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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

東野圭吾著「 殺人の門 」

2008-11-01 | 東野圭吾
人は如何にして殺人を犯すのか・・・
殺人者となる門をくぐることが出来るのは
「動機,環境,タイミング,その場の気分、それらが複雑に絡み合って人は人を殺す」
祖母の死をはじめて体験した小学生の頃主人公「田島」が、その後両親の離婚、
家庭崩壊を経験して後、賭け碁、宝石販売のマルチ商法、
純金預かり証券の勧誘、株のコンサルタント業等を経て
幼な友だちに殺意を抱き実行するまでを描くサスペンス心理小説、
2003年 新潮社刊
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東野圭吾著『流星の絆』

2008-09-10 | 東野圭吾
功一、泰輔、静奈の三兄弟が親に内緒で深夜2階から脱出して
ペルセウス座流星群を見に出て行った,その夜帰って見ると
ハヤシライスが看板メニューの洋食店『アリアケ』の経営者である両親が殺されていた。
次男の泰輔は店の裏口から出ていく男を目撃したが、犯人特定は難航し事件は暗礁に乗り上げられたまま、3人は施設に収容され時は流れる。
時効寸前の14年後。ひっそりと肩寄せ合ってきた三人だったが、静奈と功一がたてつづけに騙されたことで、静奈の美貌を武器に利用した結婚詐欺を生業としていた。
やがて功一のたてた作戦はその最後のターゲットとして選んだ、レストランチェーン『とがみ亭』の御曹司・戸神行成に、変装名人の泰輔と静奈は行成に近づくのだが、泰輔が見た行成の父親は、あの事件の夜に目撃した男だったことが解る。
そして、静奈が口にした『とがみ亭』のハヤシライスは父親の味だった。
功一は、結婚詐欺ではなく、両親の仇を討つことを決意するが・・・。
3人の養護施設での生活が省略されている為人間心理の深みがなく残念さが残るが、後半明らかになる意外な犯人、意外な展開に流石・・・。
悪に徹し切れなかった3人の後半の決断にちょっと違和感と無理さが感じるが一気に読める面白い推理小説です
2008年3月講談社刊  1,785円
コメント (2)
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東野圭吾 著「トキオ」

2008-08-31 | 東野圭吾
生命維持装置のチューブにつながれたグレゴリウス症候群という
病気の息子「時生」を持つ宮本拓実は、20年以上前に「息子の時生」と
会ったと言う。
タイムトラベルとも言うべき未来からやって来た自分の息子との出会いから
別れまでの不思議な体験を回想する。
SF小説ぽい筋立てのミステリーサスペンス物語.
2002年講談社刊

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東野圭吾著「天空の蜂 」

2008-08-06 | 東野圭吾
敦賀半島の北端、高速増殖原型炉「新陽」のある上空に遠隔操作され爆薬を
積んだ巨大ヘリコプターがホバリング。
「天空の蜂」と名乗る犯人からは「全国の原発を使用不能にせよ」という
脅迫状が・・・。
しかも、ハプニングでヘリのメーカーの技術者の小3の息子が閉じ込められている。
原発の持つ危険を孕んだ問題に事件を通して警告を発す意欲的問題作。
軍事産業、原発会社、自衛隊、警察、原発反対運動、マスコミが右往左往する迫
力の展開に作者の鋭い視点が・・・
2000年講談社刊


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東野圭吾著「容疑者Xの献身 」

2008-08-05 | 東野圭吾
探偵ガリレオシリーズ第3弾
第6回本格ミステリ大賞、第134回直木賞受賞作
2006年版『このミステリーがすごい!2006』第一位
『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』第一位
映画化も決定、福山・柴崎コンビで近く公開される予定。
ガリレオ探偵こと帝都大学の物理学研究室の湯川学助教授への難問は
同期第38期修士課程終了生の高校の数学教師の石神。
偶然、警視庁の友人草薙刑事の扱う旧江戸川殺人事件の容疑者の同じ
アパートの隣室の住人だった。
哲学的とも思える数学の難問
『自分で考えて答えを出すのと、他人から聞いた答えが正しいかどうかを確かめるのとでは、どちらが簡単か』
後半に明らかになる意外なトリックと事件の全容に 私は、すっかり著者に完敗でした。
2005年 文藝春秋 刊  
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東野圭吾著 「 黒笑小説 」

2008-06-19 | 東野圭吾
ブラックユーモア短編集1997年から2005年までに小説「すばる」に
発表された13編の短編が収録されている。
小説家と出版界の関係の裏側を描いた3編に 著者の嘆きが込められて面白い。
インポになる薬をテーマにした「インポグラ」
現代解釈版「シンデレラ白夜行」
モテナカッタ男が彼女の前でシューッと一吹きすればモテモテに
「モテモテ・スプレ-」他
小品ながら意外な展開に「くすっ」とさせられる。
2005年 集英社刊
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東野圭吾著「 さまよう刃 」

2008-06-11 | 東野圭吾
花火大会の夜二人組にクロロフォルムを嗅がされ拉致レイプの末殺害され
川に流された高校生の娘の復讐を果たすため父親は1人を衝動的に殺害し、
後残りの一人を追って姿を隠す。
マスコミは未成年の犯罪、現行の少年法に対する憤りを取り上げ世間の
考えは賛否が大きく分かれる。
捜査する警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上げるが・・・。
犯人を裁く権利は遺族側にあるのかと・・・
重いテーマをサスペンスたっぷりに描かれて面白さに引き込まれ最後まで一気に
読める。
反少年法の立場で書かれているが結論は 読む者が下すべき課題だろう。
しかし、結末は自分的にはチヨット不満が残った。
2004年朝日新聞社 刊
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東野圭吾著「ダイイング・アイ」

2008-06-03 | 東野圭吾
表題の題名通りプロローグで語られる死者の眼が重要なポイントになって展開される。
『俺をみつめるマネキンの眼。そいつは、確かに生きていた。』(著者の紹介分より)
雇われバーテンの 雨村慎介は店に最後まで居て先に帰った男の客にエレベータ
の前で襲われ頭を殴られて倒れて、気付いた時は病院のベッドだった。
そして慎介は、自分が死亡事故を起こした過去を知らされる。
しかし事件の前後の記憶が一部欠落していた。
自分は誰に、なぜ殴られたのか?なぜ、そんな重大なことを忘れてしまったの
だろうか。事故の状況を聞きまわる慎介だが、以前の自分が何を考えて
行動していたのか何も思い出せない。
やがて関係者が徐々に怪しい動きを見せ始め、失われた記憶と、まわりの
人間の不可解な行動に、慎介はますます不信感を募らせていくのだが・・・。
一部記憶喪失者の視点で物語が進んでいくため読んでる自分も霧の中に
いるようでまた、当事者が飲酒運転・交通事故の加害者であるという点も
気にかかった。
交通事故はいつ何時自分にも被害者としてか加害者としてか降りかかってくる程
日常茶飯事の出来事それを取扱っていることも身近な問題として読めました。
東野ワールドにぐいぐい引き込まれるいつものストーリー展開に一気に読了。
ホラーミステリーサスペンス。
2007年11月 光文社刊 1680円

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東野圭吾著「夜明けの街で」

2008-04-18 | 東野圭吾
『不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた。』・・・
の書き出しで始まる。
しかし、主人公渡部は妻と娘の家庭がありながら越えては
ならない境界線を越えてしまう。
しかも、その彼女にはある殺人事件の容疑がかかっていた。
事件はまもなく時効を迎えようとしていたのだ。
僕はその容疑者と不倫の恋に堕ちた。
渡部の働く会社に、盆休み明け派遣会社から仲西秋葉がやって来た。
メガネ顔の彼女は31歳、浮気したら殺すとまで言い切る奴で
興味はなかったのだが・・・。
ある事がきっかけで、二人の距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない一線を越えてしまう。
しかし、彼女の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親の離婚、母親は
自殺そして、15年前彼女の横浜の実家で起きた、父の愛人が殺されると
いう事件まで起こっていた。当時高校生で殺人現場に気を失い倒れていた
彼女は真犯人の容疑をかけらたが、沈黙を貫いてきた。
犯人かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は家庭と
彼女の間で揺れ動く。
果たして彼女は罪を犯したのか。
登場人物の誰に感情移入して読むのか・・・
男、不倫の女、妻、不倫中の娘をもつ親・・・
それによって味わいも違ってくる。
緊迫のカウントダウンサスペンスミステリー。
そして衝撃の結末ラストシーン。
番外編新谷君(友人)の話も面白い。

2007年 06月 角川書店刊  1680円

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東野圭吾 著「赤い指」

2007-12-02 | 東野圭吾
著者の第134回直木賞受賞後の第1作。
死体隠し、家族、息子、ひきこもり、認知症、介護、幼女趣味、
少年犯罪、フィギュア等々のてんこ盛りの材題を扱っている。
自分の子供が少女を絞殺するという取り返しのつかない罪
を犯した一家の二日間の出来事を、父親の立場からと刑事
の視点の二方向から語られる。
共に父親や家族に対する複雑な想いをもつ二人の心理を
犯人探しや犯罪トリックで魅せるのではなく、
人間の心の奥底を覗くように突っ込んでゆく犯罪小説です。
家族のあり方を見つめ直す感動の小説です。
『犯罪を超えたその先に、本当の闇がある。
2日間の悪夢と、孤独な愛情の物語。』(著者の内容説明より)
2006年 講談社刊
☆☆☆☆ ☆☆ ☆☆☆ ☆ ☆

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東野圭吾著「使命と魂のリミット」  

2007-09-13 | 東野圭吾
心臓血管外科医を目指す研修医の氷室夕紀は、
西園陽平医師が行った大動脈瘤の手術中に死んだ元警察官の
父に関する誰にも言えないある疑惑を確かめる目的を胸に秘めていた。
その目的を果たす為に卒業と同時に選んだのが帝都大学医学部の研修医。
あの西園教授の下で働く病棟にて、目的を果たすべきその日、
手術中の手術室を前代未聞の危機が襲う。
あの日、手術室で何があったのか?
今日、経済界の大物社長の手術中に何が起きようとしているのか?

「医師とは無力な存在なのだ神ではないのだ。
人間の命をコントロールすることなど出来ない。
出来るのは自分の持っている能力を全てぶつけることだけだ。
医療ミスとは、その能力の不足から生じる。」(文中より)

この本のテーマは使命とは何か
「人には全うすべき使命がある」(作中の夕紀の父の言葉)

登場人物の心理描写、病院内部のリアル描写
物語展開もテンポ良くすすみスリルと計算された背景とサスペンスに酔える
心の限界に挑む医学サスペンスミステリー小説です。

2006 年12月 新潮社 刊  値段 1680円  




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