砂漠の音楽

本と音楽について淡々と思いをぶつけるブログ。

ポニーのヒサミツ「9のミューザック」@青山月見ル君想フ

2022-06-07 14:20:19 | 音楽

ポニーのヒサミツ 9周年ライブ「9のミューザック」

梅雨入りしたのでブログを書きます。
最近入ってきた人たちが真面目に仕事をしている手前、サボりづらい日々が続いていました。
みんな、どうしてそんなに一生懸命仕事ができるのでしょう。不思議でなりません。
一刻も早く家に帰ってだらだらしたいのに…!!!!!



さて。
さる6月4日、ポニーのヒサミツ氏のワンマンライブに行きました。
会場は青山、月見ル君思フです。こぢんまりしていていい会場です。

その日は夕方まで仕事だったので、信濃町から歩いていきました。
ちょうど交流戦のデイゲームが終わった頃で、駅のエスカレーターを上るさい、ニッコニコのスワローズファンと浮かない顔のライオンズファンに遭遇しました。そういえば信濃町は神宮球場が近いのですね。
改札を出て左に曲がってしばらく歩き、権田原の交差点で秩父宮ラグビー場の方に向かい、青山霊園を抜けて会場に向かいました。傾きつつある陽の光を浴びながら、人のまばらな広めの並木道を歩いて。さすが港区だけあって、道路にはオープンカーやらベンツやらポルシェが多かったです。この人たちは一体どういう仕事をしているんだろうな。

話が横に逸れるのですが、信濃町のあたりの景色が懐かしくて。
その昔、論文のテーマを考えるのに-いえ、論文から逃避するために-このへんをよく練り歩いていました。
あのときはよくキリンジのBUOYANCYを聴いていた気がします。あのアルバムを聴くと苦しかった時期を思い出し、アナフィラキシーを起こしそうになります。時計仕掛けのオレンジみたいですね。


それはそうと。
会場についたのは18時40分頃でした。
とりあえずドリンクチケットでビールを頼み、ついでにカレーを頼みました。このカレーがスパイシーで美味しかったです。
客の入りはぼちぼちといったところで、後ろの方に陣取ってカレーをむしゃむしゃ食べていると、あとから結構お客さんがやってきていて。スタッフの方が椅子を追加していました。当日券の方が多かったのかしらん。


カレー情報です。
ヴィンダルカレー、1000円です。


ギターの方が調整でファームに入っているのと、ゲストの中川さんが体調不良でお休みとのこと。いつもと違う編成での演奏となりました。ですが、それでも演奏がたいへん心地よかったです。私はカレーをむしゃむしゃ食べたあと、にこにこしながら音楽に耳を傾けていました。「休日」「タイフーンマンボ」「散歩娘」良かったなぁ。あと2回目のアンコール曲でふいにうるっとしてしまいました。
ということでお聞き下さい、最新アルバムから「散歩娘」です。

ポニーのヒサミツ - 散歩娘 (Official Music Video) Hisamitsu the Pony - Sampo Girl

優しい音楽にちょっと怖いPVが印象的


バックの方々の演奏も良くて。
谷口さんは終始楽しそうに演奏していたし、普段はバンジョーやマンドリンを担当しているサボテン楽団さんのギターが素敵でした。それとギターの人が不在だったのもあって、いつもよりバンジョーの存在感があって。音数が多いとバンジョーやマンドリンはどうしたって目立ちづらいのですが、この日はよく聞こえました。もちろん、いつものギターの方の演奏も好きですよ!(絶対読まないと思うけど一応のフォロー)

ヒサミツ氏のMCは終始てんぱっている感じがして、それもそれでよかったです。こんないい音楽やっているのにMCになった途端、おぼつかないというか…笑

今回のライブは、近所の公園で思いがけずにきれいな花を見た感覚に近くて。季節の花の展示会です!ジャーン!!みたいに、ものすごくインパクトがあるわけではないのです。
でもその場所にすっと身体が「馴染む」ような、ずっとそこにいたくなる、そんな音楽だなと思っています。10周年があるならば、また足を運びたいなあ。久しぶりに会う友達もいて、それも嬉しかったです。


余談。
ライブまで時間があったので、青山霊園を少しうろうろしました。大久保利通の墓を見ました。
大学入試で東京に泊まったときも、ちょうどこの辺に宿がありまして。そのときは墓地の中に入らなかったけれど、周囲をうろうろしていた記憶があります。そのへんのドトールで赤本を眺めながらミラノサンドを食べました、懐かしいです。

ふと考えると、東京のそこここに思い出が散らばっています。
荻窪のラーメン屋、武蔵小山の居酒屋、八王子の飲み屋。井の頭公園に下北沢のカフェおーるど、練馬区の美術館。
人間の記憶は直線的な連続体というよりも、パッチワークのように、あるいはオナモミ(通称ひっつき虫)のように、思い出が身体という自己にいっぱいくっついているイメージです。ヒサミツ氏のライブも、そういう思い出のひとつになりそうです。良い夜をありがとうございました。