
2013年3月15日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「今日のニュースに一言」で
ジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
「二木啓孝が語る、選挙制度は誰のものか?」
を聞き書きしました。
昨年、野田佳彦首相(当時)と安倍晋三・自民党総裁は、衆院解散と引き換えに、13年の通常国会会期中に、衆院選挙制度改革を実現をする、と約束したが、その改革案を自民党が昨日まとめた。
自民党案によると、比例区の定数は現行の180から150に削減し、比例ブロックは現行の11から8に再編。その一方、少数政党には60の優遇枠を設けた。優遇枠とは、比例ブロック2位以下の政党に票を配分するというもの。
まず、おかしいのは、これまで最高裁判決で何度も違憲が出ているのに、国会議員はまったく放置してきた点だ。これは違憲状態、あるいは違憲判決が出ても、選挙が無効にならないから、安心しきっているためだ。
そもそもこの選挙制度の改革は、消費税の導入にあたり、国民に痛みを与えるから、国会議員も議席数を削減をして痛みを分かち合うという趣旨だったが、全く進んでいない。
その二は、自民党の改革案をみても、同じ連携をする公明党への配慮がみえみえである点だ。もともと自民党は優遇枠を30にする方針だったが、公明党が50以上と要求したことで、結局、当初の倍で折り合った。少数政党に配慮するといいながら、結局は、安易な選挙制度の修正である。
ちなみに、この優遇枠には、割りを食う形の日本維新の会や、民主党のみならず、当の自民党内からも、「他党からの取引の産物と見られかねない」「限りなく違憲になる可能性が高い」「国民に非常にわかりにくい」といった批判がでている。
そもそも、選挙制度は国会議員のためではなく、有権者の意思を国会に鏡のように反映させることが目的である。その意味では、選挙制度は国民のものである。となると、現職の国会議員達が自分たちの利害をぶつけ合い調整することは本末転倒ではないのか。
選挙制度は国会議員ではなく、第三者によって検討されるべきものである。
写真は、公明党・政治改革本部長の北側一雄氏。