ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
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日経ウーマン女性が活躍する会社ランキングの裏側

2014年04月23日 | Weblog

 平成二十六年四月七日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「日経ウーマン女性が活躍する会社ランキングの裏側」
 
を企画、取材、執筆しました。


 けさの日本経済新聞に「日経ウーマン『女性が活躍する会社』」という記事がある。それによると、働く女性向け月刊誌「日経ウーマン」の「女性が活躍する会社ベスト100」によると、首位は資生堂で、2位は住友生命保険、3位は日本IBMだったという。この調査は、今年1~2月、国内有力企業4183社を対象に実施し、499社から回答を得たもので、女性役員の有無など女性の管理職登用度、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)度、女性活用度、男女均等度の4項目で採点し、総合点を算出したという。

 ちなみに、このランキング第3位の日本IBMは、即日解雇を実施する企業として有名である。例えばニュースサイトマイニュースジャパンの13年8月19日付の記事「日本IBMで『金曜夕方のミーティングに突然人事が現れ解雇通告→ロックアウト』が再燃、3か月で26人解雇」によると、IBMの女性社員I氏(45歳)は、90年に新卒で同社に入社し、システム管理、ユーザーサポートなどを経て、本社(東京都中央区日本橋箱崎町)に勤務した。役職は主任クラスだった。そんなI氏は昨年5月31日(金)、課長クラス(以下、課長)の直属上司に、「手掛けているプロジェクトの進捗状況を聞きたい」と言われ、16時に会議室でミーティングがセットされた。

 こうしてミーティングがはじまり、I氏は進捗状況を説明し始めたところ、ものの数分後、突然、部長クラス(以下、部長)の男性が入ってきた。すると入れ替わりで課長が部屋から出て行き、見たことのない30~40代の女性が入ってきて、「人事です」と言った。

 その途端、部長は、一枚の紙を手に取り、いきなり、こう読み上げた。「会社は、貴殿を2013年6月12日付で解雇します。また本日(2013年5月31日)以降、会社は貴殿に労務の提供を求めません。従って、貴殿の出社を禁じます。なお、会社は、同日までに解雇予告手当として■■■■■■円(金額は伏せる)を貴殿の給与振込口座に振り込んで支払います。貴殿は、業績の低い状態が続いており、その間、会社は様々な改善機会の提供やその支援を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、会社は、もはやこの状態を放っておくことができないと判断しました。以上が貴殿を解雇する理由となります」

 その後、人事担当者は、「オプションとして、6月6日までに、自主退職に必要な書類にサインして提出すれば、加算金と転職あっせん会社を紹介します」と言った。

 I氏は、自主退職はせず、解雇され、現在、東京地裁で係争中である。なお、I氏は組合員だが、I氏解雇の後の3か月間で26人の組合員が次々と首を斬られた。つまり、露骨な組合潰しである。

 では、会社は、組合に入らない社員には優しいのかといえば、そんなことはない。例えば08年には2か月間に、執拗な退職強要で組合員以外も含め約1500人もの社員を一斉に辞めさせたこともある。

 冒頭のランキングを見て、IBMに就職しようとしている人たちは、そうした側面を把握する必要があるのではないか。(佐々木奎一)

 


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