2013年4月22日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「朝刊ピックアップ」で記事
「性暴力が横行する印度…日本の対策は?」
を企画、取材、執筆しました。
昨年12月に女子学生が男6人に集団強姦され、死亡した事件をきっかけに、性犯罪対策を求める大規模な抗議活動が起きているインドの首都ニューデリーで、こんな事件が起きている。
それは21日付の読売新聞朝刊の「インド5歳児暴行 警察に抗議のデモ」という記事。これによると、5歳の女児が15日に行方不明となり、17日に近隣住民が女児宅のある建物の別の部屋に監禁されて重体に陥っているのを発見した。警察は20日、この部屋の男(22)を逮捕したが、地元テレビなどの報道によると、警察は捜索願に対応せず、女児発見後に2000ルピー(約3700円)を父親に渡し口止めを図った、とのこと。この警察の対応への抗議デモが起きているという。
ちなみにインドでは今年2月にも、6歳と9歳、11歳の3姉妹が性的暴行を受けた後に殺され、井戸に捨てられる事件が起きている。(13年02月28日付朝日新聞朝刊より)
日本にとっても、女児の性暴力被害は他人事ではない。例えば、今年1月29日には、三重県鈴鹿市で、山口組系暴力団幹部で無職の寺尾和弘容疑者(53)が、同市内の女児(当時10)の自宅で、女児に性的暴行を加え、約1週間のけがをさせた疑いで逮捕されている。寺尾容疑者は女児の母親と知り合いだったという。(同紙より)。
また、昨年7月には、神戸市内で4~8歳の女児5人を公園の木陰や団地の空き室に連れ込み、服を脱がせてわいせつ行為を繰り返した、として、同市北区の無職大原高光被告(24)が、一審で懲役20年を言い渡されている。同被告は、女児の顔にカッターナイフを近づけ、「パンツ脱げ」と脅したり、裸の写真や動画を撮影し、「写真をばらまく」などと脅して口止めしていた。(同)
なお、内閣府の「男女間における暴力に関する調査」(12年4月公表)によると、「異性から無理やりに性交された経験のある人」、つまり、強姦されたことのある人は、7.6%。そして、強姦被害に遭った時期は「小学生以下」が13.4%に上る。この点について、日本フェミニストカウンセリング学会代表の井上摩耶子氏は、今年3月16日の都内シンポジウムで、こう指摘していた。
「日本の性教育は遅れていると思う。私は小学、中学の子どものレイプ事件を扱ってきましたが、性器の名前さえ知らない、何をされたのかもわかっていない、という被害者が多い。セックスという言葉も知らないから、そこから説明をしています。これはやっぱり、子どもの人権を無視していると思う。どんどん被害に遭っているんだから、被害者にも加害者にもならないように、そういうことがあったら逃げられる教育をすべき」
氏の言うように、女児を性暴力から守っていくには、性教育から見直していく必要があるのではないか。(佐々木奎一)