ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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ペニーオークション詐欺事件で問われる広告塔の責任

2013年01月21日 | Weblog

2012年12月24日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「ペニーオークション詐欺事件で問われる広告塔の責任」
 
を企画、取材、執筆しました。


 

 ペニーオークションの詐欺事件に芸能人が関与したことが、連日のようにマスコミで報じられている。

 ペニーオークションとは、インターネットによるオークション形式で、物品を販売しているサイト。最大の特徴は、ユーザーはオークションに入札するたびに、手数料を支払う必要がある点だ。要するに、落札できない場合、支払った手数料は無駄になってしまうという詐欺的システムなのである。

 このシステムに多数の芸能人が関与し、ブログやツイッターで、ペニーオークションで欲しい品を落札できた、という趣旨のことを書き込んだいた。

 事の発端は13日付のほしのあきのブログだった。

 ほしのあきは、「お詫び」と題し、「2010年12月初旬に友人より私的に依頼を受け、会社に報告することなく2010年12月27日アメーバブログにて『プラズマクラスターをオークションでゲット』の題名でオークションサイトを紹介する内容の記事を掲載してしまいました」と記し、「商品はオークションで落札せずに現物を受けとっており、友人に指示された通りの文面をそのままブログに掲載してしまいました」と白状した。

 なお、所属事務所によると、ほしのあきは友人のグラビアアイドル、松金ようこからアルバイトとして書き込みを持ちかけられ、30万円を受け取っていたという。

 他にも多数の芸能人がペニーオークションに関与していたことが明かになっている。ニュースサイトICT Headlineの12月15日付、濱崎卓真(自由報道協会)の記事「ペニオクをブログに掲載した芸能人の一覧(更に10名追加判明)」によると、次の面々だ。

 松金ようこ「タジン鍋を199円で落札」。小森純「アロマ加湿器を225円で落札」。綾部祐二(ピース)「DVDプレーヤーを購入」。東原亜希「iPadをゲット」。永井大「iPadを855円で購入」。熊田曜子「ヘルシオを5250円で購入」。中島彩「ルンバが2460円で落札」。百合華「エルメスの『ガーデンパーティー』を落札」。堀江直美「『スチームフットスパ』を885円で落札した」。井上晃子「ナノケアを1680円で落札した」。デヴィ夫人(具体的な落札商品などは書かれていない)、すずきかすみ(同)、佐藤歩(同)、高橋真依子(同)。春名亜美「レグザを2295円で落札した」。村上実沙子「ルンバを1305円で落札した」。森下まい「家庭用フットスパを1365円で落札した」。渡辺由布子「ポータブルDVDプレーヤーを1800円で落札した」。久保七瀬「HDメモリーデジカメを1515円で落札した」。伊東亜梨沙「VUITONのバッグを10575円で落札した」。

 こうした詐欺に加担した芸能人たちは責任が問われるのか、物議を醸している。

 ちなみに、似たような事件は以前にもあった。09年、疑似通貨「円天」を使って会員から出資金をだましとった「エル・アンド・ジー(L&G)」の幹部たちが、詐欺で逮捕された。円天の宣伝には、多数の芸能人がかかわっていた。芸能人たちは刑事事件では問われなかったが、民事では責任を問われた。広告塔1人、演歌歌手の細川たかしが、イベントに出演して詐欺被害を拡大させたとして、円天の被害者7人から、計約5千万円の損害賠償で訴えられたのだ。

 しかし、この裁判は、「細川たかしは円天の実態をよく知らなかった」として、原告全面敗訴の判決が下っている。

 ペニーオークションも、被害者がタレントを訴える事態になるかもしれない。そのときの焦点も、詐欺だと知っていたかどうか、になるのではないか。

 なお、今回の事件は、芸能人が事務所を通さず個人的に詐欺に加担したことがま新しいが、これまでも無数の詐欺事件に芸能人が広告塔としてかかわり、巨額の黒いカネが行き交っていた。しかし、ペニーオークションより被害の規模は大きいケースでも、タレントには何のお咎めもなし、というのが常識になっている。詐欺を増長させた広告塔のタレントやその事務所に責任はないと、本当にいえるだろうか?(佐々木奎一)


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