ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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掃除機の機種グレードで変わるハウスダスト蔓延度

2014年04月22日 | Weblog

 平成二十六年四月四日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「掃除機の機種グレードで変わるハウスダスト蔓延度」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 花粉症でマスクをする人が続出する季節に入っている。特にそういう人にとっては、外出時はもちろん、室内の花粉やカビ、ダニなどのハウスダストも気になるところだ。

 そこでけさの産経新聞にはこんな記事があった。それは「比べる×調べる 掃除機のカビ」という記事。

 それによると、10年前後に発売された掃除機4台(紙パック式2機種、サイクロン式2機種を1分間掃除し、稼働中に排気口から出た空気を採取し、カビ数を計測したところ、紙パック式は、空気1立方メートル当たり1600cfuと850cfu(cfuはコロニーとして検出された菌数=空気中のカビ濃度)だったのに対し、サイクロン式は10cfuと70 cfuと、サイクロン式の方が顕著にカビが少なかったという。サイクロン式は、遠心力で空気とハウスダストを分離し、クリーンな空気を排気するためという。

 なお、この調査をしたエフシージー総合研究所(フジサンケイグループの商品調査検査会社)HPには今日付けで似たような調査結果を発表している。それは「掃除機で吸いこんだPM2.5は掃除機内を通過し排出しないか?」というタイトルで公表したもの。PM2.5とは、「大気中に浮遊する粒子状物質のうち、直径2.5マイクロメートル(0.0025mm)以下の物質の総称」で「直径は花粉の10分の1程度と非常に小さいため、肺の奥深くまで入り、健康被害を受けやすく注意が必要」な物質。最近では中国で大量発生して防毒マスクが必要とさえいわれており、日本への飛来も現実化している。

 そのPM2.5が、掃除機をかけた際、どれだけ排出されているかを調べたという。調査対象の掃除機はパナソニック・東芝の紙パック式と、パナソニック・東芝・ダイソンのサイクロン式の掃除機。各機種の製造年はダイソンは07年でそれ以外は10年産。いずれも発売当初は5万円前後する高級機種だった。

 調査結果、排気口からのPM2.5の排出濃度は、紙パック式のパナソニックが315マイクログラム/立方メートル、東芝が105マイクログラム/立方メートル、サイクロン式はいずれも35マイクログラム/立方メートル以下だった(床からの高さ135cmで実測)。日本の環境基準では「1日の平均濃度は1立方メートルあたり35マイクログラム」なので、サイクロン式だと掃除機をかけている時も基準を満たしていることになる。

 なお、サイクロン式の場合、たまったゴミを捨てる際はPM2.5を含む粉塵を飛散する可能性が高い。そのため、マスクを着用し、屋外で行うなどの注意が必要という。一方、紙パック式の場合も、紙パックの交換時はマスクの着用と屋外での実施は必須という。

 なお、上記の調査結果は、ハイレベルな機能の比較といえそうだ。なぜなら、東京都が08年5月に公表した、掃除機の排気調査結果では、価格40,940円(国産、紙パック式)、84,200円(国産、サイクロン式)、71,400円(外国産、サイクロン式)は、いずれも粒子径0.3マイクロメートル以上の微粒子濃度をほとんど排気しないのに対し、紙パック式、サイクロン式、国産、外国産問わず価格1~2万円台の機種は、紙パック式、サイクロン式、国産、外国産問わず、高額機種に比べ2,000~7,000倍の微粒子(ハウスダスト)を排気する機種もあるなど、いずれも桁違いの微粒子を出していた。

 なお、排気中にハウスダストが出る掃除機の場合は、「使用後30~60分間は窓を開けるなどして充分な換気」が必要という。

 このように風通しの良い家の場合は、多少、ハウスダストが出ても喚起で対応できるようだ。しかし、喚起がしずらい部屋の構造で、1~2万円台の掃除機の場合は、せっかく掃除をしても、室内にハウスダストを蔓延させてしまうことになってしまうということになる。特にその状況でカビやダニのアレルギーがあるという人は、アレルギーを改善するため掃除機を代えるのも一つの手かもしれない。(佐々木奎一)


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