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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

堂場瞬一著「灰の旋律」

2009-07-20 | 堂場瞬一
私立探偵ハード・ボイルド真崎薫シリーズ
『過去に学び、今を見つめ直すことで、人は未来を変えられるだろうか』・・・(帯・キャッチ)。
探偵事務所の看板を掲げたものの、相変わらず閑をもて余す真崎薫のもとに、レコード会社の中山秋穂が音楽プロデューサーの矢吹調を捜して欲しいと訪ねてくる。
矢吹は、若手バンドのアルバム・プロデュースを依頼されていたのだが、レコーディングが始まる直前に姿を消してしまう。
真崎が追う酔いどれの音楽プロデューサーに、失踪したギタリスト。かつて一世を風靡したロッカーたちを切り裂く一発の銃声。
横浜の街を舞台に音楽業界の闇に迫る。
話しの展開が遅くダラダラと著者の独りよがりともいえる音楽・車・料理・ファッションのこだわりが述べられて読み進めるのに苦労した。
シリーズを読んでいても主人公と矢吹以外の登場人物の説明が不足しているためミステリーの驚きも結末の意味も理解できなかった。
駄作の烙印は否めません。
2009年6月 PHP研究所刊 1680円
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堂場 瞬一著「ミス・ジャッジ 」 

2009-03-26 | 堂場瞬一
高校と大学時代野球で先輩後輩でライバル同士だった二人。
今年からボストン・レッドソックスの一員となった日本人投手橘由樹と肩を壊し、
逃げるように海を渡ってアメリカでメジャー初の日本人大リーグ審判員
となった竹本。二人の確執を描くベースボール小説。
チームリーダーとしてチームを引っ張るエースや、激情型監督、初めての
米国生活に戸惑い慣れない食事や言葉の壁に戸惑う橘を支えるMLB通の元スチュワーデス妻。
敏腕代理人や通訳、日本人特派員など主人公の二人をとりまく脇役たちが小説を盛り上げる。
大リーグメジャーデビュー登板する開幕戦、大観衆の見守るなか、
竹本が主審を務めるヤンキース対レッドソックスの激闘が開始される。
ワクワク感一杯の野球サスペンス。
2006年 実業之日本社 刊
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堂場瞬一著「断絶」

2009-03-24 | 堂場瞬一
閉塞感漂う地方都市・汐灘に、全てを捧げた代議士・剱持隆太郎。
息子の一郎か現知事の花輪か、激化する後継者争いの中、発見された身元不明の女性の遺体。
自殺か他殺か?刑事の石神謙と坂東が捜査を進める中、突然県警上層部から捜査打ち切りの指示が出る。
何かきな臭い臭いを感じた二人は指示を無視して休日や夜間を利用して捜査を
継続する。
一方剱持の後継争いも新たな候補の擁立が顕在化してマスコミや対立政党なども絡んで混乱の様相を呈する。
やがて剱持と石神の二人の運命が交錯する時がやってくるが・・・。
人間として、最後まで守らなければならないのは、何か? 正義とは?
悪とは?
政治の権力争いの裏側と殺人ミステリーを描いたた心理サスペンス。
「家族を作るのは血ではありません。環境です。」(366ページ)

2008年12月 中央公論新社刊
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堂場 瞬一 著「約束の河 」

2009-03-23 | 堂場瞬一
ドラッグの薬物中毒治療の途中で病院を逃げ出して家に戻った北見貴秋は、
幼馴染みの片腕作家・今川が謎の死を遂げたことを知る。
自殺か他殺か事故か・・・残された「業火」と題された今川の第二作の下書きは
小学校時代のある事件を思い出させ、ドラッグに関する物語が書かれていた・・・。
北見のドラッグによって失われた記憶の中、真実を探すつらい心の旅がはじまる・・・。
ドラッグを求める自分と排除する自分「心の葛藤」の心理描写が上手い。
しかし、事件の真相の予想は読んでいて途中で解ってしまったもう一捻り欲しかった感がある。
2005年 中央公論新社 刊
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堂場舜一著「チーム Pick-up Team」 

2009-01-31 | 堂場瞬一
正月の2日TVでまた見てしまう箱根駅伝。
母校代表としての箱根駅伝出場を逃した「敗れた強者」たちで構成される、
<学連選抜>チームが挑む二日間、東京~箱根間往復217.9kmの苦闘と激走を描いた駅伝小説!
「誰のために、何を背負って、俺たちは襷をつなぐのか」スポーツ根性小説。
主人公は学連選抜のメンバーに選ばれた寄せ集めチームのキャプテンを任された浦大地。
同じく監督生活最後の年に惜しくも、第11位で出場を逃した大学の監督が
混成チームを率いることになった吉池幸三監督やコーチや裏方達の其々の視点でも語られる。
駅伝競技の臨場感、走るスピード感、爽快感、息苦しさ、勝負の駆け引き、
観衆の応援、陸上競技の喜び楽しさが鮮やかに描かれている。
日本独自の団体競技駅伝の舞台裏、不思議な魅力がタップリと描かれている。
選手たちのキャラクターの心理描写も特長もきっちり描かれ感情移入しやすい。
天才ランナーの山城とメンバーとのスタンツの違いも面白い。
最近涙もろくなりこの本では何度も感動がこみ上げてきてテッシュが必要だった。
2008年10月 実業之日本社刊
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堂場瞬一著「熱 欲 」

2008-12-08 | 堂場瞬一
生活保安課刑事 鳴沢了 の活躍を描く警察小説。
不景気で将来に不安を持つ年金生活者や僅かな資産を持つ人たちのお金を
言葉巧みに低金利におかれた現状を使って高配当を謳ったマルチ商法の会社の
内部告発を捜査するうち被害者は加害者でもある現実を鋭く描く推理小説です。
今の日本を象徴するかの事件に地道な捜査を開始する鳴沢。
鳴沢自身の恋心も含めて楽しめる物語です。
2003年 中央公論社 刊
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堂場 瞬一 著「天空の祝宴」

2008-11-22 | 堂場瞬一
主人公は岩本空(そら)は元フリークライマー。
世界各地を転戦して大会に出場し、ヨセミテなどでフリークライミングに挑んでいたのだ。
クライミングのライバルで、親友でもあった江藤が、ヨセミテの巨大一枚岩「ザ・ウォール」攻略中に転落死して以来今は競技の第一線から退き、義父の店でフリークライミングの教室を手伝う身。
ある日、江藤の妻・夏海が突然訪ねて来て、一周忌を前に遺品を整理し始めたら、江藤の日記が見つかったというのだ。
それには、今まで誰も成功していない「ザ・ウォール」の登攀成功にかける江藤の若い頃からの熱い思いが綴られていたが、何故突然家族にも告げずに「ザ・ウォール」に挑んで死んだのかの答えを得るために当時の現場にいた長尾を問い詰めるが
確かな返事は得れなかった。
友の思いをなぞる為、自らもフリークライミングの恐怖を克服する為「ザ・ウォール」に挑戦することに・・・。
孤高のアーティストとも言えるスポーツ、フリークライミングの男たちを熱い情熱描いたクライミング・サスペンス小説。
フリークライミングをやったことのない者には細かな記述や危険性がくどいようで
緊張感はよく伝わってくるのだが命を掛けての理解はしがたい。
最後に明らかになる死因の原因も意外性がなかったが珍しいフリークライミングとしてのスポーツ小説としては興味深い。
2008年9月 PHP研究所刊
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堂場瞬一著「青の懺悔」

2008-10-28 | 堂場瞬一
恋人の為、 神奈川県警を去り横浜で私立探偵事務所の看板を掲げた真崎薫の
もとに、高校時代の友人でスポーツ選手の代理人をやっている・長坂秀郎が現れる。
それから数日後、再び長坂が高校時代の仲間であり、プロ入りした野球選手で、
FA権を取得後、メジャーへ挑戦したが思うような成績は残せず、
2年で日本に戻り、元のチームでプレーすることになった結城を伴って真崎の元を訪れる。
憔悴した様子の結城は、息子・翔也が誘拐されたと真崎に打ち明けるのだった。・・・
警察に秘密に犯人とやり取りすることに納得性が欠けるし、
冒頭の登場人物説明覧で大体の犯人が想像できたし当に途中で犯人が
わかってしまいました。動機と真の犯行目的位しか興味がない展開で
裏稼業の存在もあやふやでもう一つでした。  
2008年5月 PHP研究所刊 


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堂場舜一著「8年」

2008-03-04 | 堂場瞬一
2000年第13回小説すばる新人賞受賞作
主人公は投手の藤原雄大。オリンピックで華々しい活躍をしたのにプロ入り
しなかったのは、ある理由から野球を捨ててしまったのだ。
8年後、30歳を過ぎた彼は、突然、ニューヨークのメジャー球団に入団する。
あの男ともう一度対戦したい!その悲願のためだけに。
一度は諦めた夢を実現するため、挑戦する男の生き様を描いた作品です。
入団したのはあらたにMLBに参入したフリーバーズ。
そこに30歳を過ぎたノンプロの藤原がチャレンジしたのは、ソウル五輪で
完璧なホームランを打たれたヘルナンデスにリベンジするためだった。
8年後のいま、すべてを投げうってこの地に挑戦しにきていた。
さらに藤原と同時に、超高校級のスラッガー常盤も入団していた。
その並外れたパワーから量産されるホームランは、メジャー昇格間違い
ないはずだったのだが、その裏には乗り越えなければならない難題があった。

大リーグへ挑戦! 自分の夢を実現するため、チャレンジする
男の生き様を描くミステリー製のあるスポーツ小説。
この本の登場の人物や会社はあの実在の・・がモデルだろうと想像しながら
楽しく読めました。

2001年1月集英社刊・ 集英社文庫版
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堂場 瞬一 著「蒼の悔恨」 

2007-08-28 | 堂場瞬一
☆☆ ☆ ☆☆☆ ☆ ☆
神奈川県警捜査一課・真崎薫の孤独な戦いを描いた
ハードボイルド・エンタテインメント小説。
ナイフで背後から首を一刺し連続殺人犯・青井猛郎を追い詰めた
真崎だったが、コンビを組んだ女性刑事赤澤奈津をかばった一瞬
の隙をつかれ深手を負い青井の逃走を許してしまう。
手がかりのないまま一カ月が経ち、退院した真崎は、
捜査に復帰を願うも、担当からははずされており、休暇を命じられる。
汚名挽回と、傷の癒えないまま独自に捜査を開始した真崎だったが
協力者が殺され......。
やがて真崎、赤澤、青井、三人のそれぞれの過去が明らかになるにつれ、
複雑に絡み合った事件の真相も明らかになっていく。
この本のテーマは人間にとって「過去」とは、
その人が生きていくうえでどんな意味を持つのか?
「過去」を「過去」として受入れることはできるのだろうか?
現役刑事が???
設定がフィクションにしても無理がありそうでリアル欠如は否めないが
それなりに緊迫感ある早い展開。
文中の息抜き場面の真崎刑事の男の手料理の蘊蓄が楽しい。

2007年PHP研究所刊
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