新聞の切り抜き記事「3歳児衰弱死母親田中光子のネグレクトが原因」
で始まる物語。
しかし、物語はフリーのルポライターが未解決の
「都内で幼い子供二人を含む田向一家4人惨殺事件」の物盗りの犯行か、
怨恨か原因追求を様々な友人たちが一人称で語って聞かせる形式で進められる。
途中何度か女性の幼児の過去体験からの回想が挿入されてそれが誰の
回想なのかは最後まで不明のまますすめられる。
最後は意外なラスト落ちが用意されていて面白い。
顔の見えない被害者や真犯人の存在が不気味です。
『人間という生き物は、こんなにも愚かで、哀しい。
数多くのエピソードを通して浮かび上がる、
人間たちの愚行のカタログ』著者紹介分より
2006年 東京創元社刊
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