レモングラス~まっちょんのお気楽日記~

乳がん患者歴9年目。結構ベテランの域に。現在骨、頭部、肝臓転移治療中。日々の思いを気ままに、ゆったりまったり綴ります。

家庭内ホームレス

2008-11-16 | 日々のこと
うちのダンナは新聞が好きだ。好きというより趣味に近い。
地方紙をはじめ、全国紙、週末だけのスポーツ新聞、日経まで読んでいた。
月末になると、集金があるので「勘弁してくれ」といつも思っているのは、私だけ。
最近日経を止めてくれて、ちょっと助かっている。

観察していると、座って読むより、寝っ転がって読んでいる時間が長い。
夜、布団に寝て読むのが楽しいらしい。
そこまでなら私は何も言わない。
困るのは、読み終えた新聞を枕元にずーっと置くことだ。
手が届く180度圏内に、新聞をはじめ雑誌、本など活字類が溜まる。
「読んだら新聞入れに置いといて」というのだが、自分では全くしない。
結局片付けは、私の仕事。
ちょっと気を抜くと、枕元の新聞がうず高く積っている。

そこで、定期的に私は爆発!
「何回言ったらわかるのよ~。自分で読んだら自分で片付けろっちゅーの!」

そしたら、こう言ってきた。
「だって、新聞が周りにあると暖かいんだもん。」
あんたは、どこで寝てるんだ?

うちのダンナは、家庭内ホームレスと化している。











インフルエンザ近し

2008-11-15 | 日々のこと
タキソテール、ナベルビンと続いている化学療法。
投与後2日後には発熱と体の痛さ、倦怠感などが副作用として出ていた。
それが、2、3日続く。想定内だといえども気分のいいものではない。
ここ数回のナベルビンは熱が出なくなってずいぶん楽だ。
体のふしぶしが痛いのは相変わらず。
まるで体中が錆びついているようで、体を動かすのも一苦労。
しかしロキソニンを飲んだら楽になってきた。もう少し早く飲めばよかったなあ。

今日のYahoo!Japanニュースにインフルエンザが流行りつつあると書いてあった。
インフルエンザの予防接種をまだしていないので、先日の治療日にどのタイミングですればいいのか聞いてみた。
私の場合、1週目2週目が治療なのでできない。今までだと休薬週の3週目の白血球が一番下がるので3回G-CSFを注射する。
ということは、次のナベルビンの投与をする3日前、つまり予防接種が打てるのは、ピンポイントで1日か2日しかない。
おまけに、今回打てるであろうタイミングの日が祝日(24日)で病院は開いていない。
う~ん、困ったなあ。

来週からぐんと寒くなるそうだ。
体調に気をつけなくっちゃ。



あいかの香り

2008-11-14 | 日々のこと
今でもメールのやり取りしている、子どもの同級生のお母さん(Wさん)がいる。
数年前、県外に引っ越しされたが、メールで私の体調を気遣ってくれ本当にありがたく思っている。
出会いはK小学校の入学式だった。入学式後、各クラスのPTA役員を決めるのだが、一緒に役員をしたのがきっかけである。
一緒に学年行事や球技大会、バザーもした。

K小学校のPTAは、非常に元気のよいお父さんお母さんがいっぱい!
歓送迎会で披露される「出し物」には、衣装を揃え、練習時間も確保する。
それはそれは素晴らしい「芸」が毎年披露されるのだ。

かくいう私も「マツケンサンバ」を踊らせていただきました。
DVDを事前にもらい、「家で自主練習をせよ」との指令。
踊りの練習で筋肉痛になったのは、言うまでもない。

そして飲み会の最後には、音楽担当の先生の割りばし指揮を中心に、保護者と先生が輪になり、手をつなぎ肩を組んで校歌を歌う。
まさに体育会系のノリで、初めて参加した時には目がテンになった。
でも、このノリが大好きだった。
「子どもは卒業しても親は留年できないものか?」校長先生に直談判したがあえなく却下。残念だ。

話がそれたので、そろそろ本題に。

Wさんのご実家は長野にあり、リンゴを作っておられる。
いろいろな種類のリンゴや洋ナシがあり、この時期になるといつも注文してWさんのリンゴを食べるのが楽しみの一つである。

昨日メールで「あいかの香り」という種類をお願いしたら、早速届いた。空を飛んで来るような速さだ。
着いた早々、箱を開けると甘い香りがする。
リンゴを切ると、中心付近には蜜がのっていて、シャキシャキ感たっぷりの味。
ああ、いつもの味。

このいつもの味を維持するのに、どれだけの労力と神経を使っているのだろう。
工業製品と違って、リンゴは自然によって大きく左右される。
数年前には、もうすぐ収穫、という時に台風で大量のリンゴが落下したそうだ。
また、大水が出た時には木の上の方にまで水をかぶってしまい、その年の洋ナシは全くだめだったそうだ。
今年は台風の上陸がなかったから大丈夫かなと思ったが、最近まで天候不順だったらしい。

Wさんのお父さんお母さんのご苦労に思いをはせながら、リンゴをありがたく頂くことにしよう。













Good job !

2008-11-13 | 治療のこと
再発後、抗がん剤治療が始まってちょうど1年がたった。
昨年11月からタキソテール(3週間に1回のペース)をしていた。
腫瘍マーカーはコントロールできていたが、副作用がいよいよきつくなり、日々の生活にも影響が出てきたので、
今年9月からナベルビン(1週目、2週目投与で3週目休み)をしている。

以前は白血球が下がることはあまりなかったが、今は高くても正常値範囲の下ギリギリ(3000ちょっと)。ナベルビンをすると1500前後まで下がる。
なので、G-CSF(グランシリンジ)という白血球を上げる注射がいつも必需品となっている。
今日のナベルビンは2週目だからてっきり低いと思っていたら、昨日の温泉が良かったのか?3700もあった。好中球も正常値。
嬉しい誤算だ。

ナベルビンを入れる前に吐き気止めの点滴、次にナベルビン。
ナベルビンは血管痛や血管炎という副作用があるので、短時間でザーッと入れる。
以前のタキソテールだと1時間以上は必要だったが、単にナベルビンだけなら5分もかからず、副作用の血管痛などは全くない。
その後に生理食塩水を入れる。今日は3週に1度のゾメタも当たっていたので、プラス30分でゾメタ点滴で終了。

私の場合、ナベルビン点滴をした直後から、喉の奥が詰まったようないや~な感じがしてくる。
吐き気止めの点滴をするのに、吐き気に近い感覚。
今日はIセンターの「スマイルサロン」があり、途中まで車を走らせたのに、運転中調子が悪くなり、泣く泣く撤退。
帰宅後、速攻でナウゼリン錠という吐き気止めの薬を飲む。
これを飲むとス~ッと良くなるんだよな。
ナウゼリン君、よくやった。

点滴を待つ間、隣のベッドには急に体の調子の悪くなった患者さんがいた。
カーテン1枚を隔てただけだから、患者さんの声やドクターの声が聞こえる。

緊急処置をしているのだろう。看護師さんにてきぱきと検査や薬の指示を出すドクターの声。
はっきりと、ゆっくりと冷静に話している。
冷静な声に聞こえるけど、きっと緊張感の中、ドクターの頭の中はものすごい勢いで動いているんだろうな。
患者さんやそのご家族にも不安がらせないように、方言も交えながらゆっくりとわかりやすい言葉で体調を尋ね、薬や病状の説明している。

ドクターの治療の甲斐があり、体調も落ち着いてきた。
ホントに、よかった。
最後にドクターは「絶食なのに検査の時間や待ち時間が長かったからしんどかったね、ごめんなさいね。」と気遣いの言葉。

う~ん、高好感度、抜群!

同じ外来場所にあるが、科が違うので話をする機会は、ほとんどない。
もし、私の心臓血管に何かあったら、迷わずあなたを指名します、S先生。


















いい湯だな

2008-11-12 | 日々のこと
最近寒くなったからだろうか、体が冷える。
特に足は痛いくらいに冷えている感じがする。
湯たんぽを使い足の裏を温めながら眠るが、午前3時ごろになると足の冷たさで目が覚める。

以前から温泉大好き人間なのだが、抗がん剤治療をして髪がなかったので、しばらく温泉から遠ざかっていた。
今日は、久しぶりに近くの温泉に行ってみた。
平日だから人が少ないだろうということ、ツルツル頭から中学生の野球部くらいの坊主まで少し髪が伸びたこと、足をなんとか温めたかったという理由からだ。

予想通り車は少ない。おまけにレディースデーで半額。ラッキー!!
頭にタオルを巻いて、いざ、露天風呂へ。
きれいな青空と紅葉。

まさに、至福の時・・・。

さあ、明日は治療の日。いいお湯で、免疫力UP!UP!
ナベルビン君&ゾメタ君、明日も頼むよ。





退院後に思ったこと

2008-11-11 | 治療のこと
2001年6月に入院して9月に退院した。

これまでの治療は入院中に行ったので、何かあってもドクターやナースがそばにいるという安心感があった。
しかし、退院すると周りに私のような病人は、いない。周りは元気な人たちばかりだ。
とたんに、温室から放り出された観葉植物のようにへナッとして、心細さや不安感、孤独感を感じた。

そして、再発への恐怖感。
寝ても覚めても乳がんが頭から離れない。

ちょっと腰が痛ければ、骨の転移か?
ちょっと咳が出れば、肺の転移か?
ちょっと頭が痛ければ、脳の転移か?
耳アカをほじくりすぎて化膿しただけなのに、耳の転移か?と本気で思った。
ちなみに、耳の転移は今まで聞いたことはない。

今思うと、あの頃の私は「アホか!」である。笑っちゃうくらいに。
でも、大真面目に、本気で悩んでいた。
「毎日血を採って腫瘍マーカーの検査をしてくれ!」とさえ思っていた。


そんなときに出会ったのが、乳がん患者会「あけぼの会」である。
ワット会長の書籍や会報誌に載っている会員の体験談を読むと、同じように悩んでいることがわかった。

「私だけではなかったんだ。」
それがわかっただけでも、ずいぶん気持ちが楽になった。


しかし、悪いことばかりではない。

あるスカッとさわやかな秋空の日。
洗濯物を干している時、突然「幸せだ~」と感じた。
今までは「面倒くさいな~」くらいにしか感じたことがなかったのに。

抜けるような青空に感動し、
普通の生活ができることに幸せを感じ、
生きていることに喜びを感じることができたのだ。

元気な頃の私は、「不満タラタラ人間」だった。
もちろん今でも不満や文句は言うが、ささやかなことに、感動や幸せ、喜びを感じるということに気がついたのも、乳がんを経験したからである。
乳がんになったからこそ出会えた、かけがえのない友人もたくさんいる。

今ならはっきり言える。
乳がんになっても、悪いことばかりじゃないよって。

(つづく)













んな、アホな~ Part.2

2008-11-11 | 日々のこと
先週のある日のことである。
今日を逃したらしばらく晴れの日はないというので、忙しく布団を干したり部屋の掃除や換気をしていた。
夕方、布団を取り込んだり片付けをしている私の横で、少し早く帰宅していた高校生の息子が、「のべ~」と寝転がっていた。
「ちょっと、あんたも手伝いなさいよ。」と言っても聞こえないふりの息子。
超、ムカつく!

布団を持ったままの私は、再び「手伝えっちゅーの!」と言いながら、息子のお尻をペシッ!と足で蹴ってやろうと思ったとたんに・・・。
足がオシリに引っ掛かる前に、思いっきり転んだ。
持っていた布団とともに、ふっとんだ。

あたたた・・・。

どんくさい。どんくさすぎる。まさに、自爆だ。

脚の付け根が、痛い。
40オンナのすることではなかった。反省しても後の祭り。
こんな理由で鎮痛剤のロキソニンをくれと、主治医にはとても言えない。

当の息子は「何しとーだ?」と寝っ転がりながら、ボリボリお尻を掻いていた。おまえは、オヤジか?!

ああ、ムカつく!







人生の成績表

2008-11-10 | 日々のこと
筑紫哲也さんが亡くなって数日経った。
週末から週明けにかけて、テレビ全局で筑紫さんのことを報じている。
ジャーナリストの死をこれだけ放送するのは今まで知らない。
日本の報道に、大きな金字塔を立てた証拠でもあろう。

「NEWS23」も今までどれだけ観てきただろうか。
私は、筑紫さんとおすぎさんの映画紹介のコーナーが好きだった。
彼は、こんな言葉を残しているそうだ。
「お墓には何も持っていけないから、どれだけ人生を楽しんだかが大切。それが、人生の成績表。」

私の成績は、今、何点なのだろう?


公民館祭が終わり、役員の皆さんと販売の収支決算。
悪天候で利益がただでさえ少ないのに、なんでお金が2000円も足りないんだろう?
う~ん・・・?困った。

やっと公民館祭が終わったと思ったら、次は12月上旬の視察研修の計画。
仕事が追いかけてくる~(>_<)
計画たてて、バスの手配して、視察先に依頼文を送って、会員に案内を作って・・・、年配の方が多いから昼食の値段と内容も気を使わねば。

頭がパンクしそうだ。

以前ならやることが2つ3つ重なっても並行してなんとかこなせていた。
でも今は効率がめちゃくちゃ悪い。1つずつじゃないと進まない。
いや、1つでもスピードが遅い。

まっちょん1号がポンコツなので、まっちょん2号、まっちょん3号がほしい、今日この頃である。










元気かや?

2008-11-09 | 日々のこと
土日は、私が住んでいる校区での公民館祭があった。
2日とも味噌や大学芋など販売テントのお仕事。冷たい雨や風で寒いのなんのって。
お客もあまり来ないし参ったよ。

でも、この公民館祭でしか会えないような人との再会があるのは、楽しみの一つ。
「久し振りだがん。どげしちょー?元気かや?」
おでんや豚汁食べながらのおしゃべりは、めちゃ楽しい。

また来年も元気で会いたいね!

おっとっと、骨転移の肋骨が少し痛みだした。
ちょっとお疲れかな?ロキソニン君、君の出番だ!




術後療法の副作用

2008-11-07 | 治療のこと
右温存手術後、25回の放射線治療、化学療法は、CEF(3クール)を入院中に、タキソテール(3クール)は外来で、計半年間行った。
そしてホルモン療法を5年間。
放射線、化学療法、ホルモン療法、3つ合わせて術後療法フルコースと密かに呼んでいる。

放射線療法は土日祝日除いて毎日行く。はじめの頃は全く副作用はなかったが、回数を重ねて終わり頃になると、
体が疲れやすくなったり、皮膚が赤く日焼けのような状態になり、皮膚科で薬をもらってケアをした。

化学療法の副作用もたくさん経験した。CEFでは若干の吐き気があり、食欲が減退した。
また匂いに敏感になり、温かいご飯の匂いにすら嫌悪感を覚えた。お見舞いに来てくれた人の化粧の匂い、香水の匂いにさえ閉口するのだ。
食べたいものと言えば、インスタントのワンタンにコカコーラ、生野菜のサラダ。変だよね~。

隣の病室に中年の男性が入院していた。若い女性の看護師さんがいるからか、その人は朝早くから身だしなみを整え、男性整髪料をドッサリつけるのだ。
その匂いは病棟の廊下をゴジラのシッポのごとく、長~~く充満し続ける。
さすがに直接文句も言えないので、看護師さんに相談して言ってもらうことにした。

病気になる前、自分がお見舞いに行く立場の時には、化粧のにおいが影響するなど全く考えもしなかった。
自分がお見舞いを受ける立場になり、患者側の気持ちを初めて考えさせられた。

食欲のないおかげで、8キロのダイエットに成功。もともと肥満児なので細身のパンツがはけて、ちょっとラッキー。
でも「抗がん剤ダイエット」だけは、他人にはお勧めできない。

タキソテールでは吐き気はなかったが、髪の毛が一気に抜けた。
髪の毛だけではなく、眉毛もまつ毛も、毛という毛は何もかも。
髪の毛がなくてもカツラでおしゃれを楽しめた。

でも、眉毛がないのは参った。不器用な私はなかなか上手に眉毛が書けない。
まったく毛がなくなると基準点がわからないから、左右のバランスがとりにくい。
書けば書くほど、ドつぼに、はまる。
最後には、味付けのりを眉毛の形に切って貼ったろうか、と本気で思った。

また、白血球もガクンと下がるので、手洗いうがい、外出の時にはマスク着用は必須。
免疫力が落ちているのは、体の倦怠感でも実感できた。
このタキソテールが終わってやれやれと思っていた2か月後、「はしか」に罹ってしまい、ひどい目に遭った。
治療が終わったからと言ってすぐに体調が戻るものではない。
薄皮を剥ぐように、体調も戻っていくのだと知った。

ホルモン療法は、長丁場の5年間。女性ホルモンを止める(卵巣の働きを止める)ための注射リュープリンとノルバデックスという飲み薬。
生理がなくなるから楽ちん、とはいかない。
精神的にも肉体的にも大きな影響を受ける。
強制的にホルモンを止めるから更年期障害のような症状が出てくる。
ホットフラッシュという急なのぼせ。中性脂肪も急激に上がった。
また骨粗鬆症の危険性もある。精神的にも不安定になり、鬱のような症状にもなった。

普段元気な時には、女性ホルモンなんて全く気にしていない。
なくなって初めてわかったホルモンの大切さ。

人間の体の中に、要らないものなんて何にもない。


(つづく)