日本が太平洋戦争に踏み切った要因については、諸外国からの軍事力制限、経済封鎖など外的要因が語られる。
しかし日本国内に、根本的な元凶があった。それが「国家神道」であった。
「国家神道」こそが日本を太平洋戦争へ暴走させた元凶であったといえる。
天皇を「現人神」として絶対化した神社神道が軍国主義ファシズムと結びついて「政教一致・国教化」したものが「国家神道」だった。
したがって、その教義に反するものは逮捕され投獄され徹底的に弾圧された。
ここには信教の自由はもちろん、思想・信条の自由、表現の自由、結社の自由など、すべての自由は奪われ弾圧された。
治安維持法、不敬罪、宗教団体法などの法律を制定し、「現人神天皇の国家神道」の教義に反するものは逮捕し徹底的に弾圧した。
そして「赤紙」一枚で国民を否応無く悲惨な地獄の戦場に送り込んだ。
学校には「思想・言論統制」のために天皇の写真を「御真影」と称して掲示し、天皇を「現人神」として最敬礼し、命を捧げることを強制した。
そして「教育勅語」に基づいた「国粋主義教育」を行った。
「現人神天皇」のために命を捧げ、死んで「軍神」となり「靖国神社」に祀られて再会しようと、悲惨な戦場と「特攻」に赴いた。
太平洋戦争での死者は310万人。
南方各地の戦場などで「天皇陛下万歳突撃」で戦死・玉砕した兵士は200万人を超えた。
しかしその6割は「戦死」ではなく「餓死」という悲惨な状況であり、まさに地獄絵図さながらの戦場で死んでいったのだった。
まさに「国家神道」こそ日本を戦争に暴走させた元凶であったといえる。
そのシンボルが「靖国神社」であった。
日本を滅ぼした元凶「国家神道」のシンボルが「靖国神社」であった。
終戦後、ホワイトハウスは「国家神道」と「靖国神社」を一掃する為に天皇の戦争責任を断罪する意向だった。
しかし天皇の「人間宣言」により、天皇は「神」ではなく「人間」として「国民の象徴」となったため、戦争責任の訴求からは除外された。
ここに「国家神道」は解体され、日本国民は「軍国主義ファシズム」から開放され、「自由民主主義国家」の主権者となった。
「国家神道」は「軍国主義ファシズム」とともに太平洋戦争終了まで、日本国民の自由を奪って、戦争へと駆り立てていたのだった。
まさに「国家神道」こそ日本を戦争に駆り立てて滅ぼした「元凶」といえるだろう。
そのシンボルが「靖国神社」であったことを、日本国民は忘れてはならないと思う。