ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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〝花粉症〟が蔓延するワケ

2011年02月18日 | Weblog


2011年2月14日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号

「朝刊ピックアップ」で記事

「〝花粉症〟が蔓延するワケ」

を企画、取材、執筆しました。

 

 キーワードは「花粉症」

 もはや日本最大級の公害と化した花粉症。これほどまでに被害が深刻化したのは、一重に官僚の政策の失敗による。そのことは「花粉症は環境問題である」(著: 奥野修司/文藝春秋刊)に詳しい。同書によると、花粉症の主因である、人間の手で植林されたスギ、ヒノキは、日本に709万ヘクタールもある(ほぼ関東地方1都6県と中部地方5県を合わせた広さ)。

 もともとその地には、シイ、カシ類などの常緑広葉樹や、ブナ、ミズナラなどの落葉広葉樹が植えてあった。がしかし、敗戦後、農林省の官僚たちが、「拡大造林」と称して、原生林を伐採し、商品価値の高いスギ、ヒノキで埋め尽くしてしまったのだという。

 当時は高度経済成長のさなかで木材需要は増加し、スギの立木価格は1960年から20年間で3倍に高騰。その上、植林すると補助金もふんだんに出たため、カネに目がくらんで国も民間も狂ったようにスギやヒノキを植えていったという。

 しかも、拡大造林を続ける一方、政府は木材の輸入自由化に踏み切った。そのため、安い外国材がどんどん輸入されて、国産のスギ、ヒノキは商売にならず、放置されていった。こうして、官僚政治の失政のツケが巡り巡って、現在、花粉が蔓延する事態に陥っているわけである。

  ではどうすればよいか。同書では、人工林を、もとの広葉樹に植え代えていくよう提言している。

 


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