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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

大沢在昌著 「狼花 新宿鮫Ⅸ 」

2007-12-03 | 大沢在昌
鮫島が帰ってきた・・・新宿鮫シリーズ最新作
著者からの内容紹介文:
「理想を頭にもたない警察官など、ただの権力者だ。
俺たちが何のためにこれだけの権限を与えられているか、
一日も忘れてはいけないんだ」理想と現実のはざまで、
なお、求めつづける「正義」とは何か? 男の信念と絶望、
女の愛と靭さ、国境を越えた個人と国家権力……
さまざまな角度から日本を、現代社会を、「われわれ」を、
深く鮮烈に描き出す渾身の傑作長編。
前作でも登場した、祖国日本を捨てた国際犯罪者・仙田。
外国人犯罪を撲滅するため、ヤクザと手を組もうとする
エリート警官・香田。
どん底から富と愛や全てを手に入れようとする不法滞在の
中国人女性・呉明蘭。
自ら退路を断ち命を賭けて突き進む男女の思惑と野望が交差し一気に
発火点に到達した時、刑事・鮫島が選択した「究極の決断」とは?
理想と現実、信念と絶望、個人と社会、正義の意味、
そしてこの国日本のありよう将来が、スピーディな展開
ともに読み人に問いかける。
一気に読める面白いストーリーで今の日本の多発する外国人犯罪
の現状を捉えていて考えさせられる。
  2006 年 光文社刊1600円  
☆☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆ ☆


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大沢在昌(著)「影絵の騎士」

2007-10-31 | 大沢在昌
近未来ハードボイルド・アクション小説。
題名の影絵とは映画のこと。
舞台はそう遠くない将来の東京。
外国人や混血児がたむろする地域がスラム化し「B・D・T」と呼ばれて、
東京は徐々にむしばまれていた。
やがて原子力発電所の建設稼動とともに新東京として
何とか再生をされるようになったが、社会は「ネットワーク」と呼ばれる
三大テレビネットワークに支配され、あらゆる産業をも牛耳るまでに
発展を遂げていた。
都内で連続殺人が発生、番組を通じての連続予告殺人が横行し、
世間の関心を集め犯罪報道番組は高視聴率を上げていた。
事件の背後に謎のグループ「フィックス」の関与の情報を得た
私立探偵のケンは、日本版ハリウッドともいうべき
「ムービー・アイランド」という人工島に単身乗り込む。・・・

近未来日本の現状とその歴史、物語の背景に説明部分が多くあり
うっとうしい分物語の展開のスピードがそがれて楽しみが半減するのが残念。
しかし、アウトローで頭が良くて強いヒロイン「ケン」の活躍と彼に対する
感情移入は容易に出来る。事件の背後にいる黒幕をあばく謎解きミステリー、
スリル感アクションはいつもの大沢ワールド。
著者の女優論、映画論が小説の中で語られ興味深い。
『女優にとって大切なことは美しさじゃない。美しさはただの外箱に過ぎない。
内側からにじみでるもので勝負したい』(文中より)





2007年6月集英社刊 1,890円
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大沢在昌著「Kの日々」

2007-09-27 | 大沢在昌
消えた 8000万の身代金、金とともに消えた実行犯
中国人の李は死体となって東京湾に浮き、李の残された恋人、
事件の鍵を握る謎の女性「K」こと 元山京。
事件から3年、彼女は死んだ男を想い続ける聖女か、
それとも金を横取りした悪女か?
暴力団・丸山組の二代目、わけ有り「廃棄物処理業者」畑吹産業
の二代目カズオ、金に汚い四谷署の刑事・鬼塚などが絡んで、
話は混沌としていきます。
男と女ってこうやって恋に落ちるのでしょうか・・・
「K」に恋した・・・元刑事で今は裏社会の探偵「木」が、
闇に葬られた誘拐事件の真相を追う。
大沢ワールド全開各所に張り巡らされたトリック・・・はたして真相は、
恋の行方は?

エンターテーメント大沢作品、面白い!
一気読みしました。
でも、前半途中から重要トリックが 解ってしまいました。
しかし、さすが厭きさせない展開で・・・
死体「廃棄物処理業者」のカズオの心理が理解出来ませんでした。

2006年双葉社刊☆☆
週刊「大衆」に連載されたものの単行本化されたもの。
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大沢在昌著「魔女の笑窪」

2007-09-07 | 大沢在昌

美人女性が主人公のハードボイルドサスペンス。
東京で男の嗜好を見破る技術などを武器に、風俗、やくざがらみの
トラブルを解決する裏稼業のコンサルタントをする魔女・水原。彼女は、
掟破りの島抜けをしたという、誰にも言えない過去を引きずりながら生きていた。
迫り来る「地獄島の番人」との死闘。後半明らかになる「島とは何か?」
味方はお抱え運転手 の木崎と元警官でオカマの私立探偵星川、
東京裏社会を舞台に必死の攻防劇。
1998年 『オール読物』で連載をはじめ2005年までの10編を単行本化。
強くて弱い女の、現実離れしていそうなストーリー設定ではあるが
ストーリーも背景も展開もはやくて面白くて一気読ませます。
文藝春秋 2006年1月刊 1550円  
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