「蛍の光」がスコットランド民謡であることは朝ドラ「マッサン」でも紹介されました。先日の卒業式で唄っていた「仰げば尊し」もそうではないのかと言われていたのですが、2011年1月に一橋大学の桜井雅人名誉教授が、「Song for the Close of School」[2]という楽曲の旋律やフェルマータの位置が「仰げば尊し」と同一であり、原曲らしいということを突き止めたとのこと。そこには作曲者を「H. N. D.」、作詞者を「T. H. ブロスナン」と記載している。作曲者の「H.N.D.」についてはどのような人物であったかは定かではないので、スコットランド民謡の可能性もまだ残る。また日本語の歌詞は、大槻文彦・里見義・加部厳夫の合議によって作られたと言われている。
長いあいだ作者不詳の謎の曲とされてきただけに、いろいろな想いを曲想に乗せて巡らせる神秘的な世界、故に一層尊く感じる。