映画「歪屋」（ひずみや）

監督・脚本・演出　森　零　2009年　「円頓寺活動写真プロジェクト」日本自主制作SF映画。
命と引き換えに願いを聞き入れる現代の仕事人が、過去や未来を時限時計というタイムマシンを使って行き来して様々な事件に遭遇する冒険劇。
15世紀から30世紀へ行ったり来たり、カラーとモノクロ撮りの画面、名古屋の城下町風情が残る景色を舞台に着物姿の役者が躍動する不思議な物語。
感情移入も登場人物の役ところも理解する間もなくバタバタと終ってしまった。

森監督は、『人間が不死となって時代を自由に行き来できる未来と戦国時代や江戸時代を対比させて、命の重さを描きかった。
映画制作の側からは「一度で理解できる」この概念が定着していて、観る側は「わかった。 次」これが映像を消費するというリズムを加速している気がします。
私はこの
事に深い疑問と嫌悪感を抱き、音楽がヒトの脳にイメージを生み出すように映像がヒトの脳に思考を生み出せないものか、何度も観ていただける、対話できる作品。
作品そのものの直接イメージを共有しながら、観た者がそれぞれ空想上の間接イメージを加え、脳の中で完成する物語を作ろう。
アクションとリビドーとユーモアこの三元素を含みながら、不偏的テーマを
削除したどのジャンルにも当てはまらない活劇。
物語の必須条件である因果応報を成立させる「時間」という概念を除外した上で時間の物語を編む。こうして生まれたのが、非論理的冒険活劇「歪屋」です。』
まさに監督の製作意図通り、理解不能、製作者達が楽しんでいるという雰囲気だけは伝わってきた。
2回３回は見直さないと理解出来ないのかもしれない不思議な映画でした。