■『地雷ではなく花をください サニーのおねがい』(自由国民社)
絵:葉祥明 文:柳瀬房子
※葉祥明さんまとめ参照
表紙裏に、地雷の脅威にさらされている地域の子どもたちが、それぞれの文字で書いた
「地雷ではなく花をください」が印刷されている。
クメール人、クロアチア人、ツチ族、アンゴラ人、モスリムジンなど
場所は、カンボジア、ルワンダ、ボスニア、ザンビア。
▼あらすじ(ネタバレ注意
地図帖では国境線がひいてありますが、
実際に地面に線がひいてあるわけではないんですよ。
ここから先は隣の国です。
鳥たちは自由に空を飛んでいますが、
私たちは、勝手に超えることができません。
この人たちは地雷で被害にあったのよ。
地雷というのは土のなかに埋められて
踏むととつぜん破裂する爆弾なんですよ。
もともとは、となりの国から攻めてこられないよう、
国境にそって埋められたものなの。
戦争が終わっても多くの地雷がそのままになっています。
世界中で1億1000万個。
1時間に3人が亡くなったり、大けがをしているんです。
山、野原、田畑、学校の校庭にも埋められて、
もう、どこに埋めたかわからなくなっているのです。
Finally the mountains and fields are covered with flowers.
やっと山や大地が花でいっぱいになったよ
This is wonderful. Thank you, Thank you.
素晴らしい ありがとう ありがとう
The Earth is beautiful again.
地球はまた美しくなった
Our safe and lifegiving planet is back.
私たちの安全でいのちを与え合う星が戻ったんだ
【報告 黒柳徹子 内容抜粋メモ】
1995.11「デイトン合意」で和平がなったにもかかわらず、いたるところで生々しい内戦の傷跡に出会った。
宗教の異なるセルビア人、クロアチア人、ムスリム人が住む国で、4年近い内戦で、
死者・行方不明者が15万人、270万人が罹災、故郷を離れた。
ひときわ目立ったのは「MINE(地雷)」と書かれた幅広の黄色いテープ。
ボスニアには今、推計300万個、旧ユーゴでは1000万個以上の地雷があり
どこに埋められているかも分からず、農作物も作れず、子どもたちは遊び場を奪われている。
とくに困るのは、お菓子や、チョコレートに似せた地雷がたくさんばらまかれていること。
「キンダーエッグ」にそっくりな地雷、アイスクリーム、ヘリコプターなどのおもちゃの形をした地雷まである。
旧ユーゴでの戦争は「民族浄化」という恐ろしい言葉が使われるほど残酷だった。
何の責任もなく、抵抗できない子どもを狙った地雷を私はとても許すことができません。
クマのぬいぐるみに仕掛けられた爆弾で、5歳の女の子が即死したという話も聞いた。
子どもを狙った戦争。
ゼニツァの孤児院を訪ねた時、画用紙を真っ黒に塗りつぶしている男の子がいた。
職員に聞くと、内戦で家族を失ったり、辛い思いをしたショックで精神的なケアを必要とする例がとても多いとのこと。
私は「じゃがいもの会」の活動を通じ、「難民を助ける会」に協力してきたが、
このたびの「地雷ではなく花をください」の呼びかけには心から賛同します。
みんなで力を合わせ、こんな危険で卑怯な武器を一刻も早く地上からなくしたいと思っています。
【地雷は取り除かなければその危険は消えない 難民を助ける会 副会長 吹浦忠正 内容抜粋メモ】
●世界には1億1千万個もの地雷
カンボジアの障害者支援センターでは、車椅子の製造などの技術の修得に励んでいる。
この人たちはみんな、地雷で大けがをして、一命を取り留めた人たちです。
世界の64カ国に計1億1千万個もの地雷が埋められ、その大部分が「対人地雷」
除去できるのは、資金・技術者不足のため、年間に10万個程度
●南北戦争からはじまった「悪魔の兵器」
地雷が初めて用いられたのは、アメリカの南北戦争。
だれかれ構わず突然、爆発することから「悪魔の兵器」と呼ばれた。
それに対抗したのが、第一次世界大戦の戦車 、それに対抗したのは対戦車地雷
第二次世界大戦では、戦車、大砲、大部隊の移動・接近を妨げたりして地雷は重要な役割を果たした。
●簡単につくれて、探知・撤去がむずかしい
「ベトナム戦争」で地雷は変わった
人、車両の踏圧、振動以外に、磁気、音響などに感応
2度目の刺激で爆発する仕組み
飛行機やヘリなどで散布可能
セラミック、プラスチック製で、磁力探知が不可能に
標的が戦車や大砲でなく、兵士を狙う
カンタンに、安価、大量に作れるようになった
1980年代、なんらかの制限を加えようという動きが始まったが、なかなか意見はまとまらず
●1996年「オタワ・プロセス」
「97年までに賛同国だけでも対人地雷全面禁止条約を結ぼう」と提唱
ダイアナ妃は、熱心に廃絶を訴えた
各国NGOの強力な働きかけで、97カ国が正式参加。日本は残念ながらオブザーバーにすぎなかった
アメリカは「オタワ条約内容検討会議」直前に「オタワ・プロセス」から離脱
第2次橋本改造内閣で小渕外相は
「わが国が対人地雷の被害者支援の資金を出す一方で、禁止条約に加入しないのはバランスを欠いている」と発言。
禁止条約が発効、日本も参加
ICBL(対人地雷禁止国際キャンペーン)に「ノーベル平和賞」が授与された
1998「NGO東京地雷会議'98」には、クリス・ムーンさんが参加、
「長野オリンピック」開会式で最終ランナーをつとめ、世界に対人地雷廃絶を訴えた(覚えてないなあ・・・
1999「オタワ条約」が発効
しかし、アメリカ、ロシア、中国などの「地雷大国」が入っていなかった
●この本1冊で、地雷原10m2がクリアされる
地雷の撤去には、敷設国、地雷原の状況、使用地雷などさまざまな要素でコストが違うが、
1999.9末までに、カンボジアでテニスコート約1500面分の地雷原が農地などにかえることができた
2000年以降は、この本の収益を、援助の手がほとんど入っていないアフガニスタンや旧ユーゴの対人地雷撤去、被害者支援に充当します。
※この本はすべてボランティアによって刊行され、収益はすべて敷設された対人地雷除去のために活用されます。
【あとがき 柳瀬房子 内容抜粋メモ】
本来なら多くの方に「お読みいただければ」とお願いするのでしょうけれど、
この本を1冊でも多くの方が「買って下さると嬉しい」と思います。
もしかしたら、地雷原がステキなお花畑に変わるかもしれません
*
自由国民社は、東京都豊島区高田にあるんだな。
私は、実はあまり街頭募金などをしない。
ボランティアが活動しても、運営する資金、事務所を借り、海外とやりとりし、
人材を送り、支援を継続するためには、どうしても人件費がかさみ、
自分のお金が、どう使われているのかが分からず、人件費や運用費に消えては意味がないと思うから。
でも、東日本大震災の際、投げ銭ライヴなどで集めた寄付などであれば、
送る人の顔が見え、信用できる、その人づたいに、現地の人たちに直接わたり、
使い道を自由に選べるという具体的な想像ができるから少額ながら協力させてもらった。
私は、家に本を置くのを止めてから、買わずに図書館で借りることが多くなったけれども、
この本の主旨には賛同したくなった。
なにか、周囲へのプレゼント、地域のあちこちに置いてもらえるならば、買いたいと思う。
【ブログ内関連記事】
『地雷のない世界へ はたらく地雷探知犬』(講談社)
『小型武器よさらば 戦いにかり出される児童兵士たち』(小学館)
絵:葉祥明 文:柳瀬房子
※葉祥明さんまとめ参照
表紙裏に、地雷の脅威にさらされている地域の子どもたちが、それぞれの文字で書いた
「地雷ではなく花をください」が印刷されている。
クメール人、クロアチア人、ツチ族、アンゴラ人、モスリムジンなど
場所は、カンボジア、ルワンダ、ボスニア、ザンビア。
▼あらすじ(ネタバレ注意
地図帖では国境線がひいてありますが、
実際に地面に線がひいてあるわけではないんですよ。
ここから先は隣の国です。
鳥たちは自由に空を飛んでいますが、
私たちは、勝手に超えることができません。
この人たちは地雷で被害にあったのよ。
地雷というのは土のなかに埋められて
踏むととつぜん破裂する爆弾なんですよ。
もともとは、となりの国から攻めてこられないよう、
国境にそって埋められたものなの。
戦争が終わっても多くの地雷がそのままになっています。
世界中で1億1000万個。
1時間に3人が亡くなったり、大けがをしているんです。
山、野原、田畑、学校の校庭にも埋められて、
もう、どこに埋めたかわからなくなっているのです。
Finally the mountains and fields are covered with flowers.
やっと山や大地が花でいっぱいになったよ
This is wonderful. Thank you, Thank you.
素晴らしい ありがとう ありがとう
The Earth is beautiful again.
地球はまた美しくなった
Our safe and lifegiving planet is back.
私たちの安全でいのちを与え合う星が戻ったんだ
【報告 黒柳徹子 内容抜粋メモ】
1995.11「デイトン合意」で和平がなったにもかかわらず、いたるところで生々しい内戦の傷跡に出会った。
宗教の異なるセルビア人、クロアチア人、ムスリム人が住む国で、4年近い内戦で、
死者・行方不明者が15万人、270万人が罹災、故郷を離れた。
ひときわ目立ったのは「MINE(地雷)」と書かれた幅広の黄色いテープ。
ボスニアには今、推計300万個、旧ユーゴでは1000万個以上の地雷があり
どこに埋められているかも分からず、農作物も作れず、子どもたちは遊び場を奪われている。
とくに困るのは、お菓子や、チョコレートに似せた地雷がたくさんばらまかれていること。
「キンダーエッグ」にそっくりな地雷、アイスクリーム、ヘリコプターなどのおもちゃの形をした地雷まである。
旧ユーゴでの戦争は「民族浄化」という恐ろしい言葉が使われるほど残酷だった。
何の責任もなく、抵抗できない子どもを狙った地雷を私はとても許すことができません。
クマのぬいぐるみに仕掛けられた爆弾で、5歳の女の子が即死したという話も聞いた。
子どもを狙った戦争。
ゼニツァの孤児院を訪ねた時、画用紙を真っ黒に塗りつぶしている男の子がいた。
職員に聞くと、内戦で家族を失ったり、辛い思いをしたショックで精神的なケアを必要とする例がとても多いとのこと。
私は「じゃがいもの会」の活動を通じ、「難民を助ける会」に協力してきたが、
このたびの「地雷ではなく花をください」の呼びかけには心から賛同します。
みんなで力を合わせ、こんな危険で卑怯な武器を一刻も早く地上からなくしたいと思っています。
【地雷は取り除かなければその危険は消えない 難民を助ける会 副会長 吹浦忠正 内容抜粋メモ】
●世界には1億1千万個もの地雷
カンボジアの障害者支援センターでは、車椅子の製造などの技術の修得に励んでいる。
この人たちはみんな、地雷で大けがをして、一命を取り留めた人たちです。
世界の64カ国に計1億1千万個もの地雷が埋められ、その大部分が「対人地雷」
除去できるのは、資金・技術者不足のため、年間に10万個程度
●南北戦争からはじまった「悪魔の兵器」
地雷が初めて用いられたのは、アメリカの南北戦争。
だれかれ構わず突然、爆発することから「悪魔の兵器」と呼ばれた。
それに対抗したのが、第一次世界大戦の戦車 、それに対抗したのは対戦車地雷
第二次世界大戦では、戦車、大砲、大部隊の移動・接近を妨げたりして地雷は重要な役割を果たした。
●簡単につくれて、探知・撤去がむずかしい
「ベトナム戦争」で地雷は変わった
人、車両の踏圧、振動以外に、磁気、音響などに感応
2度目の刺激で爆発する仕組み
飛行機やヘリなどで散布可能
セラミック、プラスチック製で、磁力探知が不可能に
標的が戦車や大砲でなく、兵士を狙う
カンタンに、安価、大量に作れるようになった
1980年代、なんらかの制限を加えようという動きが始まったが、なかなか意見はまとまらず
●1996年「オタワ・プロセス」
「97年までに賛同国だけでも対人地雷全面禁止条約を結ぼう」と提唱
ダイアナ妃は、熱心に廃絶を訴えた
各国NGOの強力な働きかけで、97カ国が正式参加。日本は残念ながらオブザーバーにすぎなかった
アメリカは「オタワ条約内容検討会議」直前に「オタワ・プロセス」から離脱
第2次橋本改造内閣で小渕外相は
「わが国が対人地雷の被害者支援の資金を出す一方で、禁止条約に加入しないのはバランスを欠いている」と発言。
禁止条約が発効、日本も参加
ICBL(対人地雷禁止国際キャンペーン)に「ノーベル平和賞」が授与された
1998「NGO東京地雷会議'98」には、クリス・ムーンさんが参加、
「長野オリンピック」開会式で最終ランナーをつとめ、世界に対人地雷廃絶を訴えた(覚えてないなあ・・・
1999「オタワ条約」が発効
しかし、アメリカ、ロシア、中国などの「地雷大国」が入っていなかった
●この本1冊で、地雷原10m2がクリアされる
地雷の撤去には、敷設国、地雷原の状況、使用地雷などさまざまな要素でコストが違うが、
1999.9末までに、カンボジアでテニスコート約1500面分の地雷原が農地などにかえることができた
2000年以降は、この本の収益を、援助の手がほとんど入っていないアフガニスタンや旧ユーゴの対人地雷撤去、被害者支援に充当します。
※この本はすべてボランティアによって刊行され、収益はすべて敷設された対人地雷除去のために活用されます。
【あとがき 柳瀬房子 内容抜粋メモ】
本来なら多くの方に「お読みいただければ」とお願いするのでしょうけれど、
この本を1冊でも多くの方が「買って下さると嬉しい」と思います。
もしかしたら、地雷原がステキなお花畑に変わるかもしれません
*
自由国民社は、東京都豊島区高田にあるんだな。
私は、実はあまり街頭募金などをしない。
ボランティアが活動しても、運営する資金、事務所を借り、海外とやりとりし、
人材を送り、支援を継続するためには、どうしても人件費がかさみ、
自分のお金が、どう使われているのかが分からず、人件費や運用費に消えては意味がないと思うから。
でも、東日本大震災の際、投げ銭ライヴなどで集めた寄付などであれば、
送る人の顔が見え、信用できる、その人づたいに、現地の人たちに直接わたり、
使い道を自由に選べるという具体的な想像ができるから少額ながら協力させてもらった。
私は、家に本を置くのを止めてから、買わずに図書館で借りることが多くなったけれども、
この本の主旨には賛同したくなった。
なにか、周囲へのプレゼント、地域のあちこちに置いてもらえるならば、買いたいと思う。
【ブログ内関連記事】
『地雷のない世界へ はたらく地雷探知犬』(講談社)
『小型武器よさらば 戦いにかり出される児童兵士たち』(小学館)