ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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カレーハウスCoCo壱番屋が一人勝ちを続けるワケ

2013年10月31日 | Weblog

 平成二十五年十月十四日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「カレーハウスCoCo壱番屋が一人勝ちを続けるワケ」
 
を企画、取材、執筆しました。


 10月10日付「体育の日」の毎日新聞朝刊に、カレーハウスCoCo壱番屋(以下、ココイチ)についての記事があった。それによるとココイチを展開する壱番屋(愛知県一宮市)が9日、名古屋市内で地元アイドルグループ「SKE48」との共同キャンペーン「推しトッピン具対決!!」の発表会を開いたのだという。内容は同店でカレーとトッピングを注文して応募すると、抽選でSKEの公演チケット(100人)やメンバーとカレーを食べるイベントの参加権(60人)などが当たるというもの。「ただ、人気グループだけに当選は甘くなさそう?」と記事末尾にはオチを入れていた。

 ちなみに、ココイチは、今年1月には「世界で最も大きいカレーレストランのチェーン店」としてギネス世界記録に認定されており、店舗数は1,323店(うち海外108店、5月末現在)に達する。売上も絶好調で、今年5月期連結決算の売上高は過去最高の399億円。

 ココイチの客単価は800円~850円ともいわれている。これはハンバーガーの半額キャンペーンや100円メニューといった激安路線から、1000円バーガーなどの豪華路線を打ち出すなど迷走を続ける日本マクドナルドや、値下げ競争の象徴・牛丼チェーンなどなど、価格競争にしのぎを削る他の外食店とは、一線を画している。

 その理由について、12年12月29日付サイゾービジネスジャーナルが記事「他社が追随できない異例ずくめの経営術 一人勝ちココイチの秘密」で、こう分析している。

 まず、ココイチの強さを支えているのは、カレーチェーン経営のポイントの「ルーの安定調達力」。ココイチはルー製造で国内最大手のハウス食品から調達しており、「ハウス食品は壱番屋の株式を約19%所有、持株比率で第2位の大株主」という関係。

 次に挙げられるのは、「商品政策」。ココイチのカレーで最も安いのは「ポークカレー」430円。そこに40種類近くのトッピングに加え、辛さとご飯の量を選べるので、客は、あれもこれもと選んでいき、「チェーン店でありながら“マイカレー”を食べられる」という楽しみがある。こうして値段はおのずと上がっていくというわけ。

 また、「決して値下げをしない」のもココイチの特徴という。新規オープン時でさえ、記念のオリジナルスプーンを進呈するが、割り引きはしないという徹底ぶり。

 さらに、ココイチの店舗は「フランチャイズ(FC)オーナーを一般から募集せず、すべて社員からの独立」で増やしているという。しかも「開業資金の融資を受ける際には、本社が債務保証」をしてくれるという。他の外食産業では、本部がFCオーナーを搾取する構図も見られるが、ココイチは一線を画する。

 最後に、「創業者の資質」。創業者の宗次徳二氏と妻の直美氏の二人三脚によるリーダーシップが、ココイチの強みを育てたといわれており、業界内では、「他のカレーチェーンが成長しないのは、宗次夫妻がいないからだ」という声も聞かれるという。

 同記事では「こうして見ると『ココイチを追随せよ』と他のカレーチェーンに求めても、一朝一夕には難しそうだ。カレー好きにはアンチ・ココイチも多いだろうが、対抗できるチェーンは当分現れそうになさそうだ」と締めくくっている。

 なお、ココイチの経営は、中国や韓国といった安い国との価格競争にさらされている日本企業にとっても、ヒントになるかもしれない。(佐々木奎一)


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