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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

日明 恩著「それでも、警官は微笑う」

2008-10-01 | た行
たちもりめぐみ=♀、日本女子大卒。第25回メフィスト賞受賞作。
池袋署の刑事一課強行犯係「キチク」こと武本正純巡査部長と潮崎警部補の
ペアコンビが大活躍するハードボイルド警察官物語。
麻薬取締官、中国マフィア等がからんで2人が銃の密造組織を追う。
2002年 講談社刊
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高村 薫著「リヴィエラを撃て」

2008-09-30 | た行
壮大なスパイ小説です。
国際政治の楽屋裏を発狂させ混乱させた男「リヴィエラ」。
諜報部員のコ-ドネーム「リヴィエラ」は、誰なのか?
日本外務省、英国諜報部、アイルランドIRA、香港、中国、アメリカCIA等・・・
一人の天才ピアニストが自らの死を賭けた東京公演を決意させるが・・・。
アイルランドと英国を舞台に繰広げられる頭脳ゲーム。
国益と言う名のもとに繰り広げられた人間の欲と保身、人と人との愛は
人としての良心は?人間性は、はたして何処にたどり着くのだろうか・・・
ストーリーに引き込まれて一気に読めました。
2000年 新潮社
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田口ランディ 著「 富士山」

2008-09-23 | た行
テロの標的になって破壊されたとき日本人がもっとも傷つく場所を
富士山と想定して書かれた4つの短編からなる。
『とても長い年月日本人の心に希望を与え続けてくれ
た富士山に祈りと感謝を込めて』(作者あとがき)書かれた連作。
2004年 文藝春秋 刊
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拓未 司著「禁断のパンダ 」

2008-09-14 | た行
第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
神戸を舞台した美食ミステリー。
柴山幸太は神戸でフレンチスタイルのビストロを営む新進気鋭の料理人。
妻の友人の木下貴史の結婚披露宴に出席し、新郎貴史の祖父である中島という老人と知り合いになる。
幸太が中島と知り合った翌日神戸ポートタワーで一人の男性の刺殺体が発見される。
捜査に乗り出した兵庫県警捜査第一課の青山は、被害者は木下貴史の父・義明が営む会社の専務でさらには義明も失踪していることを知り・・・。
主人公の若き料理人柴山幸太と、人間離れした味覚を持つ料理評論家中島の交わす会話の印象は流石元料理人著者自らの料理や味覚に対する考えを記述した力の入った部分でしょう。
料理を提供する側からのグルメの味覚、料理描写『的確で魅惑的な食事のシーンを核にした美食ミステリー。』と絶賛の声が上がる一方さほどミステリーの色合いは感じられず、謎の構成が中途半端事件が発生してもサスペンスは無いに等しいし警察捜査小説としても不満足と「このミス」大賞らしからぬ選者の声にも納得が・・・。
私的にはグルメ家でもないので美食シーンより謎解き部分に期待した為、登場人物の特殊性や県警捜査一課の青山の人物の掘り下げが不足しているため感情移入もしにくく題名や表紙のパンダのおかげでパンダを食べる内容かと誤解してしまった。最終行に驚愕のシーンがあるのが唯一◎。
2008年1月 宝島社刊

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高杉 良「ザ・エクセレントカンパニー」

2008-09-09 | た行
即席麺、カップ麺をUSAで広めるべく東洋水産(小説では東邦水産)の現地法人
MARUCHAN.INC(SUNMARU.INC)の主人公「川森潔」の奮闘を軸にした経済、
企業小説。
工業用地選定確保、異文化の中の従業員とのコミニケーションの取り方、
訴訟文化の中で起きた企業内セクハラ裁判、工場内でのユニオン問題、等
グローバリズムや市場原理主義を標榜する金儲けの為に手段を選ばない
アメリカ式企業運営に対して終身雇用守る日本型経営のほうが優れていることを説き明かす。
「燃ゆるとき」の続編であり、「小説・ザ外資」のアンチテーデとして書かれた
東洋水産アメリカ社史。 2003年 毎日新聞社刊 ☆☆

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天童荒太著「家族狩り 」

2008-08-25 | た行
95年版単行本「家族狩り」の書き換え版文庫で全五部作。
第一部「幻世の祈り」、第二部「遭難者の夢」、第三部「贈られた手」、
第四部「巡礼者たち」、第5部 「まだ遠い光」   
からなる5部作。
「生きるって捨てたもんじゃない」をテーマに「どんなひどい世の中でも生きるに値する。」と・・・
高校の美術教師巣藤、杉並署の馬見原刑事、児童相談センターで児童心理に携わる氷崎游子。
様々な問題を抱えながらこの世界に生きていく価値を見出せるのか、どうしたら
身の回りの小さな悲劇を無視することなく虚しさやはかなさに耐えれるのか、
複雑な世界を把握する手がかりは・・・・さまざまな鎖から身を解き放ち、
自らの手に人生を取り戻そうとする人びとの苦悩を緊迫の様子が伝わってきくる問題提起型感動作でした。
作中で
「確かに君の思うようにこの世界はほんとにひどい世の中だ。けれど生きていく価値はある。なぜなら、人は、生きるだけで世界のどこかにいる誰かを支えたり助けたりできる可能性があるから・・・・」と。
  2004年 新潮文庫

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天童荒太著「あふれた愛」

2008-08-24 | た行
出産後の不安定な子育て時期の妻と夫のすれ違いを描いた「とりあえずの愛」
精神を病んだ少女と中年の男の恋愛を描いた「うつろな恋人」
パニック障害の患者同士の結婚を描いた「やすらぎの香り」
他「喪われゆく君に」の4編の短編が収められている。
現代社会のなかで疲れて心や身体が病んだ人々の愛と孤独の様子が描かれて傷つき病みながらも懸命に前向きに生きようとする人々、かけがえのない大切な人を失いながらも、なお、人に思いやりをわすれないひとびと、深く傷ついたがゆえに人に病に寄り添おうと努めている人々に温かい作者の目が・・・
生きることの苦しみその重さと貴さ、今此処にいられることの「幸い」。
『家族や友人、亡くなった人をふくめ身近な人々の存在とつねに静かに見守ってくれている自然の存在によって自分が生かされている』(作者あとがきより)
2000年   集英社刊
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高野和明・阪上仁志著「夢のカルテ」

2008-08-17 | た行
麻生刑事は銃撃事件での死亡事故で、夜毎の悪夢で不眠に苦しめられていた。
心理療法を受けようと、来生夢衣という不思議な雰囲気をたたえた
女性カウンセラーと出会う。
やがて麻生は、夢衣には他人の夢の中に入ることができるという特殊な力が
あることを知る。
刑事と彼女が遭遇する事件を夢を通じて解決する、優しい奇蹟の物語。
夢の力を信じた二人の愛の感動のファンタジックな恋愛物で且、ミステリー小説でもある。
二人の出会いから徐々に関係が深められる過程を恋愛小説のようなタッチで
書きながら夢が持つ過去の忘れた幼児体験や無意識のメッセージを、
夢と現実を行き来できる主人公の来生夢衣が恋人の麻生刑事と一緒に
事件を解決するという4つの事件の短編物連作の形にまとめられている。
2005年角川書店刊  
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高野裕美子著「 朱雀の闇 」 

2008-08-08 | た行
毎年8月17日は、約300年続く紀州熊野の花火大会です。
迫力満点の直径90cm(250キロ)の3尺玉花火の海上自爆と
体感震度5の岩場に仕掛けられた地爆花火。
花火当日は人口2万人の町が19万人以上に膨れ上る・・・
(私も、3年前に始めて熊野の大花火を体験し感動した思い出があります。)
この本の出だしがこの花火大会らしい花火の打ち上げ現場での事件から
始まっています。
そして、後半一年後の又追善花火打ち上げ現場で息つく間もないスリル。
兄妹の復讐をめぐるサスペンスと2組の兄妹の因縁と兄妹愛。
飛騨高山の造り酒屋の2組の兄妹のたどった運命のミステリーサスペンス。
楽しめる作品ですが作者はからの特別なメッセージは伝わってこないのが残念!
2005年  光文社刊 光文社文庫
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恒川光太郎 著「夜市(よいち)」

2008-07-30 | た行
2005年度第12回日本ホラー小説大賞受賞作。
恒川光太郎(1973年東京生まれ)のデビュー作。
秋の夕暮れ時、大学生のいずみは高校時代の同級生の裕司と不思議な
フリーマーケット「どんなものでも手に入るという市場」に出かける。
怖さと悲しみをたたえた幻想的ファンタジーストーリーと意外なエンディング。
夜市は遠い秋の夜の夢だったのか?・・・・ 他に「風邪の古道」
余韻がのこる怖さが・・・。
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高村 薫  著「 新リア王 」上・下

2008-07-18 | た行
社会派高村氏の、 長い長い壮大な政治小説の大作長編です。
「晴子情歌」(上・下)に続く大河小説。一気には読めないですよ・・・この大作。
かなり長時間の読書になりました。(笑)
周回遅れで核がらみの地域振興に手を染めた青森県の保守王国の崩壊の姿が
1980年代の永田町の官僚や政治家達と青森県の利権屋たちの思惑。
政治一家の亀裂を通じて代議士と禅僧の息子の親子の対話と言う形を取りながら
近代日本の政治、自民党の政治を振返る。
聖と俗、父と息子の間に立ちはだかる高く厳しい壁を描きながら親子の関係を
見つめ直す。
政治、宗教、精神世界など高村薫の世界観を述べつつ読者に思考を促す力作です。
『55年体制を生きた政治家の王は80年代半ば老いて王国を出でた。
息子達に乗り越えられた父は一人荒野目指す。』(本の帯コピー)
読み応えタップリの内容、これでもかこれでもかの人物描写、心理描写。
一度では理解不能?しかし、2回も読む時間と気力あるか?
やはり、救いようのない狂ってしまったこの国、このままでは
日本は経済破綻→家庭崩壊そして将来「難民化」?
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田中敬子著「夫・力道山の慟哭 」

2008-06-24 | た行
大正13年11月14日北朝鮮に生まれた力道山。
大相撲に入門関脇まで進み突然廃業しプロレス界へそして、結婚。
ヤクザに刺されて入院してのち死亡。力道山没後40年、力道山未亡人が初めて書いた力道山秘話。
日本航空客室乗務員として勤務していた時知り合い昭和38年6月5日結婚。
その年12月15日暴漢に襲われて入院していた力道山は娘「浩美」の顔を見ることなく死亡。
死の真相、暴力団との付きあいや38度線と力道山、プロレス界の今後、
力道山の私生活、素顔を開間見ることができる本です。
未公開の秘蔵も写真も有って面白い。
2003年 双葉社刊

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高村 薫著「黄金を抱いて翔べ 」

2008-06-23 | た行
日本推理作家協会賞受賞作。立案者の北川、主人公の幸田、
コンピュタSの野間、爆破工作のエキスパートモモ、エレベータ整備作業の
経験者岸口老人、北川の弟春樹。
銀行本店の地下の6トンの金塊を奪取するべく6人の男たちが企んだ大胆不敵な計画。
ハイテクの防御システムを突破するのは果たして可能か。
複雑な背景を引きずるそれぞれ登場人物の事情が厚みを増す一方、個々の
個性が密接に関わりあっていく展開に思わず引きずり込まれる。
秩序と反秩序の間に計画は進行する。
2000年 新潮社刊文庫刊


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日明 恩 著「鎮火報 Fire’s Out 」  

2008-04-19 | た行
2002年第25回メフィスト賞受賞作「それでも、警官は微笑う」
の作者「たちもりめぐみ」の第2作。
2代目東京消防庁消防士大山雄大の火災現場に出場から10日間を描いた大作。
火事場にいつも現れる人間や、引きこもり中年男、被害者の不法滞在外国人、
入国管理管等個性豊かな登場人物の描き方も楽しくユーモアたっぷりの
ミステリー風小説。
消防士の置かれた環境が解って面白い。
「確約された未来なんてない・・・」死と隣り合わせの消防士通じて
生き方死に方、人生観、仕事観を考えさせられる感動小説。
2003年講談社 刊

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高野裕美子著「マリン・スノー 」

2008-02-26 | た行
近未来小説です、     
著者は、2000年「サイレント・ナイト」で第3回日本ミステリ-文学大賞新人賞
して作家デビュー。
舞台は、太平洋戦争で多くの兵士の霊が眠る硫黄島。
今から12年後近未来の設定、南硫黄島沖の深海から隆起した海底火山の
カルデラで中国の潜水艦が沈没。日本の潜航調査が爆破され、国籍不明機の
領空侵犯が連続して起きる。
航空自衛隊のファイタ-パイロットたちが、一連の真相にせまる自衛隊小説。
主人公は、日本初の女性F-15戦闘機パイロット「麻木未鳥」二尉。
後半の、戦闘機シ-ンは圧巻。
中国、北朝鮮、北朝鮮政府の転覆を謀る北聯と名乗る組織、それぞれの
思惑が入り乱れ物語が展開される。憲法に拘束され自由に国土防衛が
出来ない自衛隊。
はたして、国を守るの誰だ!
2003年8月新潮社刊 1800円

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