癌で亡くなった著者の遺作ホラーサスペンス。北アルプス漆沢渓谷。麓に続く道で土砂崩れが起き、登山客らはホテルと山荘に閉じ込められた。子どもを亡くした過去を持つ夫婦、出動要請を受けたヘリコプター、山を知り尽くした男たち等の前に。虫や鳥が大量発生、幽霊が目撃される中、ついに死者が発見された。やがて明らかになる秘められた陰惨な暗い過去が、さらなる怪異を呼び起こすのだった。
自然開発、在日韓国人への差別、亡くした子へのやり切れない思い、夫婦の亀裂。どれもが伏線となり、次々と発生する怪奇現象、笑う少女、絶滅した筈の未知の動物の来襲、土石流、立て続けに起きる殺人事件。
想像力を掻きてない表現が多くあまり「怖い」と感じる暇がない展開で読みすすめると登場人物が次々と亡くなりめちゃくちゃな感じでどう収束するんだろうという心配な感じが強くどん疲労感が増す感じで終わってしまった。ワープロに残された未完の遺作の感じが濃く残念だった。
2013年2月角川書店
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます