読書の記録

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英国海兵隊に学ぶ最強組織のつくり方

2016年11月18日 | 経営・組織・企業

英国海兵隊に学ぶ最強組織のつくり方

 
岩本仁
かんき出版
 
 「軍隊式」とか「体育会系」とかいうと、上からの命令は絶対、とか体罰・パワハラとか、ブラック企業とか想像するわけだけれど、本書曰くは、現代の軍隊はそんなことしない、という。
 かつての軍隊、ないし軍隊型組織は「コマンド&コントロール」であった。つまり、命令し、従わせようとする。
 しかし、今日の不透明で一寸先が闇、刻刻と状況が変化する中で組織を動かす場合、上位下達型では失敗のリスクが高くなる。むしろ「ミッション・コマンド」型、すなわち「ミッション=目的」を伝え、そのやり方は任せる、というものだ。
 このことは本書に限らず、いろんなところで指摘されており、僕も何度か見聞きしている。いちど会社の研修で「コーチング研修」、つまり勤務先の部下や後輩に対してのふるまいの研修みたいなのに参加したときも、外部講師がそんな話をしていた。
 「目標だけ伝えてやり方は任せる」で本当に大丈夫なのか、という点について本書で興味深い指摘は、そのほうが「コマンド&コントロール」よりもミッション成功率が高いのだそうである。つまり「やり方を任せて失敗する「よりも、「まちがった命令を出してしまう」確率のほうが高い、ということだろう。日々の仕事で重々気をつけなければならないことである。
 

ビットコインはどのように動いているのか
 
大石哲之
日経BP社
 
 ビットコインとか、ブロックチェーンとかがあいかわらず喧しいものの、なんのこっちゃらわかっていなかったので、こっそり勉強。
 読んでみれば「なるほど、あったまいいー」と思えるコンセプトだ。ブロックチェーンが意味することは、合意形成こそが社会の全ての秩序ということだ。行政とか国家というのは人々の合意形成のための装置であり、しかも合意形成において国家というものの設置は次善の策なのであった。ブロックチェーンによって合意形成が可能になるのであればもはや国家は必要としない。ブロックチェーンは国家崩壊の引き金になりうるかもしれず、人類の叡智というのは恐ろしい。マルクスもここまでは想像しなかったに違いない。
 

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