砂漠の音楽

本と音楽について淡々と思いをぶつけるブログ。

8月が終わる

2024-09-03 19:00:00 | 日記

祖父が亡くなりました。
翌日に職場の飲み会があったので、「身内が亡くなったので明日の飲み会を欠席したい」という、ありがちな連絡をしました。このような連絡をする日が来るなんてなあ…。

それにしても。
人が死ぬってこんなに悲しいものなのか。
びっくりするほど泣きました。今でも、不意に涙が出ます。


ある程度は覚悟していたのです。
昨年にがんが見つかり、母から闘病の様子を聞いていました。
それに、盆に会ったときには人が変わったように痩せていました。

8月半ばに帰省して祖父宅に行きました。
話には聞いていたけれど、かなりやつれた祖父の姿を目の当たりにして。
祖父には申し訳ないのですが「人が死ぬということ」を意識してしまって。
涙をこらえようとしたものの、溢れてしまいました。
少し話したあとに、祖父から「握手しよう」と提案があり、握手しながら一声かけられました。
こらえるのに必死だったので、何を言われたかはっきり覚えていません。

確か「あんたはまだまだこれからじゃ、がんばっての」とかだったと思います。
はっきりと覚えているのは「あんたたちのおかげでだいしょ楽しかったわ」と言われたこと。
だいしょ、というのは山口の方言で「ぼちぼち」「多少」という意味です。
その言葉を聞いて、やはり涙があふれてしまいました。
それから肩を組んで写真を撮りました。
祖父は自分の最期が近いことを、どこかでわかっていたのかもしれません。


上京する新幹線では、祖父のことを考えると涙が出るので映画を観ました。
しかしAmazon Primeで観た映画「丘の上の本屋さん」は、少年と古本屋のおじいさんの交流を描く物語で、ありがちなストーリー展開でしたがめちゃくちゃ泣いてしまいました。
隣の座席の人から、あまりにも脆い涙腺を心配されたのではないか。

その次に見えた映画が「星の旅人たち」でした。
こちらは息子の死を悼む父が巡礼の旅に出る話で、またしても泣いてしまいました。
映画のチョイスを完全に間違っていた気がします。
「プラトーン」とか「フルメタルジャケット」にすればよかった。

祖父と会い、「長くはないのかもしれない…」という予感がありました。
だからこそ思ったのです。もっと帰省しよう、祖父に会いに来よう、と。
でも、次に祖父に会えたのは亡くなったあとでした。


聡明な祖父でした。
読書が好き、将棋が好き、何よりみんなで集まってお酒を飲むのが大好きでした。
酔うと軍歌を歌っていました、寝るときは「グッナ~イ」と陽気に挨拶していました。
そんな祖父の本棚から、これまでも何冊か本を貰っていて。

私が中学~高校のとき、シドニィ・シェルダンにはまったため、『時間の砂』をもらいました。
あとは数年前に川端康成の『古都』をもらいました、こちらもいい作品でした。
今回、葬儀が終わった後に祖父宅に寄って、本棚からウンベルト・エーコの『薔薇の名前』をもらいました。
ずっとほしいと思っていた本を貰えたのは嬉しいけど、祖父が生きているうちに譲り受けたかった。
以前は挫折した『薔薇の名前』、今度こそ読み通したいと思います。


亡くなった報せを受けたのが出勤中だったので、泣きながらもいったん出勤して。
むせび泣きつつ先輩に報告して「大丈夫?上には報告しておくからすぐに帰っていいよ」と言われ、そのやさしさでまた泣いてしまいました。上司にも報告して「とりあえず早く帰りな」と言われました、そのやさしさでまた泣きました。泣いてばっかりじゃねえか!

帰宅して心を落ち着かせるために、ちょっといいスーパーで買ったうなぎを妻と食べました。
悲しみでいっぱいだったけど、あのうなぎ美味しかったな…。
それから新幹線に乗り、地元へと向かったのです。
祖父の遺体と対面すると、当然ながらまた涙が溢れました。

葬儀では久しぶりに会ういとこもいて、祖父の話で盛り上がりながら泣きました。
集まれる親族がたくさんいるのが幸せなものです。
それもきっと、祖父が人好きであり、人からも好かれる人物だったからだと思います。


さようなら、かつてこのブログを印刷して読んでくれていたおじいちゃん。
今までありがとう。できたらそっちでも引き続きブログを読んでください。

スッポンとの対話

2024-08-09 17:20:51 | 日記


体調を崩しておりました。
最初はエアコンのせいかな、夏風邪かなと思っていて。
身体がだるいし、微熱があるし…でも大事な会議があるから出勤しなきゃ…!と思って出勤したら、他の参加者も体調不良で早退していたし、私も念のため検査したらバリバリ陽性でした。
酷暑のなか早退するのも、それはそれでしんどかったです。



件の感染症にかかったのは1年ぶり2回目です。去年の夏になって、めちゃくちゃきつくて。
今回も最初の2日は高熱とだるさがあり、ずっと寝ていました。でも途中から元気になり、少し手の込んだ料理を作ったり念入りに掃除をしたり、Steamのセールで買っておいたバイオハザードRE2をやったりしました。

職場から「5日間は来ないでね」と言われたので、図らずも長めの連休を獲得してしまいまして。
3日目あたりから元気になったので、「この機会を逃す手はない」と思い、他の人にうつさないように気を付けつつめちゃくちゃ出かけました。


まず上野へ。
都美術館でキリコ展に行きました。それから不忍池のあたりをぐるっと回りました。キリコ展も良かったですが、同じ会場でやっていた「大地に耳をすます 気配と手触り」という展示がとても素敵でした。
なかでも、ふるさかはるかさんの作品がよかったです。木を伐って、幹を彫って版画をされている方で。

写真OKだったので会場を撮りました。
版画も素敵だったし、色使いが美しかった。10月9日までやっているようなので、興味のある方はぜひ。


あとは相模原へ。
水族館に行きました。嫁は普通に仕事だったので、2人では行かないような場所を探して。「相模原ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」という、淡水魚ばかり展示しているニッチな水族館に行きました。こちらも楽しかったです。



相模原まで遠いし、駅周辺には夜のお店ばかりで他に何もないし、駅からバスで30分という絶望的な立地でしたが、水族館は開放的で明るく、とてもよい雰囲気でした。
体験型ワークショップとして、小さいアクアリウムを作ろう!というイベントがあったので、小さい子どもたちに交じって瓶にカラフルな砂を入れたり、黄色のリボンを結んだりしました。あとはスッポンとしばらく対話をしました。
スッポンもスッポンで大変とのこと。そうだよな、私だけ大変なわけないよな。


あとは伊香保に旅行に行きました。石段がしんどかったですが、宿がたいそう趣深く、とてもよい体験でした。
2日目には榛名湖まで行って、ロープウェーに乗ろうとしたら「運転中止」と書かれていました、悔しさのあまり地面に突っ伏しました。



あとは榛名湖にあった日帰り温泉の施設がよかったです。520円なのにこんな広いし露天もあるのかよ、と感動しました。
その施設で練習をしている吹奏楽部の学生たちもいました、合宿なのでしょうか。青春しとんねえ。


このようにして連休は過ぎていきました。
連休が過ぎ去ったあと、私の胸に去来したのは「働きたくない」という確固たる気持ちでした。
たぶん感染症の後遺症だと思います。

それにしても。
なぜ、こんなに働きたくないのでしょう。
低賃金で長時間拘束されているからでしょうか。
やりたくない業務に向き合わなければならないからでしょうか。
人間関係のあいだを揺蕩うことが疲れるからでしょうか。
自分がやっている業務に対して、「これが一体何になるんだろう」「本当に誰かの役に立っているのだろうか」という疑念が湧き上がってくるからでしょうか。
あるいは、身も心も資本主義に取り込まれてしまい、マルクスが言うように、世間から、労働から疎外(Entfremdung)されているからなのでしょうか。


美しい作品に触れているとき、夕方の不忍池を歩いているとき、スッポンと対話しているとき。
私は、私が世界との接触が失われていたように感じられました。
自分の人生とはまるで無関係に作品や景色、スッポンは存在していて。
自分がせっせと働いているなかでもそれらはたしかに存在し続けていて。
そういったことを、自分がすっかり忘れていたことに気づいたのです。
同時に「私はいったい、何をしていたんだろう」という気持ちにもなって。
せこせこ働くあまり、いろいろなことを取り落としていたのです。

とはいえ。
働きたくない思いは強いのですが、それでも働かなくてはならないわけで。
スッポンも働いているくらいですからね。

もちろん、「仕事を楽しもう!」「やりたいことを仕事に!」「好きなことで、生きていく」など宣うつもりはないです。そんなことを言っても、やっぱり仕事がしんどいときがあります。
100%ハッピーで楽しかったら、私のような仕事は生まれてこないわけですから。

それはそれとして。
私自身、世界との接触の仕方を、もう少し考えていかなきゃな、と思うわけです。
何かを美しく感じたり、丁寧に掃除をしたりするだけでなく、ちゃんと仕事に対して憎しみの炎を燃やすことも、しっかりと責任を持ってぼんやりすることも、立派な接触です。

気を抜くとすぐに世界と分離していってしまうので、ちゃんと休まなくてはならないですね。
ウオーあと100日くらい休みたい。


そう、だからこうしてブログを書いているんです。
いいですか、この文章は私が世界との接触について考えるためであって、決してサボりたくて書いているわけじゃないんですよ。

我必须学习中文

2024-07-09 16:28:53 | エッセー
暑いのでブログを書きます。
もう7月ですか。驚くべきスピードで時間が流れていきます。
この頃は、朝起きて仕事に行って、帰宅して夕飯を食べて、勉強して寝て。
そしてまた朝起きて仕事に行って、帰宅して夕飯を食べて、勉強して寝て。
そんな日が土曜日まで続いていて。日曜日には用事を済ませたり、出かけたり人と会ったりしています。
なんとか日々をこなしています。暑いですがみなさまお元気ですか。



帰宅したあと何を勉強しているのかというと、中国語です。
何かに役立てるつもりもないし、中国に行くわけでもないのですが、なぜか今度中国語の検定を受けます。
いわゆる「HSK(漢語水平考試)」と呼ばれるものです。事前にチェックテストをしたところ、3級くらいがちょうどいいラインかなと思って受けることにしました。昔住んでいた町の近くで受けてきます。

中国語は、なんといっても発音が難しいです。ピンインがあり、四声があり、子音の発音も独特。
その点ではリスニング問題が一番心配ですね。同じような発音の単語がちらほらあるので。
うまく聞き分けられるかしらん…。

逆に文章問題はわりあいイージーで。
今日のタイトル「我必须学习中文(私は中国語を勉強しなければなりません)」のように、漢字がわかれば文章の意味が結構理解できます。
ただ、「頭」→「头」、「勝つ」→「赢」のように、日本で使われる漢字とまったく違うものもあるので、それは勉強しなくてはなりません。
名詞はある程度同じだったり、雰囲気でわかったりするのですが、副詞や一部の動詞が難しいですね。


そんなわけで中国語を勉強しています。
あとは最近、河島英昭先生の『イタリアをめぐる旅想』というエッセーを読んでいます。古本屋で遭遇しました。
これが面白い。文章が巧みなのはもちろんですが、読んでいるだけで、異国に身を置くときのなんとも言えない感覚を味わえます。
わくわくするような浮足立つ気持ちもありつつも、他者と触れるときの圧倒的な衝撃、「ひとり」で空間に漂っている感覚。異国に行きたいなあ、そういう気持ちを味わいたいから、私は海外文学が好きだったりします。

そういえば大学の時はジョジョ5部の影響でイタリア語をとっていました。
いつかイタリアに行きたいですね。イタリア語はもうぜんぜん覚えていないけど。
たぶん「私の名前は〇〇です」「私は学生です、心理学を勉強しています」くらいしか言えません。アリベデルチ。


河島先生といえば、チェーザレ・パヴェーゼやウンベルト・エーコなど、イタリア文学の翻訳で有名な方です。
私が初めて先生の翻訳に出会ったのは『薔薇の名前』にチャレンジして挫折したときだったと思います。そのあともパヴェーゼを何作品か、先生が訳しているものを読みました。『月と篝火』『祭りの夜』いずれもいい作品でした。

いつだったか、センター試験でパヴェーゼの日記について述べられている文章を読みました。内容はあまり記憶にないのですが、どうもずっと印象に残っていて。
調べてみたところ、社会学者の富永茂樹さんによる『都市の憂鬱』という著作から出典されているようです。

その本は読んだことがないのですが、社会人になってからパヴェーゼの小説を読んだとき、「あれ、このパヴェーゼって作家、もしかしてセンター試験に出ていた、あのパヴェーゼ…?」と―びっくりとも違う、感動とも違う―変な感覚を抱いたように記憶しています。巡り巡って、ここで出会ったか、という。


パヴェーゼの小説に出会ったときの、奇妙な感覚。こんなふうに、取るに足らないような過去の出会いが、ふと我々の人生にかかわってくることってあるよな、と感じたりしていて。そして古本屋で河島先生の本に出会えたことも、私にとっては大きな喜びとなったのです。

中国の勉強も、差し当たって目的があるわけではないにせよ、何かの出会いにつながるといいな、と思ったり。
まあ3級は「ビールください!」とか「店員さん、お会計お願いします!」とか、ちょっと旅行に行って困らないレベルなので、ネイティブの人と流暢にやり取りするとかはまったく無理ですが。
受かったらいっぱいビールを飲みます。これを中国語で言うと「如果考试通过了,我想喝很多啤酒。」になります。
いけない、こんなブログ書いてないで勉強しなきゃ…!

山手線一周RTAしてみた

2024-06-11 21:30:00 | 日記
暑くなってきました。
心労の源泉になっていたビッグイベントが終わり、少しのんびりしたいところです。しかしながら、今まで直視するのを避けていた仕事が押し寄せてきています。自分ひとりで片付く業務ならいいんですが、調整をしたり人にお伺いを立てたりする業務が難儀です。
そういうことをやりたくて今の仕事を志したわけではないのに…と思うけれども、組織で働く上ではどうしたって逃れることができないですよね。これが民主主義か、大切なのはわかるけど、ちゃんと維持していくのはなかなかに大変だなあ。



さて。
みなさんはRTAという言葉を聞いたことがありますか?
RTAとは、Real Time Attack(リアルタイムアタック)の頭文字をとったもの。
リアルタイムアタックとは、主にゲームで使われることが多い用語で、クリアまでのスピードを競う競技、一種のタイムアタックのことです。通常のタイムアタックと違うのは、ゲーム内のプレイ時間ではなく実際のクリアタイムで競うものです。

たとえば。
ゲームをスタートして1時間経ち、途中で15分休憩を挟みます。再開して1時間後にクリアします。
タイムアタックでは休憩の15分がカウントされず、クリアタイムは2時間になります。しかしRTAでは休憩の15分も計測され、2時間15分になります。
ぶっ通しでいかに速くクリアするか、それがRTAの醍醐味ですね。

最近ではお盆の時期や、年末年始にRTA in Japanというイベントが開催されています。
ゼルダ、ポケモン、ドラクエのようなメジャータイトルから、デスクリムゾンやファイナルソードなどの尖った作品が走られていて、実況と解説の掛け合いも面白く、毎回楽しみにしています。


前置きが長くなりました。
そんなわけで、私もRTAに挑戦してみました。山手線徒歩一周RTAです。山手線の30個の駅をすべて徒歩で回る、というものです。
2024年6月9日、久しぶりに何もない日曜日。天気は曇り、最高気温は25℃。夜に小雨の予報が出ていましたが、それまでには帰れるだろう、ということでこの日に挑戦しました。

新宿駅の改札を出て、8時57分開始です。ここでタイマースタート。
新宿西口の高架下を渡り、歌舞伎町タワーの横を抜けていきます。朝の新宿は汚いし、カラスがたくさんいて怖かったです。ただ、歌舞伎町エリアはそこまで広くないので、しばらく歩くとすぐに街並みがまともになります。

まずは新大久保へ。昔このあたりに先輩が住んでいて、泊まりに行ったこともありました。先輩のプレステでCall of Dutyをクリアするまでやらせてもらいました。友人とサムギョプサルを食べにきたこともあります。


ここから馬場までの道は歩道が広く、歩きやすかったです。

つづいて高田馬場。早稲田大学があります。ここにある「ひなた」というとんかつ屋さんが美味しいです。

目白。学習院大学がありますね。ここにある「ぞろ芽」といううなぎ屋さんが美味しいです。

そして池袋。最近全然来ていないですが、以前はジュンク堂などの大きな本屋に結構寄っていました。高校の友達と火鍋を食べに行ったり、大学の友達とオケを聴いた後に、ガチの中華を食べに行ったりもしました。あとは漱石の墓参りに、池袋から雑司ヶ谷まで散歩した記憶があります、印象深い思い出です。

大塚駅へ。都電が走っていますね。先輩がこの付近に住んでいて、お宅にお邪魔してしこたま飲んでいました。コロナ以降、なかなかお会いできていないので、また飲みたいですね。友人と、はるばる大塚まで明石焼きを食べに来たこともあります、たまに食べると美味しいんですよね、明石焼き。



そして巣鴨。落ち着いた住宅街を抜けて、駅前へ。人生で初めて立ち寄りました。商店街でささやかなお祭りをしていました。線路沿いを歩けるし、遠くにスカイツリーが見えて、眺めが比較的良いです。このあたりから少し足が痛くなってきました。

駒込。大塚~駒込付近はアップダウンがあってしんどいです。昔友人の結婚式がこのあたりであって、二次会で駒込の居酒屋で飲みました。しこたま飲んで鞄を忘れてしまった記憶があります。情けない話です。

坂を上って西日暮里へ。遠い昔にサークルの人と遊びに来た記憶がありますが、どんな用事で来たかあまり記憶にありません。このあたりから携帯のバッテリーが心配になってきました。

日暮里。このへんで12時頃でした。新宿から3時間。ここは観光客が多いためか、駅の外観が洒落ています。海外の方もたくさんいらっしゃいました。

鶯谷。ラブホテル街として有名ですね。駅前も雑然としていて、あまりきれいな印象を受けませんでした。いい雰囲気のレトロな喫茶店があり、ナポリタンに弾かれましたがもう少し進んでから休憩することに。

そして上野へ。休日の上野はとにかく人が多いです。駅前の通りでは昼飲みをしている人たちがたくさんいて、幸せそうでした。そろそろお腹が空いてきました。足も痛いです。酒を飲みたい衝動に駆られましたが、ここで飲むと「終わり」なので、我慢です。

御徒町。上野から歩いてすぐです。この辺はよく足を運ぶので、馴染みのある景色が広がっていました。馴染みのある景色とつながる瞬間は楽しいですね、ゲームでもあるような「ここがここにつながるのかよ」と、ぐっと視界が開けるような感覚があります。

秋葉原。なんだろう、休みなのに休みじゃないような、少し落ち着かない感じがありました。
携帯のバッテリーが不安だったので、慌ててヨドバシでモバイルバッテリーを購入。

さすがに疲れたので、駅の近くの「Beer Otaku Spice」というクラフトビール屋さんでビリヤニを食べ、ビールを2杯飲みました。美味しかったです。近くのテーブルに座っていた客2人が診療報酬改定や、医療従事者のベースアップの話をしていました、たぶん医者ですね。この時点で13時半頃でした。

神田。友人とこのへんのビール屋で、4時間近く飲んだ記憶があります。「Screamin’ Hop」というお店です、とても美味しかったしビールの種類が豊富なので、興味のある方は是非。こぢんまりとしたいいお店です。

東京。駅前人多杉。

有楽町。大学で大変お世話になった先輩が就職した直後、このへんのお店でおごってもらった思い出があります。お店はなくなっていましたが。あの先輩、元気かな。

新橋。この駅もガード下にお店がいっぱいあって、とても魅力的です。ナンバーガールのライブを観た後、友人とこの辺で飲みました。

浜松町。東京タワーの下にある寺院で、熱い夏を過ごしたのは遠い昔。修行が終わった後、門を出てすぐのところにあるコンビニでビールを買って飲みました。最近は、島に行くために何度か船に乗りました。島はいいぞ。飛行機もいいですが、のんびり酒が飲めるので私は船旅が好きです。

田町。充電が切れそうだったので、このへんでドトールに入ってスマホとモバイルバッテリーを充電しました。

この時点で16時です。歩行距離が30km超えました。疲れたので40分ほど休憩。雨が少し降ってきて、諦めようか葛藤していました。


高輪ゲートウェイ。まだ名前に納得いっていません。だってダサくないですか?駅周辺はまだ開発中って感じでしたね。この駅だけ写真を撮り忘れてしまいました。
品川。その昔大井町に住んでいたので、品川はよく利用していましたし、品川から歩いて帰ったりもしていました。思い出の地ですが、引っ越してからもうすっかり行かなくなりましたね。ラーメン屋がいっぱいあったエリアが解体されていました、寂しい。

大崎。この地に降り立つのも久しぶりでした。大きいビルが沢山建っていましたが、駅前のいわしを出す居酒屋はそのまま残っていました。このあたりで再度雨が降ってきましたが、ここまで来たら諦めたくないと思って、歩みを進めていきます。

五反田。栄えています。国道1号線ってここにあるのか~、とびっくりしました。このあたりが疲労と足の痛みのピークだったので、記憶がおぼろげです。


疲れたのでこのへんで痛み止めを打ちました。即効性があります。

目黒。電車の乗り換えと、寄生虫博物館に行ったことがあるくらいで、正直ほとんど来たことがないです。駅周辺にはいい感じのお店がいっぱいあって、もうここでゴールしていいよね、という声がどこからともなく聞こえてきました。


坂道がつらい。つまさきが痛いです。

恵比寿。馴染みのある町に来た、嬉しい。リキッドルームにちょいちょい行くので、この辺はなんとなく地形を把握しているので、安心して歩けます。道を間違えてロスしてしまうのが、タイム的のも足の痛み的にもきついですので。

渋谷。人多杉。宮益坂下の交差点を抜けても人多杉。どこからこんなに人が湧いているんでしょうか。

原宿。最近所用でよく来ていました。洒落た人がいっぱいいて怖いです。竹下通りの入り口から、坂道を下って路地を抜けて行きます。足の裏が痛くて、もう気力で歩いています。さいわいなことに、雨はすっかり止んでいました。路地の方に行くと、思いのほか年季の入ったマンションがちらほらありました。どんな人が住んでいるんだろう。

代々木。ここまで来たらもうすぐです。北参道の付近から、大きな通り沿いに歩いて代々木方面へ。昔この辺のスタジオで、徹夜でバンドの練習をした記憶があります。20代前半でしたね、若かった。

そして新宿へ。代々木から新宿へ向かうと南口の方に出るのですが、ちゃんとスタート地点に戻るために、京王百貨店の方から階段を降り、スタート地点に戻りました。ぜえはあ。成し遂げたぜ。タイムは11時間28分49秒でした。


完走した感想
今回はいくぶん準備不足でした、もう少し荷物を軽くするべきでしたし、モバイルバッテリーも用意しておいた方が安心でした。ただ、基本的に曇りだったので直射日光にさらされなかったのはラッキーでした。タイム的には納得がいっていないのですが、再走の予定はしばらくありません。気になった方は是非やってみてください、途中に視界に入ってくるいい感じの店で酒を飲みたいという欲望に打ち勝つのが大変でした。

カニと戯れたい

2024-05-23 17:55:52 | 日記
「…しんは?」
あれ、どこからか声が聞こえる。
「ぶ…の…しんは?」
ん?なんだって?

「ブログの更新は?」
ウオオオオオ!!!!よくも言いやがったなアアアアア!!!!!!


そんなわけで久しぶりの更新です。
ここ最近はプライベートがいそがしく、仕事もまあまあ忙しくて、すっかり怠っておりました。
何もない日曜日が欲しい。海を眺めてカニと戯れたい。
町中華で炒飯と餃子を食べ、ビールを飲みたい。
意味もなく3時間くらい散歩したい。
図書館でコーヒー飲みながら、あてのない読書をしたい。


端的に言って、疲れています。
それと同時に、なんでこんなに疲れているんだろうと思います。

仕事もまあまあ忙しいのですが、年度末や年度はじめほど摩耗しているわけではなく。
ちゃんとした休みがないのもあるけれど、それでもこんなに疲れが取れないものだろうか、と感じていて。加齢もあると思うのですが、少し先に大きなイベントが控えているのもあって、精神的になかなか休まらず。ねばつくような不安がずっと隣の座席に座っている感覚です。いやだねえ。
何か失敗する夢、不安になる夢もよく見ます。いやだねえ。


みなさんは、疲れたときにどのようなコーピング(対処行動)をしていますか。
以前もブログに書いたと思うけど、私はとりあえず酒を飲みます。飲酒頻度や酒量が増えます。ある種疲労のバロメーターになっています。

あとは芸人のラジオを聞くことが増えます。
面白いっていうのもあるんですが、音楽を聴いていると考え事をする「隙」が生じてしまうので、なるべくいろんなことを考えないように、とりあえず空白を埋めるために芸人のラジオを聞いているのです。それが楽しいかどうかは別として。

ここ最近のオススメは、ランジャタイのポッドキャストですね。すごく中身があるわけではないけど、めちゃくちゃ面白い。こんなに自由でいいんだな、こんな生き方もあるんだなあと思える。視野を広げてくれる番組です。

最近読んで面白かった本
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆
めちゃくちゃ面白かったです。手に取った時はカジュアルな新書かと思っていたのですが、読書論や労働観、新自由主義的な現代の価値観など、さまざまな社会的な要素にも触れられており、たいへん楽しく読みました。この人の本に紹介されていた『疲労社会』も買いました。でも疲れているのでまだ読んでいません。

次は『疲労とは何か』を読みたいと思います。最近ブルーバックスから出た本です。
ブルーバックスは、読みやすくて面白い本が多くていいですよね。

早く行事を終わらせて楽になりたいけど、当日が近づくのが不安です。
まあ死なないかぎり、なんとか生きていけると思うのですが。
ハアー、カニと戯れたい。