ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「ストーンヘンジ」 美しい写真も

2023-03-26 | 読書日記

「ストーンヘンジ」(山田英春著 2023年1月 筑摩書房刊)を読みました。

肩書はブックデザイナーという著者
長年古代遺跡と先史時代の壁画を写真に撮ってきた。
その写真をたっぷり使った
(素晴らしい写真ばかり)
今、一番新しいストーンヘンジ本です。

ストーンヘンジは
何のために造られたのか?
の謎はいまだに解かれていない。

造られたのは紀元前3000年から
およそ1000年の間
いろいろに手を加えられて来た。

石器時代なので
巨石を削った道具は石器。
上に石が載っていないブルーストーンという石は
(重さは1〜3トン)
200km以上も離れたところから運ばれて来た。
(60個以上)

三石塔という大きな石は
高さが6〜7mもあり
上に屋根のように載っている石にはほぞまで作られている。

最近(2006年)の研究によれば
ストーンヘンジを作った人たちの子孫は
もういないというのだ。
(ネアンデルタールのように)

ストーンヘンジのつかいみちとしては
冬至の光が入る隧道があるから
天文台的なものだという説
集会所だったという説
(実際に何百頭もの牛が屠られた跡がある)
墓だったという説
(身分の高い人が埋葬されたという痕跡はない)
「社会がピンチだったからこそ
それまでの血縁や氏族といった集団を超える規模の結びつき
が求められ
帰属意識を喚起するための施設が造られた」(ピアソン)
という説もある。
指導者の権威が揺らぐときなどに
しばしばそういうことはある(リチャーズ)のだそうだ。

この後
青銅器文化とビーカー人(底がビーカーのように平らな土器を使っていた)
がフランス側から渡って来たらしい。

写真が小さいのが惜しまれます。
著者は2006年に大型本を出しているというので
そちらも見てみようと思います。

 

コメント    この記事についてブログを書く
« 「ネット右翼になった父」 ... | トップ | 「文学は予言する」 現在が... »

コメントを投稿