goo blog サービス終了のお知らせ 

ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
http://ssk-journal.com/

大企業で横行する「追い出し部屋」の実態

2013年02月21日 | Weblog

2013年1月28日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「大企業で横行する「追い出し部屋」の実態」
 
を企画、取材、執筆しました。
 
 
 
 けさの朝日新聞に「追い出し部屋次々『客作れ。会社来なくていい』」という記事がある。これによると、化粧品の訪問販売大手、ノエビアの中年男性社員は、2011年7月、新設の部署「マーケット開拓担当」に異動し、上司のとの面談でこう告げられたという。「自分でお客さんをつくってください。会社に来なくていいから。直行直帰でいい」。この社員は自らの机とロッカーもなく、化粧品を売るためのサンプルやパンフレットすらほとんど支給されない。会社から示されたノルマ「毎月の売上げ70万円、顧客獲得40人」。しかし、売れるのはつきの数万円がやっとだった。

 月一回の面談は露骨になっていき、上司との面談で、「あなたに求めれているものと成果がずれている」「あなたの能力は正直、低い。やり続けられるか?」などと罵倒され、ついに退職に追い込まれた。この部署には、給与水準が高い40~50代の社員約60が集められ、大半が退職したという。

 セイコーインスツルの千葉県市川市の工場では昨年、「キャリア開拓グループ」という部署ができた。そこでは社員自ら転職先を探すことが業務で、長くいるほど給与が下がるという。

 ちなみに、こうした「リストラ部署」を設ける企業は同記事にある企業だけではない。かつては安定が保障されていたソニーやパナソニック、NECといった日本を代表する大企業でさえ、リストラの嵐が吹き荒れている。

 では、日本企業の未来はないのかといえば、そうではなさそうである。25日放送のNHK BS1の番組「このままじゃあ終われない『出井伸之と“やめソニー”たちの逆襲』」によると、ソニーを辞めた社員たちがベンチャー企業や、中小企業のコンサルタントの企業を立ち上げているという。例えば、元ソニー幹部でVAIO等を立ち上げた辻野晃一郎氏は、ベンチャーを起業し、日本の伝統工芸品のネット販売などの事業を展開している。

 ソニーで「商品開発の鬼才」といわれた前田悟氏は、経営コンサルタント会社を設立し、全国の中小企業の商品企画、経営コンサルタントを行っている。元社長の出井伸之氏も中小企業を支援している。

 このようにかつてソニーを築いた人々は、組織が大きくなり過ぎて創造性がなくなった大企業に見切りをけ、中小企業に日本の将来を賭けている。

 ひょっとすると日本経済は今、大企業が凋落する傍らで、第二、第三のソニー、パナソニックが胎動しているのかもしわれない。(佐々木奎一)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。