読書の記録

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異文化理解力

2015年11月26日 | 民俗学・文化人類学

異文化理解力

エリン・メイヤー 訳:田岡恵
英治出版

 アメリカ人は直接的に物言いする、というステレオタイプがある一方、でもアメリカ人にネガティブな評価を伝えるときは、3つポジティブなことを伝えた後で1つネガティブを添えるくらいがちょうどいい、という話に始まり、それぞれの国で「常識」と思われるコミュニケーションのありようをふれていく。

 結論から言うべき国、背景から説明すべき国。即決するけれど修正可能な国。なかなか決断しないが一度決断すると変えない国。

 もちろんこれらにはそれぞれこれ以上はやってはいけないという「程度」があるので、行き過ぎはご法度である。

 そして、この本ではっきり示されているのは、日本という国は諸外国の中でもかなり極端だということ。つまり中国よりも中東よりも外国人にとって意思疎通がが難しい国なのである。

 これは逆にいうと、われわれ日本人にとっては、他のどの国よりも外国人とコミュニケーションするのが困難な前提があるということでもある。



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