砂漠の音楽

本と音楽について淡々と思いをぶつけるブログ。

サカナクション「新宝島」

2019-01-11 17:04:10 | 日本の音楽

あけましておめでとうございます。は?何がめでてえんだよ!!(謎ギレ)
今回は久しぶりに単曲の紹介。ハッピーニューイヤーということで、「新宝島」です。えっ、強引…?仕事に戻ったアナフィラキシーショックで疲れているんです、堪忍してクレペリン…。



さて今日はサカナクションの「新宝島」。最近はDeep PurpleとAC/DC、そしてこの曲ばかり聴いてました。余談ですが、みなさんは気に入った曲をリピートする派ですか?それともアルバムを通して聴く派ですか?私としては、リピートすると飽きちゃいそうであんまりやりません。だいたいアルバム通して聴きます。でも今回珍しくリピートしています。そのくらい曲が良い、飽きがこない。

この曲について。彼らにしては珍しくギターソロ、それも歌メロをなぞる比較的ベタなソロがあります、私はソロ前のギターがしゃかしゃかコード弾いてる部分の方が好きだけど。あとベースが地味です。目立つのは最後のサビ前くらいでしょうか。サカナクションと言えば渋くて程よいベースラインが大きな特徴なんですけど(「Yes No」とか「ナイトフィッシングイズグッド」もそうだよね)、この曲は裏方に徹しています。ギターもベースも、メロディの良さを生かそうとしているのかな。

最大の特徴。この曲ではイントロの後半からAメロ、サビにかけてシンセ(?)なのか打ち込みなのか、「トッタットッタ タッタッタッ タタタ」という音がずっと流れています。バスドラはほとんど四つ打ちなんだけど、途中でこのリズムに重なるところがあってそれが最高に気持ちいい。こういう特定のフレーズをこれでもかと入れてくる演出、最近珍しいなと思います。ぱっと思いつくのはくるりの「ロックンロール」で、こちらもギターがイントロからサビまでずっと同じフレーズを弾いている、苦行かな?よほど慈悲の心を持っていないとこんなこと引き受けられませんよ…恐るべし大村達身…。
彼らは他にも「ばらの花」のピアノ、「ハイウェイ」「Go Back To Chine」のギターでおんなじようなことをやっていますし、キリンジは「きもだめし」で、□□□は「デート」で似たことをやってます。こういう演出、好きなんですよね。「あれ!?イントロで使われたフレーズがAメロでも!サビでも!!しかも違うコード進行に馴染んでる!!!」と気づく瞬間、最高に気持ちいい。なんだか興奮してきた。

もっと他のアーティストもやっていると思うんだけど、なかなか思いつきません。でも絶対先駆者がいると思う、このブログの由来になっているスティーブ・ライヒとか最たる例なんだけど、Beatlesとかもやってそう。あっ、そういえばラヴェルのボレロとかもそうじゃん、興奮してきた。

といったところで一度曲紹介。愉快なPV、結構好き。
サカナクション / 新宝島 -BEST ALBUM「魚図鑑」(3/28release)-


曲の作りは彼らにしては珍しい面が多いのですが、安心してください、歌詞は相変わらず変です。この変な感じがいいんだよな。なんだよ「丁寧丁寧丁寧に」っていうサビ、引っ越し業者かよ。
ものすごく素朴に歌詞を解釈するのであれば、「私にとっての宝は、そう、あなたなのです」ってことなのでしょうか。「揺れたり震えたり」っていう意味が、描く行為にも歌う行為にも通じているのが面白い。彼らにしてはとても前向き、まぁシングルだしタイアップもあったからか。

あとカップリングで入っている「聴きたかったダンスミュージック、リキッドルームに」もいい曲だし、「新宝島」のインストverが入っているのも良いです。サビのコーラスがどんな具合かじっくり聴けるので。気になった方は是非どうぞ。仕事の疲れが取れたり、曲の作りに興奮したりできるかもしれません。


余談
私の家族では、兄と母が延々同じ曲をリピートする派でした。何か病院に行って私が車のなかで待っているあいだ、そんなに長くならないはずが2時間くらい待たされたことがありました。その際桑田佳祐の「白い恋人たち」がずっとずーっと流れていて、それで曲を嫌いになった記憶があります。時計仕掛けのオレンジかよ。どうだ、お前もトルチョックしてやろうか!!(アナフィラキシーショックで疲れてます)