読書備忘録

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笹本稜平著「指揮権発動」

2019-03-22 | さ行

ODAの仕事で滞在するコンサルタント会社の社員三宅他2人の日本人が殺された。東京地方検察庁特別捜査部検事の芦名誠一は、アフガニスタンで起きたこの邦人殺害事件の背後に日本の政権与党の大物政治家が絡んでいるとの情報を元に密命得て首都カブールの現地に赴く。合わせて、捜査一課の中原と公安の沢木警部も現地入りし捜査に協力することに。カブールの地元警察はテロだというが、芦名たちは被害者を狙った殺人事件だと推察し捜査を進める。

自爆テロが頻繁に起き不安定なアフガニスタン情勢、政府に敵対するタリバーン勢力、アメリカCIAの関与までが疑われる中、日本政府を揺るがすODA(政府発援助)絡みの裏金システムの存在が浮かび上がり与党政権からの圧力も考えられて、現地に滞在するUFP通信社の記者北島や日本のマルサの協力も得て、検察に対する法務大臣よる指揮権が発動される前に真犯人を上げて真実を解明すべく奔走する。

莫大なODA予算を巡る裏金疑惑にメスを入れた壮大なミステリー小説になっているがいまだ紛争地の感がるアフガンでの捜査に展開が遅く読み進めるのにイライラしたが後半は指揮権発動との駆け引きで面白かった。

20191KADOKAWA


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