ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
http://ssk-journal.com/

二木啓孝が語る、野田内閣改造の“読み方と展望”

2012年02月21日 | Weblog

 

 「野田佳彦首相は今日、内閣改造を行った。

 新たな入閣は、田中直紀・党総務委員長を防衛相に、松原仁副国土交通相を国家公安委員長兼拉致問題・消費者担当相に、小川敏夫・党参院幹事長を法相、平野博文国対委員長を文部科学相に起用した点と、“目玉”である岡田克也前幹事長の副総理兼一体改革・行政改革担当相の起用である。

 この人事に伴い、退任したのは5人。その中でも野田内閣改造の“真の目的”とみられるのは、参院で問責決議が可決された、一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員長の交代である。一川氏は入閣直後に「安全保障に関しては素人だが、これが本当のシビリアンコントロールだ」と失言したり、1995年に沖縄の米兵3人に小学生の少女が暴行された事件について「正確な中身を詳細には知らない」と国会で答弁して物議を醸した人物。山岡氏は、入閣以来、マルチ業界との癒着を追及され続けた人物。

 なお、問責決議には法的な強制力はないが、ねじれ国会の中、「あなたは閣僚失格だ」という決議が正式に可決されながら、大臣を続けた場合、国会で「大臣失格者がまだやっているなら、審議はできない」という話になり、とたんに国会は行き詰ってしまう。だからこの2人を差し替える形の改造を今日行ったというわけだ。ほかに退任したのは、仕分けの女王と言われた蓮舫行政刷新担当相、中川正春文科相、平岡秀夫法相の3人。

 なお、内閣改造は、かつては“三つの目的”があった。

 第一は、総理大臣が、与党内で強力なリーダーシップの人事権を誇示することである。

 第二は、党内の“大臣病”にかかった議員を引き上げることによって、党内融和をはかることだ。大臣病とは、とにかく大臣になるのが夢で、いつも総理に「大臣になりたい」とお願いして回っているような議員を指す。大体、当選五回くらいで大臣病にかかっていく。

 第三は、パチンコ屋の新装開店のように、見栄えをよくして、何かやるのではないか、と期待させて、メディアにアピールすることだ。

 では、今回の改造はどうなのか。結論からいえば、守りの改造、少なくとも、総理のリーダーシップを発揮できた改造とは思えない。消費税アップシフトとしての第二次野田内閣。その道のりは険しそうだ。」(抄)
 

 
 2011年1月13日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝が語る、野田内閣改造の“読み方と展望”」
 
を聞き書きしました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。