Speed Bird:Tokyoボンド&ボンドGirlのCoolなSPYスタイル

グルメと遊びは一級品の英国情報部員007御用達、Tokyoボンド&ボンドGirlの為のハイセンスで愛すべき店をご紹介。

長いお別れ

2005-08-09 22:15:26 | SpyなBook
湘南のレストランMarloweについて書いたので、今回はその名のもととなった私立探偵フィリップ・マーロウについて書いてみることに。このマーロウの一連の 作品はハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーによって書かれたもの。有名なのは「長いお別れ」「さらば愛しき女よ」「大いなる眠り」などなどもしか したら作品名だけは聞いたことがある人もいるかもしれない。映画化されている作品も多い。 大学生の時に出会って、このシリーズを読みまくった。俺の酒の好みもこのフィリップ・マーロウとジェームズ・ボンドシリーズで幼少期に?刷り込みが行われ てしまったかもしれない。

一番好きなのはやはり「長いお別れ」。 1954年度MWA最優秀長篇賞を受賞している作品で、単なるミステリーにとどまらず、テリー・レノックスとの友情にも似た出会いと別れが平行して展開 し、一人の私立探偵の生き方・スタイルを巧みに描写した作品であるところが魅力。長いお別れでは、有名な台詞が出てくる。今でもここかしこで引用されてい る。ちょっと紹介すると、

「I suppose it's a bit too early for a gimlet.(ギムレットには早過ぎる)」

 これ主人公マーロウの台詞じゃなくて、もう一人の登場人物テリーの台詞。彼がお気に入りのカクテルがこのギムレット。文中からテリーの台詞をちょっと引用すると、

 「ギムレットの作り方を知らないんだね」と、彼は言った。 「ライムかレモンのジュースをジンとまぜて、砂糖とビタを入れれば、ギムレットができると思つている。ほんとのギムレットはジンとローズのライム・ジュースを半分ずつ、はかには何も入れないんだ。マルティニなんかとてもかなわない」

って感じで、ベースのジンではなくライムジュースの銘柄をローズって指定するあたりに彼のキャラクターをうまく描き出している。
何で「早すぎる」のかはネタバレになるので本を読んでみてください。チャンドラーはこのギムレットをうまくストーリ展開の小道具に使っています。この作品を読み終わると自分もBarでギムレットで乾杯してみたくなる。

他にもこの作品には、

「アルコールは恋愛のようなもんだね。最初のキスには魔力がある。二度目はずっとしたくなる。三度目はもう感激がない。」

「こんなとき、フランス語にはいい言葉がある。フランス人はどんなことにもうまい言葉を持っていて、その言葉はいつも正しかった。さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。」


なんて台詞もでてきます。こうした台詞やチャンドラーの文体がこの作品の魅力です。

他にも普段使いにはとてもキザ過ぎる台詞もあります。例えば、チャンドラー最後の作品「プレイバック」では、

「If I wasn't hard,I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle,I wouldn't deserve to be alive.
(タフでなければ生きられない。優しくなければ生きる資格がない)」

これも超有名。こんな男の美学のようなところ、カッコよすぎです、旦那。
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