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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

埜田杳著「些末なおもいで」  

2009-05-20 | な行
のだはるか・・著者は1986年静岡県生まれ。2006年本作で野性時代青春文学大賞第2回大賞を受賞。 青春小説。
不眠症の高校生・檜山は、ある夜、やはり眠れずに彷徨していた同じクラスの矢鳴に声をかけられる。
ふたりは次第に打ち解け合い、部活の園芸部のキューピーさん(矢鳴の幼馴染みの女の子)も輪に加わってくるようになる。
しかし矢鳴は<あれ>という治らない病気で、近いうちに死が訪れるという奇病に罹っていた・・・。
20歳の女性が書いた物語だが「友達とは」「親しい人の死とは」青春の思い出話として結構引き込まれて一気読みしました。

2006年 角川書店刊
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中島桃果子著「蝶番(ちょうつがい)」

2009-03-29 | な行
第4回(2008年)新潮エンターテインメント大賞受賞作 。
この賞は「わからないもの、としての人間がちゃんといて、瑞々しく、ときに鋭く、切り込んでくる」と
作家の江國香織氏が1人で選考した文芸賞らしい。
東京に今年三度目の雪が降った日、意味不明のメモを残して
四姉妹の長女・艶子は家出した。
妹たちの語りと姉の残した日記から浮かび上がってくる心模様、四人それぞれの
息苦しさと生きにくさの人間模様。
家族との蝶番の留め金をはずすときとは、自立を模索し始めるとき。
若い4姉妹がそれぞれ就職や留学、恋と失恋などいろいろなことを経験しながら
父と母、家族とのバランスのよい関係を新たに構築していく過程の物語。
新たな関係のはじまり。
4人の揺れる心情も細かく描かれているが3人の妹の視点が入れ替わって時間も
過去に飛んだり戻ったり家族以外の人間関係も解りにくく読み難い文章に途中で
読み続けるのに息苦しいさを感じた。
女性向け作品です。
結局人間は一人では生きられないし家族との縁も切りがたい。
『誰かと生きていくしかないのだから、鬱陶しくも愛しいことに。』
『釜炒り茶の一煎目は丸い。  二煎目は少し尖って。  三煎目はドルチェ。』(本分より)
2009年01月 新潮社刊
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野崎雅人著「 フロンティア、ナウ」

2009-03-25 | な行
日経中編小説賞受賞作 
私は、一月ほど前タイのバンコクに旅行した。この本に出てくる
カオサン通り、ナナステーション、シリラート病院、「松亭」のモデルになった日本料理屋、バンコクの渋滞と喧噪、オカマ・レディボーイを体験してきたばかりなので特に面白く読めた。
主人公のトオルは、勤務先がつぶれてしまって、日本にいるのも面倒と流れ着いた先がタイのバンコク。 当座の暮らしを確保するために、パソコン組み立ての知識を生かし、近所のパーツ屋で買った安い部品を組み立てパソコンを自作し売っていたが、仲間ができて一緒にポルノ映像のインターネット配信サービスをやりはじめる。やがて仲間が持ち込んできた自主制作ポルノを流すと、これが世界中で受けして、安いタイの物価の中で贅沢な暮らしを送れるようになった。
そんなある日ヨーゼフというドイツ人が持ち込んできた映像がスナッフビデオ(殺人現場を撮影したもの)だったことから、捜査当局に追われることに。
アメリカのサーバーは当局に抑えられ調査に渡米した仲間も乗っていたフェラーリが半分黒こげになって発見されるが本人は行方知れずになってしまう。トオルはビデオを持ち込んできたヨーゼフを探して追跡を始める。
団塊オヤジ、旅館の美人妻、国際テロリスト、麻薬の売人などが絡んで・・・追跡と逃走と。バンコクという“何でもあり”の場所を舞台に、もはや何処にも見出せなくなったフロンティアが失われた。フロンティアが失われた後の現代の日常というフロンティアを疾走する。
「人類の叡智の向かうべき先にあるフロンティアを失ったとき、人々を怠惰な日常から救うのは、神経刺激としてのポルノか自己放棄の場としてのカルトだけなのか?」。後半は結末を急ぎすぎて物足りないがバンコクが楽しそうなところだと感じさせられる雰囲気がいい都市型冒険小説です。
2008年11月 日本経済新聞出版社 刊
コメント (2)
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中村文則著「土の中の子供」

2009-03-19 | な行
2005年度第133回芥川賞受賞作。
主人公はタクシーの運転手の27歳の青年。親から捨てられ施設で育ち、
養子として引き取られた遠い親戚では殴る、蹴るの暴力を彼に与えた。
彼は「恐怖に感情が乱され続けたことで、恐怖が癖のように、血肉のように
なって、彼の身体に染みついている」と語る。
自分から、暴力受けることをを求めいっそう暴力が日常化していく。
自ら恐怖を求めてしまうかのような自分に、はたして恐怖を克服して生きて
ゆけるのか。
主人公の恐怖、渇望、逼迫感が丹念に心理描写されている。
表題作の他に、短編「蜘蛛の声」。
読み終えた後、けっして爽快感は感じません暗いマイナス面ばかり目立つ作品で、
なぜこの作品が芥川賞?って感じでした。
2005年 新潮社刊
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那須正幹著「ズッコケ中年三人組 age43」

2009-03-10 | な行
長期シリーズ物らしいが今回初めて読みました。
初めてですが途中からの違和感なくとけ込め読めした。
元小学生・3人組であった筈の彼らがも、中年となり色々なしがらみに囚われて
この時代を生きている。
ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの3人は、それぞれコンビニの経営者、
学校の先生、装飾店勤務と、地元の「稲穂県ミドリ市花山町」で、仕事をやっているという設定。
そのハチベイが裁判員に選ばれたからさぁ大変・・・。
今話題の裁判員制度を取り上げての殺人事件の法廷ミステリー、裁判員制度を
掘り下げすぎてなんだか「裁判員制度の説明書」を読んでる気もなきにしも
あらずだが、それなりに謎解きをして楽しませてくれくれる一冊。
自分が裁判員に選ばれたらと考えさせられる小説でした。
 2008年12月 ポプラ社刊 1050円
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中村弦著 「天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語」

2009-01-15 | な行
第20回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作で且つ著者の、デビュー作。
「東京の旧前田侯爵邸や横浜の異人館を見るのが好き。どんな人が建てたのかと想像していたら話が浮かんできた」(著者談)
孤高の建築家・笠井泉二の造る建物は、異世界へと通じる扉だった・・・
舞台は明治14年から昭和7年の明治・大正の御世。
老子爵夫人には亡き夫と過ごせる生者と死者がともに暮らせる部屋を、
孤独な探偵作家には永遠に飽きない家を、
苦労した幼馴染には嫉妬や苦い過去を忘れさせてくれる家を・・・
孤高の建築家・笠井泉二は、依頼者の心にひそむ「本当の望み」を叶える不思議な力を持っていた。
東京帝大の寮で同室だった矢向丈明によって語られる
有名な事件や当時の政治経済の背景に6つのエピソードで泉二の不思議な人となりが浮き彫りに。
天使の幻影にとり憑かれた造家師と、その優しい奇跡
「そこに一歩足を踏み入れたものはみな、建物がまとうう異様な空気戸惑いながら酔いしれていく・・・。」
前代未聞の「建築幻想小説」!

2008年11月 新潮社刊 

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西澤保彦著「黒の貴婦人 」

2008-11-06 | な行
著者は、1960年高知生まれ。
匠千暁(タック)が活躍するシリ-ズ短編5編が収録されている。
安槻市(架空の都市)の市立安槻大学のカタチこと高瀬千帆、
ウサコこと羽迫由紀子等が身の回りで起きるミステリ-に係わり
タック等が謎解きするストリ-展開。
登場人物の名前がややこしいのが難点。

2003年 幻冬社 刊
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乃南アサ 著「 24時間」

2008-10-04 | な行
零時から二十四時まで24節の各時間の思い出やエピソードが書かれた
短編エッセイ24集。
幼い頃や学生時代、OL時代の家族や友人、ペットとの思い出が綴られている。
2004年 新潮社 刊
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長島槇子「遊郭(さと)のはなし」

2008-08-27 | な行
怪談の文学賞2008年第2回「幽」怪談文学賞長編部門特別賞受賞作品。
10編のオムニバス風連作短編で構成された江戸吉原遊郭を舞台にした妖艶で
哀切な怪異談。
『赤い櫛を拾えば、必ず死ぬ。』という酒乱の亭主に見切りをつけて子連れで女郎屋の女中になったお久の話「赤い櫛」
タイコ持ち銀八が話す吉原での遊び合戦「幽霊の身請け」
遊郭に飼われている猫を相手に酒を飲む「遣手の猫」
「無常の桜」「紅葉狩り」花魁が話す「木魂太夫」
吉原の百灯楼で起きた死人が10人の凄惨な事件を話す地回り「手鞠」
他「死化粧」「八幡の鏡」「紙縒りの犬」
怖い怪談話満載です。
2008年5月 メディアファクトリー刊
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南原幹雄 著「 王城の忍者 」

2008-08-04 | な行
明治維新の百年前、桃園天皇の崩御後大葬の列を警護する王城の忍達。
女帝後桜町天皇の時代、京洛の闇の中で倒幕運動が始まった。
公家や武家がそれぞれの思惑を秘め動き出す。
天皇家直属の忍者である静原冠者たちも一味に加わる。
一方、現状維持を願う公家と、静原冠者の数百年来の宿敵・八瀬童子は、
革命を叩き潰さんと動きだす。
徳川将軍の国を屋台骨から揺るがす凄絶な闘いが、そしてついに数百年も
対立してきた二派の忍者、 静原冠者と八瀬童子の因縁の決戦が始まった。
静原冠者の頭領竜王坊と八瀬童子の頭領般若童子の闘いを中心に竜王坊と
大原女の利根との恋愛が絡む時代小説。
何時の時代も改革勢力と保守勢力の鬩ぎ合い、
そしてその流れのなかに生きた人々の生き様から何を見出すべきかを問いかける・・・。
2005年 新潮社刊 
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永田俊也著「 落語娘」  

2008-07-19 | な行
2004年、第84回オール読物新人賞受賞作。
大阪の女性漫才師を主人公にしたこの短編で受賞。
前座の香須美役にミムラ、平佐師匠に津川雅彦で映画化されもうじき公開されるとか。
「ええから加減」と落語界の裏話や落語家たちの生態を丹念に描かれていて笑いと悲哀を誘う。
正統派落語を目指す女落語家前座の三々亭香須美が入門したのは5年前。
ついた師匠三々亭平佐は、演じると死人が出るという幻の噺を発見した。
のろわれた噺に挑む異端の師匠と女前座
・・・そしてその結末の落ちはいかに。
2005年 講談社 刊
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長野 まゆみ著「カルトローレ」

2008-07-03 | な行
この著者の作品を読むのは 『メルカトル』以来この本で2作目です。
題名のカルトローレは著者の造語です。イタリア語の文語で「カルトラーレ」(cartolare)日誌、航海日誌の意味だそうです。
SFファンタジーというか寓話、幻想世界のお話しです。全編、レトロな感じで且つ未来的な空気の中で穏やかに話が進み、
恋愛も衝撃的な事件も起こらず淡々と話しが進みます。この物語の幻想小説にすんなり入り込めることが出来ればいいですが
リアルさの拘りを持っているとかなり読み進めるのに苦労します。
主人公のタフィは、《船》で十八歳まで育ち、それから救済委員会の手に委ねられ、沙漠の土地のキビ色の沙地の白い家で暮らすこととなる。製本組合から奨学金を得た彼の仕事は、≪船≫の人間が残したとされる、全頁糊付けされてパイ生地のようになった109冊のた航海日誌「カルトローレ」を解読することだ。
そこに現れたのは、琥珀色の肌の少年ワタ、蜜色の髪に淡緑色の肌の青年エルジン、移民局の役人コリドー。
タフィは、頭に残る≪船≫での曖昧な記憶との間で揺れながら、タッシル語を話すどこの国とも言えない不思議な場所で日々の生活を開始する。
≪船≫とは宇宙船で、他の星に難破したSFファンタジーと読んで見ても話しは繋がりそうで
詠み人の想像力を試されているような299ページでした。
やたら見かけるタッシル語の標語「亀の甲羅に落書きするな。人生をあやまるから」は13章で標準語の
「神は吾らに楽をするなと仰せになる。人生をあやまらぬために」の皮肉をこめた云いまわしと解る部分は面白い。
「限られた空間で暮らすには隣人と争わず干渉しない心がけが必要だ。人があつまれば中心点のない話題をえらぶようにする
・・・同席者の意見に反対も同意もせず話しをつなぐすべは・・・しりとりをすればよい。」とか「卵を割って料理も出来ない女は破談したほうがよい」とか随所にうなずく場面があり楽しめる。
サン=テグジュペリの「星の王子様」の世界とも似た著者の意識のなかにしかなく、もはや実在しないし、
もしかしたら過去にも存在しなかったかもしれない架空の場所での現実と幻の狭間のような物語です。
109冊のうち1冊のみ残して自然発火で消失は、「108冊は煩悩の数なので数のうちにはいらない 」(著者談)はすぐ想像できた。
2008年4月新潮社刊 1575円

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奈良美那著「埋もれる 」

2008-06-12 | な行
2007年 第3回日本ラブストーリー大賞大賞受賞作。
ソウルでアルバイトをしながら韓国語を学んでいる26歳の由希は、恋人の
パクとの生活にもう一歩を踏み出せないでいた。
そんなある日、由希は韓国特有の乗り合いタクシーで作家志願の男、
テソクと出会う。
やがて、パクの部屋でのファーストキスとセックスによって性に開眼
しパクと上手くやって行けそうに見えたが11歳年上のテソクのなかに
自分と似た部分を感じてテソクともセックスしてしまう。
テスクから与えられる激しい快感に、彼女はようやく自分の求めるもの
しがみつくべきものを見つけたようだったが、
韓国に居られるワーキング・ホリデー・ビザの期限が迫ってきていた。
女性ならではのリアルな心理描写と激しい性愛の日々の濃厚な官能シーンの
描写に吃驚します。
異国の留学先の韓国人の男との出会い、自分の孤独を満たしてくれる男の肌に
のめる込む日本人女性の恋の先行きに危なしさを感じながら興味
深く読むことが出来ました。
韓国ドラマのヒロインのような華やかさはないが生活感あふれる
展開に韓国にやっと自分の居場所を見つけた由希を応援したくなる恋物語です。
 2008年3月宝島社刊 1000円

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楡 周平 著「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京」

2008-04-09 | な行
1968年「安田講堂攻防戦」の別れから30年。日本革命を信じて、
安田講堂攻防戦に参加したが、その本質が革命ごっこに過ぎないことに
気付き絶望したにもかかわらず逮捕され、完全黙秘で釈放された
女性活動家有川三奈と。
彼女と偶然知り合った、貧乏だが優秀な学生から身を起こし、
学生運動に目もくれず、権力を目指し大蔵官僚から与党の政調会長まで
登り詰めた野心溢れる白川眞一郎が、1999年息子と娘の見合いの席上で、
運命の再会をする。
二世代の男女を通じ、現代日本の上流階級の実像を赤裸に描いた、
平成版「華麗なる一族」。
「息子をこの国の権力構造の頂点に立つ人間にする。それが私の願いだった」
大病院の経営者を親に持つ若き大蔵省キャリア有川崇。
次の総裁候補とも言われる大物
政治家の長女・白川尚子の閨閥結婚。
大蔵事務次官の仲介で持ち上がった二人の縁談は、だれもがうらやむ結婚
となるはずだったのだが。
様々な全共闘世代が当時の東大紛争から30年の時を経てその後どうなったかを
皮肉な運命として描かれている。
人間の変節と、権力の魔力に取り憑かれた人間たちの生き様の救いようのない
虚しさが感じられる長編でした。
橋本龍太郎総理を想像させる滝沢総理が登場して
現実政治とリアル感を醸し出している。
ただ台詞を含め心理描写が説明的でくどい点が気にかかった。
2008年03月 講談社刊 上・下 各1785円

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永瀬隼介 著「誓いの夏から」  

2008-04-08 | な行
悲惨な事件の謎・少年の成長などなどがミステリーになり一気に
読ませてもらった。
名門高校に通う十川慧一は、事件の被害者となった京子と好意を
寄せ合っていた。17歳のあの日少年は少女に何があってもおまえを
守ってやると告白したが、ある事件に巻き込まれた彼女を守ってやる
ことができなかった。
物語は2部構成で前半は青春小説のように始まった。
舞台はバブル期の東京下町、北千住。
金融業を営む一家に賊が押し入り、親子3人が虐殺される。
ただひとり生き残ったのは家庭教師をしていた女子高生、広田京子だった。
第2部は19年後、二人は再会したが・・・サスペンス色が濃くなる後半。
ひとりの中国人が殺害されたことで、刑事となっていた十川慧一は、
19年前の事件を担当した吾妻刑事と再会する。・・・
30兆円産業のパチンコは完全に警察の管理下にあります。
そのあまりの癒着ぶりに警察の“米びつ”といわれたりもしますが
そこにカジノを開こうとする勢力が現れるとどうなるか。
それが小説のもうひとつの軸になっていて面白いですね。

2006年光文社刊
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