読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

平山瑞穂著「ルドヴィカがいる」

2013-06-09 | は行
この5年間ヒット作もなく、書き下ろし作品を執筆しても出版の見通しが微妙な小説家・伊豆浜亮平は、女性誌でライター稼業をして食いつないでいた。
フリーライターとしてストラスブール在住の日本人天才ピアニスト荻須晶に取材したのをきっかけに、軽井沢にある晶の別荘に招かれた。
人付き合いが苦手で、一人でその招待を受けるのを逡巡した伊豆浜は、気心の知れた女友達白石もえを同行することにする。
軽井沢の別荘には、荻須の姉と管理人兼執事のカサギが住んでいた。
到着したその日、別荘近くを散策中にこの世の者とは思えない女性と遭遇する。
彼女は言った「社宅にヒきに行っている人とその恋人の方ですね。ラクゴはミています」。
だめだ、まるで意味がわからない――。
森の中を一人でさまよい、独特の話法で言葉を操る彼女との出会いから、やがて小説家は執筆中の作品にも似た“もうひとつの世界”に迷い込んでゆくことに。
言葉の迷宮に誘い込まれ迷宮の果てで見たものは虚構か、現実なのか。
前半は面白いいろんなエピソード伏線が興味深く引き込まれるのだが後半、すべての膨らんだ期待や興味がリアル感無視の奇想天外な出来事で終焉を向かえる。
なんとも未消化なこれが超感覚ミステリーなのか不満の残る読後感だった。
聞き慣れない「ルドヴィカ」はショパンの姉の名前らしい。
2013年3月小学館刊

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