読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

桐野夏生著「路上のⅩ」

2019-03-25 | 桐野夏生

親が夜逃げし親戚の家で肩身の狭い思いをして暮らす女子高生16歳の真由。内緒で渋谷のラーメン屋でバイトの中でそこのチーフにレイプされる。そこからネットカフェで似たような境遇の女子高生リオナと出会い・・・。貧困女性、困窮女性、子ども達。幸せな日常を断ち切られ、親に棄てられた女子高生たち。ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。かけがえのない魂をいためながらも、真由・リオナ・ミトの三人の少女は酷薄な大人たちの世界をしなやかに踏み越えていく。好きでそんなふうに生きているわけではないのに、社会の目は冷たく、ただモノのように扱われる彼女たち。そんな環境の中で彼女たちは学び、一日一日をやり過ごしている。最悪な現実と格闘する女子高生たちの肉声を描いた物語。

転落の予想が容易に予想出来、行動が危かしくて読み進めるのが辛かった。弱いものを喰い物にする大人・男たち、裏切り、警察や児童相談所も当てにならない現実に読後感もスッキリしなかったが読みごたえはあった。両親の失踪理由は意外だった。

20182月朝日新聞出版刊


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