ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「ネット右翼になった父」 ネット右翼に限らない

2023-03-21 | 読書日記

「ネット右翼になった父」(鈴木大介著2023年1月 講談社現代新書)

 

家族が、友人が、尊敬する人が
あやしいネット右翼になったら……
そんなことは起こるはずがない
ではない
のかもしれない
ちょっとためらったけど
読んでみました。

著者は鈴木大介。
ガンで亡くなったお父さんは
会社を退職してから
海外へ語学留学をしたり
ボランティアで子どもたちに遊びを教えたり
パソコン教室を開いたり
……
決して凝り固まるような人生ではなかったはずなのに
晩年は
(保守系を名乗る学者が嫌悪するような)
右寄りの雑誌を購読したり
右傾の動画を視聴したりするようになっていた。

著者は、それを激しく嫌悪し
通院の付き添いをしながらも
心は離れていた。

なぜ著者のお父さんは右傾化していったのか?
(親族や友人が右傾化しているという悩みを持つ人は
意外に多いらしい)
著者は母や姉、姪、叔父への聞き取りをし
父の親友にも会い…
というルポライターらしい調査を始める。

生活保護者は甘えているという発言
母を前にしての女性蔑視発言
離婚した姉にシングルマザーは好きで選んだ道と言ったり
LGBTQへの嫌悪感をあらわにしたり
中国、韓国、欧米を嫌う発言をしたり

やがて、著者が得た結論は
(痛い)
……

2年半経っての到達点は
また年月が経つと
変わるかもしれないなぁ
と思いました。

 

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