一粒万倍日 メルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」の紹介です。
発行者の北野幸伯様に感謝。来訪者様に感謝。
2008年12月28日の私のブログで
北野幸伯先生の文章スタイルを紹介しました。
本日は、北野先生の主題の本文を紹介します。
紹介はここから。
=== RPE Journal===================================================
ロシア政治経済ジャーナル No.558
2009/1/5号
================================================================
★新規購読者の皆様へ!
はじめまして!RPE発行者北野です。RPEのモットーは、
1、わけのわからない世界情勢を世界一わかりやすく解説する。
2、でも、きれいごとは一切言わない。です。
世界の裏側で起こっていることを、あなただけにこっそりお教えします。
これは、国連・世銀・外務省・政治家・ファンド・社長さん軍団・大企業幹部・
起業家等々が内緒で読んでいる、秘伝のメルマガです。
友人知人には、このメルマガのこと絶対秘密にしておいてください。
3、RPEの広告は、北野が実際に購入した製品とは限りません。必ず★H
Pを熟読され、★自己責任で決定を下してください。
=================================================================
★日本を救うのは○○○です
全世界のRPE読者の皆さま、
新年あけましておめでとうございます!
読者の皆さまとご家族の皆さまが、今年一年
健康で幸せで豊かでありますように!
今、祈りました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
RPEジャーナル
北野幸伯
世界はどうなるのか?
日本はどうなるのか?
しかし、マクロなことを書くと、「明るい今年」を描くことはなか
なか難しいのです。
新年一発目ということで、明るい話をしましょう。
日本を救うのは○○○ですという話。
本文を読む前に皆さまも考え、紙に解答を書いてみてください。
ヒント → 3文字です。
解答例1
日本を救うのは 山田優 です。
解答例2
日本を救うのは オバマ です。
解答例3
日本を救うのは エンヤ です。
解答例4
日本を救うのは ブッダ です。
さあ、皆さま解答を紙に書かれたようなので、本題にいきましょう。
▼危機に対する態度
経済には好景気と不景気があります。
そして、好景気か不景気かは数字できっちり出てきます。
09年、マクロ経済は「暗黒時代」に突入することでしょう。
ここで「09年日本経済はバラ色だ!」といえば、皆さまを欺くことに
なる。
このように「みんなが苦しい時代」、もっともよく見られる反応は
「自分の変えられないものに責任を押し付ける」
ことです。
今でいえば、
・アメリカ政府のせいで、世界中が不景気になった
・日本政府の無為無策のせいで、日本経済ボロボロだ
・社長のせいで、リストラの嵐だ
等々。
これ、全部そのとおりなんです。
全部真実なのです。
しかし、「アメリカ政府をあなたは変えることができない」というのも
また事実。
もし皆さまの中で、「アメリカ政府のせいで、日本政府のせいで俺
は不幸だ」と思っている人がいるのなら、
「アメリカ政府と日本政府が賢くなるまで、俺は不幸でいつづける
のか?」
と自問自答した方がいい。
サラリと書きましたが、こういう世界観・人生観は、人生に決定的
影響を与えます。
一つ例を書いておきましょう。
私は92~98年まで、反体制詩人レオノビッチさんの家にホームス
テイしていました。
おかげさまで、「インテリゲンツィヤ」といわれる「知識人階級」の人
々と接する機会が多かったのです。
彼らの多くは、「自由」と「民主主義」を切望していました。
彼らの論理は、「ソ連は共産主義だから、おれらは不幸だ。ソ連が
民主主義になれば、おれらは幸せになるだろう」。
そして、ついに夢がかなうときがきた。
そう、91年12月にソ連は崩壊。
自由民主主義の新生ロシアが誕生したのです。
しかし、経済改革の失敗で、年間2600%のハイパーインフレになっ
てしまった。
インテリゲンツィヤの人々は幸せになれたのでしょうか?
なれませんでした。
彼らの大部分は、民主主義をもたらしたエリツィンさんに幻滅して
しまいます。
そして、「エリツィンの民主主義は本物ではない、偽りの民主主義
だ。本物の民主主義がこないかぎり、俺達は幸せになれない」と
いいはじめたのです。
ソ連崩壊後の混乱期、インテリ層も一般のロシア人もとてつもない
苦しみを味わっていました。
そんな中、ある一群はすさましい勢いで富を蓄積していきました。
それが、ユダヤ系の人々。
彼らは、石油・鉄鋼・非鉄金属など主要部門を牛耳り、銀行をたち
あげ、巨富を築きました。
1997年までに、7人の新興財閥がロシアの富の50%を支配したとい
われています。
その7人とは、
1、ベレゾフスキー(クレムリンのゴッドファーザーと呼ばれた)
2、アブラモービッチ(英国サッカーチーム・チェルシーを買収した)
3、ホドロコフスキー(石油大手ユコス社長(当時)
4、グシンスキー(ロシアのメディア王(当時)
5、フリードマン(アルファグループ)
6、アヴェン(アルファグループ)
7、ポターニン(インターロスグループ)
このうち、1から6まではユダヤ系。
ポターニンだけはロシア人。
新興財閥ほどではないにしろ、共産時代と同じく豊かな生活をつづ
けた人々もいます。
それが、共産党のエリート。
「え”~~~なんで共産体制が崩壊したのに、共産党のエリートが
豊かに暮らしているのですか???」
疑問をもたれるのも当然でしょう。
共産党のエリートたちは、民主主義者に転向したのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、ソ連が崩壊した後、速攻で共産主義教を捨て去り、民主主
義教徒になった。
それでサバイバルしたのです。
ちなみにソ連のイデオロギーである共産主義・マルクス主義は、
唯物論・無神論です。
神様は存在しない。
神様が人間をつくったのではなく、人間が神様をつくった。
つまり、神様は人間のファンタジーの産物だと。
民主主義者になった元共産主義者のエリートたち。
最近はロシア正教が復活してきているので、なんといっているか。
「私は大昔から神様を信じていました!」(^▽^)
こういう人を見ると、私は「そんなわけないっしょ!」と思うのですが。
とにかく、
・今のロシアを牛耳っているのは、旧共産党のエリートたちである
・彼らはソ連崩壊後、一早く「民主主義者」になった
・彼らはソ連崩壊後、「神様を大昔から信じていた」と証言している
のが事実。
▼勝ち負けをわけるのは?
さて、インテリ・ユダヤ・共産党幹部の3者を見てきました。
インテリはソ連時代も不幸で、ソ連崩壊後も不幸。
ユダヤは、ソ連時代は不幸で、ソ連崩壊後幸せ。
共産党幹部は、ソ連時代も幸せ、ソ連崩壊後も幸せ。
いったいどうしてこういう差が出るのでしょうか?
皆さま、クリントンさんやトヨタの奥田さんも絶賛の歴史的名著
●「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー キングベアー出版
(詳細は→ http://tinyurl.com/928a9 )
を読まれたことがあるでしょうか?
ない方は、必ず読まれた方がいいと思います。
この本には、成功と幸せをゲットする7つの習慣が書かれているの
ですが、
第1の習慣は、「主体性を発揮する」です。
主体的な生き方の反対は、反応的生き方。
反応的生き方について、コヴィー博士はなんといっているか。
<反応的な人は、自分のコントロールできない事柄に集中すること
により、消極的なエネルギーを生み出し、影響の輪を縮める。>
(105p)
ロシアのインテリ層の関心は、「ソ連が共産主義か民主主義か?」
にありました。
これは、彼らがコントロールできない部分です。
ソ連崩壊後、彼らの関心は、「ロシアは真の民主主義か偽の民主
主義か?」に変わった。
しかし、これも彼らがコントロールできない部分。
つまり、彼らは「自分のコントロールできない部分にフォーカスする
ことで永遠に不幸でいつづける」ことになります。
なぜなら、政府や世界が自分の思い通りになることなど、ほとんど
ないから。
もし皆さまの中に、ニュースを見て日本政府や日本経済の現状に
一喜一憂している方がおられるなら、ロシアのインテリと同じ過ちを
犯していることになります。
(ただし、国政を正すためにブログやメルマガで情報を発信するの
は、「自分のできること」(=ブログ・メルマガを書く)にフォーカスし
ているので、「主体的」である。)
では、主体的な生き方の人は、反応的な人とどう違うのか。
<主体的な人は、自分のコントロールできる事柄に集中することに
より、積極的なエネルギーを生み出し、それによって影響の輪を拡
大する。>
(104p)
主体的な人は、自分のコントロールできないことよりも、自分のコン
トロールできることに集中している。
ユダヤ系の人々は、「ソ連が崩壊して大変だ大変だ!」とは考えな
かった。
逆に、「こういう混乱の時代に、大金を稼ぐ方法はなんだろう?」と
考えた。
共産党幹部は、「こういう混乱の時期に、権力にとどまるには民主
主義者になるしかない」と自分の信条をあっさり捨て去った。
こういう生き方を「汚い」と思う人もいるでしょう。
私もきれいな生き方とはいえないと思います。
しかし、ここで強調したいのは、「汚い」「きれい」ではなく、
大変な時代でも「自分のコントロールできる事柄に集中する」ことで
活路が開けるということなのです。
そういえば、北京オリンピック柔道金メダリスト石井さんは、
「勝つのは才能がある奴ではない、変化に対応できる奴だ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とテレビで語っていました。
▼後半へ
=================================================================
▼後半
▼ミクロの善とマクロの悪
さて、経済危機下で「自分のコントロールできることに集中する」。
真っ先に思い浮かぶのは、「支出を減らし、倹約する」ことでしょう。
自分の支出は自分でコントロールできますから。
倹約することは、個人にとっての美徳であります。
これを「ミクロの善」という。
しかし、国家レベルでみると、個人個人が倹約に走ることは悪にな
る。
これを
ミクロの善 = マクロの悪
といいます。
なぜそうなるのか?
Aさんは今まで、月に40万円稼いで40万円使っていました。
しかし最近は、「不景気だ!」「不景気だ!」とみなが騒ぐので、「俺
も未来に備えて倹約するか」となった。
それで、月に40万円稼いで、30万円だけ使うことにした。
Aさんは月に資産が10万円づつ着実に増えていきます。(ミクロの
善)
これを国家レベルでみると、「Aさんの行動により、消費が月10万円
減少した」となる。
Aさんが消費を月10万円減らすと、日本国全体の売上が月10万円
減少します。
それで日本国では生産が月10万円減ることになる。
同時に所得が10万円減る。
このようにAさんのミクロの善が、日本国全体でみると、
Aさん消費減 → 生産減 → 所得減 → 日本国消費減 →
日本国生産減 → 日本国所得減 → 以下繰り返し
となる。
とはいえ、今のような時代「おれはお国のためにジャンジャン金をつ
かい消費するぞ!」という人はあまりいないでしょう。
ミクロの善は、個人にとっては正しいのです。
▼ミクロの善 = マクロの善になるケース
「個人の美徳が、日本経済に打撃を与えるなんて・・・」
「ミクロの善がマクロにも善になることはないのでしょうか?」
これはあります。
たとえば。
長野県にあるソバ屋さんがあります。
といってもソバオンリーではなく、ソバ+料理屋。
実際のケースですが、名前は仮にB屋としましょう。
バブル崩壊後、B屋の経営は悪化する一方でした。
同業もどんどん減っていきます。
奥さんは近所に買い物に行くと、「いつまでもつことやら・・・」などと
愚痴をこぼすのが日課になっていました。
転機は2000年に訪れます。
当時、状況は深刻で「年内に看板を下ろそう」と思っていたのです。
奥さんは、ネットで知り合った他県の人々とチャットをしていました。
すると他県の人々はいうのです。
「信州ソバっておいしいですよね~。毎日食べられてうらやましい!」
「私も信州ソバ食べたい!」
奥さんは初めて、「他県民の目から長野のソバ屋がどう見られてい
るのか」を自覚したのでした。
今までのアイデンティティーは「(普通の)おいしいソバ屋」。
それが、「日本一おいしい信州ソバ屋」に意識がトランスフォームし
たのです。
B屋さんは、ネットで信州ソバを売ることにしました。
大当たりして看板はおろさずにすんだ。
さらに、他県からたくさん人が来ているであろうホテルや観光スポッ
トに、ビラをおかせてもらうことにしました。
今まで、メインのお客さんは近所のおじさんおばさんだった。
今では、お客さんが日本中から来ることになったのです。
B屋さんが繁盛したおかげで、近所の八百屋さんも魚屋さんも割りば
し屋さんも注文が増えて大喜び。
これをマクロ経済的にいうと、B屋さんは知恵と努力によって
「消費を喚起した」。
つまり「消費を増やした」となります。
B屋さんの功績により
B屋さんネットとビラetcにより消費を増やす→ B屋さんの生産が増
える→ B屋さんの所得が増える → B屋さんの消費が増える→
日本国の生産が増える → 日本国の所得が増える →日本国の
消費が増える → 以下繰り返し
となります。
個人が節約するのは、ミクロの善でマクロの悪。
しかし、皆さまが知恵と努力により売上をジャンジャン増やすのは、
ミクロの善でありマクロの善でもあるのです。
ですから、自分でビジネスをされている方、会社員の方は、知恵を
しぼって製品を売りまくってください。
それが日本国の景気回復に役立ちます。
▼動機も大事
今のような時代になると、まずフォーカスしなければいけないのは、
「自分がサバイバルする」ことでしょう。
そのために大事なことは、「自分がコントロールできることに集中す
ること。
しかし、「自分がサバイバルするために売りまくっています」と自分
にいったとき、元気がでないのではないでしょうか?
なぜかというと、自分は自分の動機を知っている。
「自分は自分がサバイバルするために売りまくっている」
これは、自分中心の発想ですね。
とおりを歩いている女子高生でも誰でも、「あなたはどんな人がきら
いですか?」と聞いてみましょう。
大部分の女子高生は、「ジコチューな奴」と答えるでしょう。
そう、人間は誰でも自己中心的な人が好きになれない。
あなたは、ジコチューな行動をしているあなた自身を好きになれない。
同じ行動でも、動機により、出てくるパワーが違います。
「おれには守るべき妻と子供たちがいる。しっかり売るぞ!」
これは既に自己中心ではありません。
仕事をはじめる前に、愛する奥さんと子供たちの顔を思い浮かべ、
「お父さん、今日も1日がんばるからね」といえば、パワーが違いま
す。
さらに、「日本をよくするために、○○をするんだ」と思えば、さらに
意識は広がり、パワーが出てくるでしょう。
外国人に接するときでも、「この人は私をとおして日本を知ることに
なる。私は日本人の代表だ。思いきり親切にしてあげよう」と思え
ば、態度が変わります。
学校や塾の先生でも「給料日が待ち遠しい・・・」と思いながら教え
るのと、「俺の教え子たちが日本と世界を救うだろう」と考えながら
教えるのではパワーが違うでしょう。
吉田松陰の松下村塾は、わずか6年しか存在しませんでした。
しかし、松陰の弟子には、桂小五郎・高杉晋作・伊藤博文・山縣有
朋等々、日本史に名を残す偉人が続出しました。
なぜか?
松陰が学問を教える動機が違ったのでしょう。
「君たち、これをやっておけば将来食いっぱくれないぞ!」
とはいわなかった。
「君たち、日本を救う人間になりなさい!」
と教えた。
彼の祖国への愛は、辞世の句にあらわれています。
<身はたとい 武蔵の野辺に 朽ちぬとも
とどめおかまし 大和魂 >
(吉田松陰)
アメリカ発経済危機の影響が、日本に洪水のように襲いかかって
きます。
しかし私たちは、
1、変えられないことに一喜一憂せず
2、自分が変えられることに集中し
3、自分の仕事をさらに極め
4、「日本を変える!」と志を高くもち
今年を笑いながらこえていきましょう。
「ところで、『日本を救うのは○○○です』の答えはどうなっている
のですか?」
ああ、すいません。
忘れてました。
究極の秘密を皆さまにも教えてしまいましょう。
日本が救われるのは確定であります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして、日本を救うのは・・・
↓
あなた です。
(おわり)
★編集後記
もう一度、
あけましておめでとうございます!
新年を迎えるにあたって、皆さまに歌をプレゼントしましょう。
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは●なりけり」
(高杉晋作)
●=なんでしょう。
ちょっと考えてみてください。
解答例1
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 金 なりけり」
解答例2
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 愛 なりけり」
解答例3
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 女 なりけり」
考えました?
答えはこちら↓
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 心 なりけり」
~~~
(高杉晋作)
皆さまに楽しい一年を!
そして、すばらしい日本を!
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
Copyright (C) RPE Journal All Rights Reserved. 358
アドレス変更・解除は http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
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このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ ) 358
◎ロシア政治経済ジャーナル
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発行者の北野幸伯様に感謝。来訪者様に感謝。
2008年12月28日の私のブログで
北野幸伯先生の文章スタイルを紹介しました。
本日は、北野先生の主題の本文を紹介します。
紹介はここから。
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ロシア政治経済ジャーナル No.558
2009/1/5号
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はじめまして!RPE発行者北野です。RPEのモットーは、
1、わけのわからない世界情勢を世界一わかりやすく解説する。
2、でも、きれいごとは一切言わない。です。
世界の裏側で起こっていることを、あなただけにこっそりお教えします。
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起業家等々が内緒で読んでいる、秘伝のメルマガです。
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全世界のRPE読者の皆さま、
新年あけましておめでとうございます!
読者の皆さまとご家族の皆さまが、今年一年
健康で幸せで豊かでありますように!
今、祈りました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
RPEジャーナル
北野幸伯
世界はどうなるのか?
日本はどうなるのか?
しかし、マクロなことを書くと、「明るい今年」を描くことはなか
なか難しいのです。
新年一発目ということで、明るい話をしましょう。
日本を救うのは○○○ですという話。
本文を読む前に皆さまも考え、紙に解答を書いてみてください。
ヒント → 3文字です。
解答例1
日本を救うのは 山田優 です。
解答例2
日本を救うのは オバマ です。
解答例3
日本を救うのは エンヤ です。
解答例4
日本を救うのは ブッダ です。
さあ、皆さま解答を紙に書かれたようなので、本題にいきましょう。
▼危機に対する態度
経済には好景気と不景気があります。
そして、好景気か不景気かは数字できっちり出てきます。
09年、マクロ経済は「暗黒時代」に突入することでしょう。
ここで「09年日本経済はバラ色だ!」といえば、皆さまを欺くことに
なる。
このように「みんなが苦しい時代」、もっともよく見られる反応は
「自分の変えられないものに責任を押し付ける」
ことです。
今でいえば、
・アメリカ政府のせいで、世界中が不景気になった
・日本政府の無為無策のせいで、日本経済ボロボロだ
・社長のせいで、リストラの嵐だ
等々。
これ、全部そのとおりなんです。
全部真実なのです。
しかし、「アメリカ政府をあなたは変えることができない」というのも
また事実。
もし皆さまの中で、「アメリカ政府のせいで、日本政府のせいで俺
は不幸だ」と思っている人がいるのなら、
「アメリカ政府と日本政府が賢くなるまで、俺は不幸でいつづける
のか?」
と自問自答した方がいい。
サラリと書きましたが、こういう世界観・人生観は、人生に決定的
影響を与えます。
一つ例を書いておきましょう。
私は92~98年まで、反体制詩人レオノビッチさんの家にホームス
テイしていました。
おかげさまで、「インテリゲンツィヤ」といわれる「知識人階級」の人
々と接する機会が多かったのです。
彼らの多くは、「自由」と「民主主義」を切望していました。
彼らの論理は、「ソ連は共産主義だから、おれらは不幸だ。ソ連が
民主主義になれば、おれらは幸せになるだろう」。
そして、ついに夢がかなうときがきた。
そう、91年12月にソ連は崩壊。
自由民主主義の新生ロシアが誕生したのです。
しかし、経済改革の失敗で、年間2600%のハイパーインフレになっ
てしまった。
インテリゲンツィヤの人々は幸せになれたのでしょうか?
なれませんでした。
彼らの大部分は、民主主義をもたらしたエリツィンさんに幻滅して
しまいます。
そして、「エリツィンの民主主義は本物ではない、偽りの民主主義
だ。本物の民主主義がこないかぎり、俺達は幸せになれない」と
いいはじめたのです。
ソ連崩壊後の混乱期、インテリ層も一般のロシア人もとてつもない
苦しみを味わっていました。
そんな中、ある一群はすさましい勢いで富を蓄積していきました。
それが、ユダヤ系の人々。
彼らは、石油・鉄鋼・非鉄金属など主要部門を牛耳り、銀行をたち
あげ、巨富を築きました。
1997年までに、7人の新興財閥がロシアの富の50%を支配したとい
われています。
その7人とは、
1、ベレゾフスキー(クレムリンのゴッドファーザーと呼ばれた)
2、アブラモービッチ(英国サッカーチーム・チェルシーを買収した)
3、ホドロコフスキー(石油大手ユコス社長(当時)
4、グシンスキー(ロシアのメディア王(当時)
5、フリードマン(アルファグループ)
6、アヴェン(アルファグループ)
7、ポターニン(インターロスグループ)
このうち、1から6まではユダヤ系。
ポターニンだけはロシア人。
新興財閥ほどではないにしろ、共産時代と同じく豊かな生活をつづ
けた人々もいます。
それが、共産党のエリート。
「え”~~~なんで共産体制が崩壊したのに、共産党のエリートが
豊かに暮らしているのですか???」
疑問をもたれるのも当然でしょう。
共産党のエリートたちは、民主主義者に転向したのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、ソ連が崩壊した後、速攻で共産主義教を捨て去り、民主主
義教徒になった。
それでサバイバルしたのです。
ちなみにソ連のイデオロギーである共産主義・マルクス主義は、
唯物論・無神論です。
神様は存在しない。
神様が人間をつくったのではなく、人間が神様をつくった。
つまり、神様は人間のファンタジーの産物だと。
民主主義者になった元共産主義者のエリートたち。
最近はロシア正教が復活してきているので、なんといっているか。
「私は大昔から神様を信じていました!」(^▽^)
こういう人を見ると、私は「そんなわけないっしょ!」と思うのですが。
とにかく、
・今のロシアを牛耳っているのは、旧共産党のエリートたちである
・彼らはソ連崩壊後、一早く「民主主義者」になった
・彼らはソ連崩壊後、「神様を大昔から信じていた」と証言している
のが事実。
▼勝ち負けをわけるのは?
さて、インテリ・ユダヤ・共産党幹部の3者を見てきました。
インテリはソ連時代も不幸で、ソ連崩壊後も不幸。
ユダヤは、ソ連時代は不幸で、ソ連崩壊後幸せ。
共産党幹部は、ソ連時代も幸せ、ソ連崩壊後も幸せ。
いったいどうしてこういう差が出るのでしょうか?
皆さま、クリントンさんやトヨタの奥田さんも絶賛の歴史的名著
●「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー キングベアー出版
(詳細は→ http://tinyurl.com/928a9 )
を読まれたことがあるでしょうか?
ない方は、必ず読まれた方がいいと思います。
この本には、成功と幸せをゲットする7つの習慣が書かれているの
ですが、
第1の習慣は、「主体性を発揮する」です。
主体的な生き方の反対は、反応的生き方。
反応的生き方について、コヴィー博士はなんといっているか。
<反応的な人は、自分のコントロールできない事柄に集中すること
により、消極的なエネルギーを生み出し、影響の輪を縮める。>
(105p)
ロシアのインテリ層の関心は、「ソ連が共産主義か民主主義か?」
にありました。
これは、彼らがコントロールできない部分です。
ソ連崩壊後、彼らの関心は、「ロシアは真の民主主義か偽の民主
主義か?」に変わった。
しかし、これも彼らがコントロールできない部分。
つまり、彼らは「自分のコントロールできない部分にフォーカスする
ことで永遠に不幸でいつづける」ことになります。
なぜなら、政府や世界が自分の思い通りになることなど、ほとんど
ないから。
もし皆さまの中に、ニュースを見て日本政府や日本経済の現状に
一喜一憂している方がおられるなら、ロシアのインテリと同じ過ちを
犯していることになります。
(ただし、国政を正すためにブログやメルマガで情報を発信するの
は、「自分のできること」(=ブログ・メルマガを書く)にフォーカスし
ているので、「主体的」である。)
では、主体的な生き方の人は、反応的な人とどう違うのか。
<主体的な人は、自分のコントロールできる事柄に集中することに
より、積極的なエネルギーを生み出し、それによって影響の輪を拡
大する。>
(104p)
主体的な人は、自分のコントロールできないことよりも、自分のコン
トロールできることに集中している。
ユダヤ系の人々は、「ソ連が崩壊して大変だ大変だ!」とは考えな
かった。
逆に、「こういう混乱の時代に、大金を稼ぐ方法はなんだろう?」と
考えた。
共産党幹部は、「こういう混乱の時期に、権力にとどまるには民主
主義者になるしかない」と自分の信条をあっさり捨て去った。
こういう生き方を「汚い」と思う人もいるでしょう。
私もきれいな生き方とはいえないと思います。
しかし、ここで強調したいのは、「汚い」「きれい」ではなく、
大変な時代でも「自分のコントロールできる事柄に集中する」ことで
活路が開けるということなのです。
そういえば、北京オリンピック柔道金メダリスト石井さんは、
「勝つのは才能がある奴ではない、変化に対応できる奴だ」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とテレビで語っていました。
▼後半へ
=================================================================
▼後半
▼ミクロの善とマクロの悪
さて、経済危機下で「自分のコントロールできることに集中する」。
真っ先に思い浮かぶのは、「支出を減らし、倹約する」ことでしょう。
自分の支出は自分でコントロールできますから。
倹約することは、個人にとっての美徳であります。
これを「ミクロの善」という。
しかし、国家レベルでみると、個人個人が倹約に走ることは悪にな
る。
これを
ミクロの善 = マクロの悪
といいます。
なぜそうなるのか?
Aさんは今まで、月に40万円稼いで40万円使っていました。
しかし最近は、「不景気だ!」「不景気だ!」とみなが騒ぐので、「俺
も未来に備えて倹約するか」となった。
それで、月に40万円稼いで、30万円だけ使うことにした。
Aさんは月に資産が10万円づつ着実に増えていきます。(ミクロの
善)
これを国家レベルでみると、「Aさんの行動により、消費が月10万円
減少した」となる。
Aさんが消費を月10万円減らすと、日本国全体の売上が月10万円
減少します。
それで日本国では生産が月10万円減ることになる。
同時に所得が10万円減る。
このようにAさんのミクロの善が、日本国全体でみると、
Aさん消費減 → 生産減 → 所得減 → 日本国消費減 →
日本国生産減 → 日本国所得減 → 以下繰り返し
となる。
とはいえ、今のような時代「おれはお国のためにジャンジャン金をつ
かい消費するぞ!」という人はあまりいないでしょう。
ミクロの善は、個人にとっては正しいのです。
▼ミクロの善 = マクロの善になるケース
「個人の美徳が、日本経済に打撃を与えるなんて・・・」
「ミクロの善がマクロにも善になることはないのでしょうか?」
これはあります。
たとえば。
長野県にあるソバ屋さんがあります。
といってもソバオンリーではなく、ソバ+料理屋。
実際のケースですが、名前は仮にB屋としましょう。
バブル崩壊後、B屋の経営は悪化する一方でした。
同業もどんどん減っていきます。
奥さんは近所に買い物に行くと、「いつまでもつことやら・・・」などと
愚痴をこぼすのが日課になっていました。
転機は2000年に訪れます。
当時、状況は深刻で「年内に看板を下ろそう」と思っていたのです。
奥さんは、ネットで知り合った他県の人々とチャットをしていました。
すると他県の人々はいうのです。
「信州ソバっておいしいですよね~。毎日食べられてうらやましい!」
「私も信州ソバ食べたい!」
奥さんは初めて、「他県民の目から長野のソバ屋がどう見られてい
るのか」を自覚したのでした。
今までのアイデンティティーは「(普通の)おいしいソバ屋」。
それが、「日本一おいしい信州ソバ屋」に意識がトランスフォームし
たのです。
B屋さんは、ネットで信州ソバを売ることにしました。
大当たりして看板はおろさずにすんだ。
さらに、他県からたくさん人が来ているであろうホテルや観光スポッ
トに、ビラをおかせてもらうことにしました。
今まで、メインのお客さんは近所のおじさんおばさんだった。
今では、お客さんが日本中から来ることになったのです。
B屋さんが繁盛したおかげで、近所の八百屋さんも魚屋さんも割りば
し屋さんも注文が増えて大喜び。
これをマクロ経済的にいうと、B屋さんは知恵と努力によって
「消費を喚起した」。
つまり「消費を増やした」となります。
B屋さんの功績により
B屋さんネットとビラetcにより消費を増やす→ B屋さんの生産が増
える→ B屋さんの所得が増える → B屋さんの消費が増える→
日本国の生産が増える → 日本国の所得が増える →日本国の
消費が増える → 以下繰り返し
となります。
個人が節約するのは、ミクロの善でマクロの悪。
しかし、皆さまが知恵と努力により売上をジャンジャン増やすのは、
ミクロの善でありマクロの善でもあるのです。
ですから、自分でビジネスをされている方、会社員の方は、知恵を
しぼって製品を売りまくってください。
それが日本国の景気回復に役立ちます。
▼動機も大事
今のような時代になると、まずフォーカスしなければいけないのは、
「自分がサバイバルする」ことでしょう。
そのために大事なことは、「自分がコントロールできることに集中す
ること。
しかし、「自分がサバイバルするために売りまくっています」と自分
にいったとき、元気がでないのではないでしょうか?
なぜかというと、自分は自分の動機を知っている。
「自分は自分がサバイバルするために売りまくっている」
これは、自分中心の発想ですね。
とおりを歩いている女子高生でも誰でも、「あなたはどんな人がきら
いですか?」と聞いてみましょう。
大部分の女子高生は、「ジコチューな奴」と答えるでしょう。
そう、人間は誰でも自己中心的な人が好きになれない。
あなたは、ジコチューな行動をしているあなた自身を好きになれない。
同じ行動でも、動機により、出てくるパワーが違います。
「おれには守るべき妻と子供たちがいる。しっかり売るぞ!」
これは既に自己中心ではありません。
仕事をはじめる前に、愛する奥さんと子供たちの顔を思い浮かべ、
「お父さん、今日も1日がんばるからね」といえば、パワーが違いま
す。
さらに、「日本をよくするために、○○をするんだ」と思えば、さらに
意識は広がり、パワーが出てくるでしょう。
外国人に接するときでも、「この人は私をとおして日本を知ることに
なる。私は日本人の代表だ。思いきり親切にしてあげよう」と思え
ば、態度が変わります。
学校や塾の先生でも「給料日が待ち遠しい・・・」と思いながら教え
るのと、「俺の教え子たちが日本と世界を救うだろう」と考えながら
教えるのではパワーが違うでしょう。
吉田松陰の松下村塾は、わずか6年しか存在しませんでした。
しかし、松陰の弟子には、桂小五郎・高杉晋作・伊藤博文・山縣有
朋等々、日本史に名を残す偉人が続出しました。
なぜか?
松陰が学問を教える動機が違ったのでしょう。
「君たち、これをやっておけば将来食いっぱくれないぞ!」
とはいわなかった。
「君たち、日本を救う人間になりなさい!」
と教えた。
彼の祖国への愛は、辞世の句にあらわれています。
<身はたとい 武蔵の野辺に 朽ちぬとも
とどめおかまし 大和魂 >
(吉田松陰)
アメリカ発経済危機の影響が、日本に洪水のように襲いかかって
きます。
しかし私たちは、
1、変えられないことに一喜一憂せず
2、自分が変えられることに集中し
3、自分の仕事をさらに極め
4、「日本を変える!」と志を高くもち
今年を笑いながらこえていきましょう。
「ところで、『日本を救うのは○○○です』の答えはどうなっている
のですか?」
ああ、すいません。
忘れてました。
究極の秘密を皆さまにも教えてしまいましょう。
日本が救われるのは確定であります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そして、日本を救うのは・・・
↓
あなた です。
(おわり)
★編集後記
もう一度、
あけましておめでとうございます!
新年を迎えるにあたって、皆さまに歌をプレゼントしましょう。
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは●なりけり」
(高杉晋作)
●=なんでしょう。
ちょっと考えてみてください。
解答例1
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 金 なりけり」
解答例2
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 愛 なりけり」
解答例3
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 女 なりけり」
考えました?
答えはこちら↓
「面白きことも無き世を面白く、住みなすものは 心 なりけり」
~~~
(高杉晋作)
皆さまに楽しい一年を!
そして、すばらしい日本を!
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