里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

センボンヤリ 丘陵地の林道

2021-05-01 | 日記

一関市花泉町日形地区北部、丘陵上の農道をゆるやかに下って行くと杉林に入って行き、
その入口近くの路肩に、小さな白花が咲いています。
これはキク科のセンボンヤリですね。あたりの路肩には十数株生えていて、それぞれ花茎
を立てて1個の頭花を咲かせていますが、その舌状花の一部が欠落したような咲き方をし
ています。どの花を見ても同様に欠落しているので、雨風で落ちたのではなく、このよう
な咲き方をするのでしょう。

                              二枚とも2021.4.28撮影

センボンヤリは、春と秋に二度花を咲かせる植物です。
春は上の写真のような頭花を1~2本咲かせますが、秋の花は筒状花だけからなる閉鎖花
で、総苞片で包まれたツボミのような形のまま、中で自家受粉し結実します。
この閉鎖花を一株で2~6本立てるため、その様子が大名行列の槍のようだとして、千本
槍と呼ばれたようです。

                                  2021.4.28撮影

キク科センボンヤリ属の多年草で、日本全土に分布する。春の花茎の丈は5~20cm、秋の
花茎の丈は30~60cm。丘陵~低山の日向~半日陰の草地や林縁などに自生する。
葉は根生しロゼット状に広がる。葉身は卵形で縁には欠刻があり、裏面には白いクモ毛が密
生する。夏の葉は10cm以上になり、長楕円形で羽状に深裂する。裏面はほぼ無毛。
春の花期は4〜6月、ロゼット状の葉の間から高さ5~15cmの花茎を伸ばし、直径1.5cmほ
どで1列の舌状花と中心部の筒状花からなる頭花をつける。 舌状花は白色で裏面は紫色を帯
び、先に3歯があり、舌状部の基部には小さい2裂片がある。
秋の花期は9〜11月、高さ30〜60cmの花茎を伸ばし、先端に閉鎖花を1個つける。閉鎖花は
筒状花だけからなり、長さ1.5cmほどの総苞に包まれたまま中で自家受粉し結実する。
果実は痩果で長さ6mm、冠毛は長さ1~1.2cmで淡褐色。



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