時空ものタイム・スリップハードボイルドミステリー題名は『スキップ』だが一日に八回死んで生き返る『ターン』のほうがスッキリするストーリー。
主人公の斉木章は、今はバーを経営するが彼の隠された裏の顔は盗みのプロ。
一年前の事件で相棒と愛する彼女を失った。そんな斎木章のもとに、孤児院で一緒だった弟のような存在の悟が転がり込んできた。
女をめぐるトラブルで清瀧会の幹部を刺したという。事態の収拾をはかった斉木だが、捕えられ命を落とす。だが、気がつくと昨日に戻っていた。
悟を救うため、そして、“今日”を取り戻すため、斉木は前回の失敗を繰り返さないように生き返るたびに、前の轍を踏まぬように情報収集に励みますが、なぜかまた死んでしまいます。一つの事件を、複数の視点ではなく、時間が巻き戻って一人の男の側の視点で、その都度異なる意味合いを加えてゆき、ジグソーパズルを埋めるように徐々に真相に迫ってゆくという、その都度、殴られたり殺されりと、その道はあたかも修羅の道であるように思えるが、友人や恋人が犠牲になる事実を回避するためになら、斉木は何度でもその前のポイントに戻って選択すべき道を変更する。まるでロールプレーゲームを何度もリセットして挑んでいるようなもの、死んだり殺されたりして、元の木阿弥になってしまうストーリーが、徐々に生き返るペースの時間が短くなる、死ぬ前の過去とダブル記憶、そして、それらを繋ぎ合わせていくうちに少しづつ解明させる謎が最後に明らかになる。
残念だが登場人物とその背景に魅力がないし、心理描写も深みに欠けるし共感が出来ない。何度も死ぬリアル感のない物語の構想は現実的でない。
2008年03月双葉社刊
主人公の斉木章は、今はバーを経営するが彼の隠された裏の顔は盗みのプロ。
一年前の事件で相棒と愛する彼女を失った。そんな斎木章のもとに、孤児院で一緒だった弟のような存在の悟が転がり込んできた。
女をめぐるトラブルで清瀧会の幹部を刺したという。事態の収拾をはかった斉木だが、捕えられ命を落とす。だが、気がつくと昨日に戻っていた。
悟を救うため、そして、“今日”を取り戻すため、斉木は前回の失敗を繰り返さないように生き返るたびに、前の轍を踏まぬように情報収集に励みますが、なぜかまた死んでしまいます。一つの事件を、複数の視点ではなく、時間が巻き戻って一人の男の側の視点で、その都度異なる意味合いを加えてゆき、ジグソーパズルを埋めるように徐々に真相に迫ってゆくという、その都度、殴られたり殺されりと、その道はあたかも修羅の道であるように思えるが、友人や恋人が犠牲になる事実を回避するためになら、斉木は何度でもその前のポイントに戻って選択すべき道を変更する。まるでロールプレーゲームを何度もリセットして挑んでいるようなもの、死んだり殺されたりして、元の木阿弥になってしまうストーリーが、徐々に生き返るペースの時間が短くなる、死ぬ前の過去とダブル記憶、そして、それらを繋ぎ合わせていくうちに少しづつ解明させる謎が最後に明らかになる。
残念だが登場人物とその背景に魅力がないし、心理描写も深みに欠けるし共感が出来ない。何度も死ぬリアル感のない物語の構想は現実的でない。
2008年03月双葉社刊
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