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写真付きで日記や趣味を書く日々を過ごしながら・・・

気がつけば終着駅の次は童話

2020年01月26日 | 日記
佐藤愛子著の『気がつけば終着駅』の新刊を読み終えて今日は新美南吉童話集の中の『でんでんむしの かなしみ』を読んで反省と感動をしている。みなさんも読んでみて下さい。年代によってそれぞれが納得できる話です。
新美南吉さんの作品は以前朗読教室に通っていたとき、『手袋を買いに』や『ごん狐』を読ませていただき私の好きな作家さんでした。

でんでんむしの かなしみ (新美南吉)
一ぴきの でんでんむしが ありました。
 ある ひ、その でんでんむしは、たいへんな ことに きが つきました。
「わたしは いままで、うっかりして いたけれど、わたしの せなかの からの なかには、かなしみが いっぱい つまって いるではないか。」
 この かなしみは、どう したら よいでしょう。
 でんでんむしは、おともだちの でんでんむしの ところに やっていきました。
「わたしは もう、いきて いられません。」
と、その でんでんむしは、おともだちに いいました。
「なんですか。」
と、おともだちの でんでんむしは ききました。
「わたしは、なんと いう、ふしあわせな ものでしょう。わたしの せなかの からの なかには、かなしみが、いっぱい つまって いるのです。」
と、はじめの でんでんむしが、はなしました。
 すると、おともだちの でんでんむしは いいました。
「あなたばかりでは ありません。わたしの せなかにも、かなしみは いっぱいです。」
 それじゃ しかたないと おもって、はじめの でんでんむしは、べつの おともだちの ところへ いきました。
 すると、その おともだちも いいました。
「あなたばかりじゃ ありません。わたしの せなかにも、かなしみはいっぱいです。」
 そこで、はじめの でんでんむしは、また べつの、おともだちの ところへ いきました。
 こうして、おともだちを じゅんじゅんに たずねて いきましたが、どの ともだちも、おなじ ことを いうので ありました。
 とうとう、はじめの でんでんむしは、きが つきました。
「かなしみは、だれでも もって いるのだ。わたしばかりではないのだ。わたしは、わたしの かなしみを、こらえて いかなきゃ ならない。」
 そして、この でんでんむしは、もう、なげくのを やめたので あります。
     
この写真は2017年7月1日に我が家の庭で撮ったものです。
          
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