「チュニジアのジャスミン革命に続いてエジプトでも、30年の長きに渡って同国を支配し続けてきたムバラク政権が崩壊した。(略)
独裁国家の民主化は基本的に歓迎されることだが、その一方で西側諸国の中東政策に微妙な影を落としている。中でもジレンマを抱えているのが米国だ。というのも、米国は「テロ封じ」の名目で中東の過激なイスラム勢力を抑え込むため強権支配を認めてきたといういきさつがあるからだ。
米国の中東政策の柱は、イスラム過激派によるテロ封じ、イスラエルの安全確保、そして石油の安定供給の3本柱で成り立っている。米国は表では世界の民主化を支援する姿勢を掲げる一方で、中東では、親米で原油の安定供給が確保されれば、多少の独裁には目をつむってきたわけだ。
エジプトでは、ムバラク大統領辞任後に全権を受け継いだ軍最高評議会が、自由選挙で選出された文民政府ができるまで、一時的に権限を掌握すること、すべての国際条約をいままで通り守ることを宣言した。イスラエルとの外交関係もこれまで通りということだが、問題は「自由選挙で選出された文民政府ができた後」だと多くの専門家は指摘している。(略)
いままでどおりの親米的外交政策が継続されるかどうかは、未知数だ。」(抄)
2011年2月14日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号で
週刊朝日編集長・山口一臣氏の記事
「連鎖する中東“情報革命”は選挙後が焦点」
を聞き書きしました。