ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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“鳩山斬り”で見えてきた野田総理の選挙後の戦略

2012年12月12日 | Weblog

 昨日鳩山由紀夫元首相が引退を表明した。自分の主張を続けると公認は得られない、という理由で出馬を断念して政界を引退したのだ。本人は、「波乱万丈の人生だった。政治家としては幸せだった」と回顧する“おセンチなコメント”をしている。

 鳩山氏自身がやってきたことは、政権交代を実現したこと以外は、あまりほめられたものではなかったが、このところ、野田佳彦首相が進めるTPP、消費税、オスプレイ配備などには意義ありという姿勢を続けてきた。

 それにしても、野田首相が選挙公約の踏み絵を踏ませるということは、何を意味しているのか?

 自らの方針に反対する者を排除して“純化路線”を辿るという作戦。野田氏は、昨年総理になって以来、党内の半分を占めるベテラン組の小沢一郎氏や鳩山氏、さらに菅直人氏などの批判勢力の説得にあたってきた。もううんざりしているところであろうが、おそらく、自分の方針以外のものをすべて切って、数は少なくなるが、選挙を乗り切るつもりだ。大方の予測で100議席を切るといわれる選挙結果から、さらに下がって60議席、70議席になっても生き延びる戦略を考えている。

 それは選挙後の「自公民連立」である。自公両党は政権を取ることはほぼ間違いないが、問題は、“参議院のねじれ”である。自公合わせて参議院は過半数に20足りない。一方、民主党は88議席を維持している。つまり、自民党からしても、参議院のねじれ解消には、民主と組むしかないということだ。

 一昨日、自民党の石破茂幹事長は、「連立という話ではないが、政策が合うのならスピーディーに進めていかないと国民のためにならない。基本的には(民主、自民、公明の)3党だ」と、選挙後は自公民で組むという趣旨の発言をしている。おそらくは、あうんの呼吸で、野田氏も、選挙後の枠組みを考えているのであろう。

 民主が惨敗しても、政権与党に生き残る。そのことに反対しそうな党内のメンバーは今、大掃除をしておく。

 鳩山政界引退から野田首相の選挙後の戦略が見えてきた。

  

 2012年11月23日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「“鳩山斬り”で見えてきた野田総理の選挙後の戦略」
 
を聞き書きしました。


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