状況はこの通り。

 

 


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