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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

はじめの四年間 岩波少年文庫 3035 ローラ・インガルス・ワイルダー/作 岩波書店

2025-04-14 16:52:46 | 
1975年初版 1991年 第27刷 鈴木哲子/訳 ガース・ウィリアムズ/挿絵

「作家別」カテゴリー内「ローラ・インガルス・ワイルダー」に追加します

「わが家への道」を先に読んでしまったから
本書がローラ物語の最後となるため、とても寂しい

農家には嫁ぎたくないと思っているローラを説得して結婚したアルマンゾは
小麦を収穫して売れば3000ドル手に入る予定で、いろんな機械などを買って
家を建てた借金500ドルもあるのに、あられなどの影響でまったく計算が狂ってしまった

農業はたしかに自分の思う通りに働くことができるけれども
天候や収穫に左右されるリスクが大きいことが分かる

ジフテリアにかかって、前のようにムリがきかなくなり
体が資本の労働がさらに困難になるアルマンゾ/汗
途方もなく広大な土地と闘うヒトの小ささを痛感する

ローラはローズを出産
まだ実家が近くだから父母の助けを得ることができて良かったけれども
その後、家族はまた西部への旅に出ることになる


【内容抜粋メモ】

登場人物

インガルス家
父チャールズ
母キャロライン
長女メアリー
次女ローラ
三女キャリー
四女グレイス

ワイルダー家
長男ローヤル
次男アルマンゾ(マンリー) ローラと結婚 娘ローズ



紹介のことば ロージャー・リー・マクブライド
これはローラとアルマンゾの結婚後の最初の4年間の物語
ローラの書類の中から原稿が発見された
これまでのシリーズのように手を入れなかったので、語り方が異なっている

ローズは1965年、78歳で戦地の特派員としてベトナムへ派遣された!

世界旅行に出発する1週間前に、30年間住み慣れたコネティカット州ダンベリーの家で
81歳の時、心臓が突然止まった(理想的な死に方だな

ローラたちが住んだ「ビッグ・レッド・アップル 大きな赤いりんごの土地」
アルマンゾが建てた家に、ローラは「ロッキー・リッジ・ファーム 岩尾根農場」と名付けた



■第1章 最初の一年
アルマンゾがローラに早めに結婚式を挙げないかと相談する場面から始まる
姉が盛大な結婚式を準備して母と来る前に挙げたいから

ローラは貧しく、苦労が多いお百姓さんとは結婚しないと決めていたと明かす

ローラ:
町の人がラクに暮らして、私たちからお金を儲けているのに
私はいつも貧乏して一生懸命働くなんてイヤなの

アルマンゾ:
百姓以外に独立している者はいない
僕は50エーカーの小麦畑を持ってる
君が来てくれるなら、来年はもう50エーカー種まきするよ
3年間試してみて、それでも成功しなかったら、農業をきっぱりやめて
何でも君の好きなことをやると約束する

マンリーの家族は東ミネソタで裕福な生活をしている
(大規模農業と牧場経営で成功したのかな?
父チャールズは160エーカーの土地を開墾したっていうのもスゴイ広さだな/驚

2人はブラウン牧師、娘アイダと婚約者の前で式を挙げる
いろいろ忙しいローラを隣りの農場のお手伝い娘ハティー・ジョンソンが手伝う

ローラは今まで百姓の娘というより、開拓者の娘だった

脱穀を手伝いに来た大勢の男たちに初めて1人で料理をふるまうが
テンパりすぎて、豆は硬すぎて、パイは砂糖を入れるのを忘れてしまう
(今なら寿司でも頼んで出せばいいけど、全部自分で作らなきゃならないってプレッシャーはすごいな/汗









日照りが続き、小麦の値段は安かった
それでも、日曜はいつも2人で馬車ドライブをしてラブラブ

マンリーはローラの乗馬用にポニーを買ってくる!
ローラはトリクシーと名付けて、カタログで鞍を注文する
(今のAmazonと同じ仕組みがもうあったのはビックリ 広大なアメリカならでは

道の向かい側に住むオール・ラーセンさんは
なんでも借りに来て、あまり礼儀を知らないタイプ/汗

ローラは教師をした給料で子馬を1頭買う
アルマンゾはうまく育てれば2倍の値段で売れると教えた



マンリーがいない時に5人のインディアンがやって来て
家畜や鞍などを物色しはじめ、ローラの腕に触れた瞬間に平手打ち!
「わたしのスクオー(妻)になるか?」と聞かれて断る









「大吹雪」
目の前も見えないほどの猛吹雪が三日三晩続く
出かけ先で吹雪に遭った男が凍死体で発見された↓↓↓
家畜も川に落ちて凍死し、持ち主たちは焼き印を見て、皮を持ち帰った

インガルス家、ボースト家とともに休日を過ごす

2月はローラの19歳の誕生日(まだ19歳!?
1週間後がマンリーの29歳の誕生日
互いにプレゼントを贈り合う



ローラは妊娠して、卒倒して寝込み、母に来てもらう
食事も出来ず、料理の匂いだけで吐き気をもよおす

小麦が実れば3000ドルになる計算で、新しい農具を買ったり
家を建てた時の借金も返せるはずだったが、急にあられの嵐に見舞われて全滅する

アルマンゾはいろんな手形を出してやりくりし、2人は自作農場の小屋に引っ越す




■第2章 第2年目
1886年 ローラはローズを出産
医者、クスリ、手伝いへの礼金で100ドルが消えた

アルマンゾは美しい時計を買って帰る
借金がたくさんあるのに、相当な楽天家だな/汗

ボーストさんは、自分たちには子どもが出来ないから
ローズをくれたら、一番いい馬をあげると持ち掛ける
(ええっ!? 馬と子どもを交換って、どーゆーこと???


「4月に大吹雪」
またもや旅人が死ぬような吹雪

犬のシェップはローズに馴染めず、姿を消してしまう/汗
その後、セントバーナードの黒い犬がやって来て、ネロと名付けて家族に向かえる

穀類の収穫の量は予想よりはるかに下回った




■第3章 第3年目
いとこのピーターが来て、近所のホワイトヘッド家で働く

ローラはジフテリアにかかり、アルマンゾにも伝染る
ローズはチャールズらに預けられる

アルマンゾはムリをして動きすぎた過労から体にマヒが残る
自作農場は売り払われ、2人はまた樹木農地の家に戻る

ホワイトヘッドさんがヒツジ100頭を売りたいと申し出て、安く買い取る(規模がデカい/驚
ピーターは2人と同居し、ヒツジの世話をする

3日間、熱風が続く
穀物はすっかり乾燥してしなびてしまった













■第4章 恵みの年

アルマンゾ:
豊作が1回あれば、僕たちは大丈夫なんだ
もう1年やってみようよ 来年は豊作かもしれないぞ
(農業ってギャンブルに近いんだな/汗

ローラはまた妊娠

今度は猛烈な強風
大草原では火事がおきる
近くの家畜小屋は焼け、家畜も焼死する↓↓↓
種は吹き飛ばされたが、ヒツジの毛は売れた

ローラは農場も家畜も臭い子羊も、料理もキライ
マンリーが何と言おうと、百姓は下にいるハエなのだと絶望する

1週間、熱風が続き、小麦もカラス麦も枯れてしまい
植えた樹木も絶望的となった

旋風が干し草の山も持ち去っていく
そして、生まれたばかりの息子は3週間ほどで急死してしまう・・・



それでもローラは毎日の家事、育児、農業の仕事の手伝いに追われる
台所が出火し、屋根まで焼いてしまう
(うまくいかないことって続くよね/汗










アルマンゾがずっと繰り返し言っていた言葉

“富める者は氷を夏持ち、貧しき者は冬これを得る”

世の中は公平にできているという教訓だけれども
2人の努力は結局成功しなかった




訳者あとがき
本書は著者が記録として残したものを、補筆せずそのまま出版したと言っている

開拓精神と農業とには強い結びつきがある
それは土地に対する愛情と「どうしようもない」楽天主義であること

挿絵を描いたウィリアムズさんの手紙:
世界中の人たちが、人間はみな同じなのだということに気づくのも
そう遠くはないしょう

そうハッキリ悟る時、私たちは今よりずっと賢く、互いにもっと親しみを持ち
もっと親切になるようにと祈っています




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