ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「差し出し方の教室」 城崎温泉が面白い

2023-05-02 | 読書日記

「差し出し方の教室」(幅允孝著 2023年1月 弘文堂刊)を読みました。

 

著者はブックディレクターとして活動している幅允孝(はば よしたか)。

差し出したものを受け取ってもらうのは難しい。
著者の場合はそれが「本」
自分が書いたのではない「本」を
選書して
並べる
それを手に取ってもらえるかどうか
読書離れが言われている現代で……

面白かったのは城崎温泉の話。
(もちろん幅さんも関わっている)
志賀直哉の「城崎にて」で知られている(?)城崎温泉
志賀直哉の城崎訪問100年を迎えて
町起こしのために仕掛けたのは
作家の万城目学に本を書いてもらって(「城崎裁判」)
それを城崎温泉の旅館や土産物屋で売ること。
(他では買えないし、通販もしていない)
カバーは温泉タオル
防水本なので温泉に入りながら読める。
最初はこの企画に半信半疑だった旅館や土産物屋も
お客さんから
「城崎裁判ください」
と言われて10冊、20冊と仕入れてくれるようになった。
遠くから、わざわざこの本を買うために
城崎に来る人も増えてきた。
今では売り上げは2万部を超えている。
さらに
2冊目は湊かなえだというから驚く。
(ブックカバーはカニの触感にしてある)

元気が出るエピソードでした。

コメント    この記事についてブログを書く
« 「グレイス・イヤー 少女た... | トップ | 「ミライの源氏物語」  »

コメントを投稿