著者30代後半99年から2000年にかけて書かれた短編七つが収められている。
あのときも、こんなふうにして、タンポポの雪が降っていた…。
甘美な恋の思い出と、裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作「タンポポの雪が降ってた」。
せつない過去の思い出と今の兄弟の姿と交錯しながら、兄弟の熱い絆を描いた『不良の樹』。
個人的にはミステリー風な1枚の写真から父親の過去をたどる「歳月」がよかった。
他に「海を撃つ日」「世界は冬に終る」「ジンバラン・カフェ」「大空と大地」。
誰もが胸にいだく、せつない想い出の数々。変わらないと思っていた幸せの脆さ。
ふとした感傷が、時をへだてて突きつける人生の哀しみ。再会と、ほろ苦い別れ。
日常を抜けだした先で見た夢の終わりなど、時の悼み、どこか哀愁のある切ない思いが、自分の過去と照らし合わせて
読まされた作品群でした。
2001年2月角川書店 角川文庫
あのときも、こんなふうにして、タンポポの雪が降っていた…。
甘美な恋の思い出と、裏切りの痛みをたどりなおす、グレイハウンドの旅を描いた表題作「タンポポの雪が降ってた」。
せつない過去の思い出と今の兄弟の姿と交錯しながら、兄弟の熱い絆を描いた『不良の樹』。
個人的にはミステリー風な1枚の写真から父親の過去をたどる「歳月」がよかった。
他に「海を撃つ日」「世界は冬に終る」「ジンバラン・カフェ」「大空と大地」。
誰もが胸にいだく、せつない想い出の数々。変わらないと思っていた幸せの脆さ。
ふとした感傷が、時をへだてて突きつける人生の哀しみ。再会と、ほろ苦い別れ。
日常を抜けだした先で見た夢の終わりなど、時の悼み、どこか哀愁のある切ない思いが、自分の過去と照らし合わせて
読まされた作品群でした。
2001年2月角川書店 角川文庫